いちおう原作は旧訳で読んでるのですが、筋忘れてました。ので、悪い意味でファニーの投獄理由を曲解して憶測してまして、作り手の思う壺でした。でもしかたない。
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原作は読者を巴投げに投げたまま終わってしまう話ですので、なんでこれ映画にしようとするかな～と、ストーリー再確認しつつ見ました。たぶん日本で観に来る人は下記の理由からだと思うのですが、よく一般公開したなと。ネット配信じゃダメなんですかと。
・アカデミー賞映画「ムーンライト」監督の次作だから観ようと思った。
・ジェイムズ・ボールドウィンの記録映画「私はあなたのニグロではない」を見て、彼原作の映画なので観ようと思った。
・米国人口の三割を占める黒人社会向けの映画なので観ようと思った。全米全豪。
ブラック・ムービー―アメリカ映画と黒人社会 (講談社現代新書)
- 作者: 井上一馬
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/11
- メディア: 新書
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巴投げはともかく、デパガの場面は読んだ覚えがなく、トマトは思い出しましたが、ブラウンシュガーなんて言ってたかな～と。ワンカップみたいなガラスコップのビール瓶初めて見ました。ああいうものがあったのかと。
私はムーンライトも見てませんし、黒いオルフェすら見てない。スパイク・リーのひねくれた映画、確かピーター・バラカンが激賞してたスクール・デイズとか、六本木白人ホステスが口コミで面白いと言っていたジャングル・フィーバーとかは見ました。彼の映画は、奴隷の子孫でないアフリカ黒人についても奥歯にものが挟まったような何かがあるのですが、逆に、カリビアンに対してはどうだったかなあという。この映画の原作は、そこに対峙していて、それが主題のひとつなのですが、映画は、それやると米国黒人の受けが悪くなるからか、どうにもです。
ぼんにだけゆうたるんやけどな、おっぱい出ますよ。おっぱい。ぼんすっきゃろ、おっぱい。どちらもあおむけに横になってる場面で、最初は両腕ばんざいしてるから引き上げられて貧乳に見えてまいますが、次は腕おろしてるので、まるいんでっせ。どないだ、だんはん。そんかわし、ポート・リコの場面が、ほんま、ないんですよ。
ポート・リコ、原作ではスペイン語が話せないハーレムだかブルックリンだかから出たことのないレジーナ・キング（の役）のために英語が話せる小僧かなんかが出て来るんですが、コレばっさりカット。だいたいロケもプエルトリコじゃないのかも。ドミニカチームとかロスチームとかがエンドロールには出て来ます。当時に似た街角を探して東へ西へ。でもプエルトリコの貧困と、冷蔵庫のあるニューヨーク生活との比較は描かれない。原作はちゃんとやってるのにな～。ジェイムズ・ボールドウィンはアメリカを捨てたし、スパイク・リーはニックスのブースター（和風表現）に逃避した。
ルーサーキングの後継者、ジェシー・ジェイムズ…いや違う、誰か、ニューヨークだかワシントンの聖職者の黒人が、「こどもはこどもうんじゃイカンゴレン」と演説した時代がこの後来て、その後エイズの時代が来て、乗り越えて21世紀になるわけですが、もう少しその辺整理して構築して、情緒以外の何か入れてもよかったと思います。スパイク・リーはグリーンブックには激怒しても、ブラックムービーのこれはスルーなのか。だとしたら分かる気がする、花粉症の夕べ。言及するに値しな…いや、惚れた女を守れない男には価値がないという米国人男性の信念に基づこうとして、たとい彼自体がマッチョであっても、権力プラス暴力で、ポリにこなごなに壊される黒人男性、というキャラはもう彼が前世紀にジャングルフィーバーで描いてますし、ジャングルフィーバーには、勇気を出してアフリカからの留学女性（奴隷の子孫ではない）を守るメガネの白人男性も対比として描いてしまうというおもてなし精神。何を今さら二郎ですよ、という。以上
【附記】
日本でやるなら、レジーナ・キングのヒロインのママは木村佳乃一択。アロンゾは、池内博之…と思ったのですが、やや年が上なので、一回りか二回り下の世代で、そんな奴いないかなと。親父たちは、これはもう幾らでもいるだろうから、プロデューサー次第。湯を沸かすほどにオダギリジョーが出て来るようなゴージャスな間違いはなしでお願いひやっすという。ヒロインは、分かんないから、広瀬すずとかでいいと思います。吉岡里帆という声がそこでありましたが、よく分かりません。キリスト教原理主義者のアロンゾママ誰がやるかですよね。楽しみです。以上
