『大奥 16 』(ヤングアニマルコミックス)読了

大奥 16 (ヤングアニマルコミックス)
 
大奥 16 (ヤングアニマルコミックス)

大奥 16 (ヤングアニマルコミックス)

 

 これも転がってたマンガ。初出はメロディの2018年2,4,6,8月号 デザイン 湯浅レイ子mP.inc 時代考証 大石学(学芸大副学長)大石こずえ 大石静は関係ありません。

頁63上のコマのお侍の顔など、既成の誰かステレオタイプの絵のようにして読者に安心感を与えてくれてると思うのですが、それが誰なのか思い出せないままです。はなばなしく登場した和宮が、思いのほか単なる母娘の相克になってしまい、閔子騫というか残念です。おかーたまもそんなに娘をないがしろにするなら、自らも男装しておひいさんにくっついて江戸落ちするわけないと思います。なんか頭で考えすぎてよじれてる。

前巻の感想で、死亡の絵を描かず伝聞のみで進める手法について触れまして、その後この巻読んだら、安藤信正がフツーに討たれる場面が描かれてました。くだらない批評してしまい、赤面ものです。てゆーか安藤信正って誰なら。

なんか読んでても読んでても幕末という時代の閉塞感ばかりが濃厚に漂ってきていて、それは、男女逆転歴史ロマンと銘打ちながら、戦国自衛隊さながらに、実際の史実とそれほど変わらない展開を遂げつつあることから来る、先が読めるが故の喪失感も相まっているのかなと思います。ドラえもん第一話で、鈍行で行っても新幹線で行っても大阪に着くことに変わりはないというあの説明で、ジャイ子と結婚しようがしずかちゃんと結婚しようが結局ひ孫にはセワシが生まれると言いくるめられているあの感覚。

なので、ここは一発、もう一回赤色疱瘡を流行らせて、当然突然変異の、ワクチンに耐性のある新型のパンデミックにして、慶喜とか真っ先に罹患して死んでしまう展開を望みます。先の見えない道路を走ろう。定まらぬ未来を模索しよう。以上