『似ている英語』(『目でみることば』シリーズ)読了

 読んだのは初版の一ヶ月後の二刷。相鉄瓦版256号特集で著者が紹介されていたので、読んでみましたイレブン。デザイン 佐藤美幸(keekuu design labo)編集協力(有)SPOON BOOKS 編集者は苗字だけ。「はじめに」「おわりに」あり。巻末に撮影協力一覧*敬称略、主要参考文献。 シリーズの「似ていることば」ではカメラマンの名前をひらがなで書いていて、ライターとの親和性を高めているのですが、本書もそれを踏襲しています。

似ている英語

似ている英語

 
似ている英語

似ている英語

 

 アルファベット若い順。さいしょのうちは、"among"の違いに"between"にほほうと思うくらい余裕があって、でもブロードウェーの"broad"と"wide"の違いは分かるべよ、てな感じで読んでました。頁51、"meet"と"see"の違いあたりから、うむ、分からん、となり、ゴシップとスキャンダル、ナチュラリストとネイチュリストでお手上げになり、頁52、"The squeaky wheel gets the grease."「キーキーうるさい輪っかは油さしてもらえる」がアメリカらしいことわざとして紹介されていて、なんだよ、あっちの賢者は沈黙は金じゃないのかよ、やっぱ訴訟社会だから子供の頃からこういうことわざかよ、となって、あとはもう読むだけでした。古代ギリシャでは銀は金より価値があってじゃな、雄弁は銀というのもその文脈でと、一言居士先生がどこかでのたまう声は聞こえません。グリーク!!!

頁60、センターとミドルの違い。ミドルシュートとかあるから分かるだろうと思ったら、ミドルシュート和製英語で海外では伝わらないんだとか。縦パスロングパス一本のカウンター戦術は通じるのに。ミドルキングダムは中国。センターはアルファベット三文字48と坂46。

頁72、アメリカでは雄鶏をコックと呼ばずルースターと呼ぶが、理由はお察しのとおりとのこと。なんで鳥って例えられるんでしょうか。中国語で"鸟"はむかしniaoでなくdiaoと読まれていたが、やはり性器絡みで同音忌避があってニャオになったと聞いたことがあります。"野鸡"

頁100、ギフトとプレゼント。お年玉の習慣は欧米にはないそうで、あえて英語で説明するとすると"gift"を使って"New year's gift money"、"present"ではないんじゃいかとのこと。"红包"はどう訳されるのか。

zh.wikipedia.org

cjjc.weblio.jp

頁104、グリルとローストの違い。ここでさらっと、炒めたり揚げたりは"fry"、と書いていて、揚げ物も炒め物もフライドでしか表現出来ない英語はバカなんじゃいかとずっと思っていることを、作者も深く追求しないのだなどうにもならないし、と思いました。炒めるをフライ、揚げ物はディープフライと書くイングリッシュメニューは以前から見てまして、最近、新しいなと思った表現のメニュー見たのですが、忘れました。

頁108、"high"と"tall"の違いの所で、ハイボールについて説明してました。和製英語にしちゃあちらでも使われてるっぽいと思ってました。

頁113、レディ・バードが🐞テントウムシだとは知りませんでした。去年観た映画を根本的に誤解してた。しゃしゃり出てサンバにあわせて踊りだすのかよ。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

頁120、ラビットとバニーはどう違うのかという、エロ映えしそうな項目が、バニーのように語尾に「y」を付けた言葉は赤ちゃん語、幼児語だから違いを比較する対象にはならないよ、とのことでボツになったそうです。イギー・ポップ。サンデーマンデーチューズデー。奥さん。

頁122、ホーネットとビーの違い。危険なものは新たに単語を作って別枠で、という思考。

頁131、エアクオート。これは知りませんでした。日本語なら「カッコ、カッコとじる」と音波で表現すると思う。ゼスチャーの国だし、ダブルコーテーションといちいちゆうのも疲れるんだろう。レッドロブスター、カニカニ

ja.wikipedia.org

頁134、リトルとスモール。基本的に頁24のビッグ、ラージと同じ考え方のはずなのですが、こっちはよく間違えます。大きい方はヒュージとかエノーマスとか他にもあるから、それでかな。小さいのはなんだ、ミクロマイクロとか使うかというと、使わないし思いつかない。

頁142、メニーとマッチの例で、たくさんのオニギリと升目一杯のコメの写真を使っています。この🍙おにぎりは、ライターの人のおくさんがひとりで握ったそうで、二十個あります。海苔はない。具は不明。撮影用塩握りなのか。

頁146、"mouse"と"rat"の違い。野毛山動物園で撮影とのことで、無料なのに私はまだ行ったことがありません。

頁150、目玉焼きの両面焼きはターンオーバーで覚えてましたが、本書によると、"turn over easy"の正式名称を略す場合、普通は"easy over egg"とするそうで、ターンノーバーとは略さないそうです。両面焼きは何がいいのか私も分からないのですが、アメリカはタマゴの賞味期限が一ヶ月あるので、しっかり焼かないと古いタマゴこわいと思ってるアメリカ人が多いんだとか。中国人もタマゴ生食の習慣ないと書いてあって、そこは、私は、広東人は生食すると聞いたことあるのですが、その料理も、実際にでっくわしたことも、まだありません。かなり信ぴょう性は高かったのですが。サルモネラ菌かなんかの時に聞いた。今検索してもぱっとは出ません。

頁154、"road"と"street"、日本で撮影してるのでロードは富士山の見える東名高速、ストリートは銀座。アヴェニューについての説明付き。

頁158、三茶のバーの店で、シェイクと、ステアでなくスウィングの比較写真。かき混ぜる動作は、"shake"と"stir"だけと思ってました。"swing"知りませんでした。

頁162、スーツケースとトランクの違い。"suitcase"はひとりで持つが、"trunk"は二人で、おそらくポーターとか赤ナントカとかがチッキとかで持つもので、ので、トランクは現在絶滅、死語であるとのことでした。まったく知りませんでした。

このネタは概念的な単語だったらいくらでもありそうですが、私もぱっと思いつけず、それだけにネイティヴでないおふたりと編集(たぶん)は項目抽出大変だったろうなと思います。シュリンプとロブスターというと、いちばんおいしいクルマエビとかサイマキエビとかの"prawn"がぬけてまうし。以上