「洗骨」"Born Bone Born"劇場鑑賞

http://atsuginoeigakan-kiki.com/movies/senkotsu/

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家族をひとつにしてくれたのは、 骨になった母でした―。 新城家の長男・剛が母・恵美子の「洗骨」のために故郷の粟国島に帰ってきた。 母がいなくなった実家にひとりで暮らす父の信綱の生活は、 妻の死をきっかけに荒れ果てていた。 さらに、長女の優子も名古屋から帰ってくるが、 優子の変化に家族一同驚きを隠せない。 久しぶりに顔を合わせ、一見バラバラになったかにも思えた新城家の人びと。 数日後には亡くなった恵美子の骨を洗う大事な洗骨の儀式が迫っていた。 お笑い芸人であるガレッジセールのゴリが、 本名の照屋年之名義で監督・脚本を手がけた長編作品。

以前丸の内東映の前を通りかかった時にポスターを見つけてはいたのですが(写真撮ったと思ってましたが見つからず)、「見栄を張る」という泣き女を扱った映画を観た時のことを思い出し、ご当地の風習をまじえた邦画がまたひとつ、くらいにしか思ってなかったです。が、昨日ふと厚木でやっていることを知り、昨日雨わりと長く降ったので今日ペンキ塗りは見合わせよう、そしてぬかるんだ地面でスギナやるのやだなと思って、見ました。三十人くらいいてたでしょうか。ゴリの映画であることは昨日知りました。ゴリが親戚なのは喜納昌吉だか照屋林賢だかキロロだか忘れましたので検索しましたが分かりませんでした。前はウィキペディア載ってた気がします。

Google マップ

senkotsu-movie.com

下はハワイ国際映画祭公式。

www.hiff.org

下はモスクワ映画祭の英語サイト。ロシア語の同ページは見つけられず。

moscowfilmfestival.ru

www.youtube.com

これは奥田瑛二のアル中映画です、がまずひとつ。「カノン」の鈴木保奈美に刺激されたのか、娘がカンヌパルムドールで演劇人としてのコケンにかかわったのか、かなりあちこち取材して回って役作りしたのではないかと。迫真なのですが、映画の役どころに比べてこの役作りだと、進行しすぎてると思いました。こんなに脳に来てる脚本じゃないだろと。じっと虚空を見据えてるようで、それはただそうなってしまっているだけで、じつは虚空を見据えているわけではない、みたいな。飲んでるのは久米仙。こんなに飲んでて、いくら亡き妻を思い出したからといって、ジューシーの朝飯もりもり食ったりとか、ありえるんだろか。沖縄も肝硬変による死亡とか多いと思ってましたので(私が離島で泊まった家も、ドクターヘリがどうこうでであるじは死んでいた)、ゴリがどこまで知ってるか知りませんが、飲まないと寝れないように描写してて、しかしあれだと数時間するとすぐ起きるべと思いました。

仏壇の位牌か何かが「歸新开」と読めたのですが、簡体字略字があるわけないので、さいごの一字は違う字だと思います。たぶん。「靈」も𦾔字でした。私は知識がかなりあやふやなので、亀甲墓とか屈葬とか死蝋とか出草とかが自分のアタマのなかでゴチャゴチャです。沖縄でも島や地域によっていろいろ違うんじゃないでしょうか。こっちの沖縄の人で、死後は故郷の亀甲墓に入れてもらうので毎年お金を送ってる、という人がいました。あっちに、太く絶えない親戚の墓守がいて、維持費は相互扶助。お寺に施餓鬼代払うのとはまた違うシステムなんだなと思った記憶があります。それとこの話のあぐに島とはまた違うんでしょうが。

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そしてまたこの映画はこの人の映画でもあり、ひさびさにこの人見ました。ロバートの秋山だと忙しすぎてオファー断られたのかなとか、長州小力だとすこしヨゴレだからイカンのかなとか思いましたが、この人頑張ったと思います。私はコメディーを見に劇場に行ったので、この人以外の場面もそれなりに笑いました。沖縄映画なので、ヤフー映画のコメント欄は☆五つか、とってつけたようなありえないDisコメで☆一つの両極端で、プラマイで☆四以上の評価なのですが、そこまでかな、でも別に関係ないしと思いました。

で、ニライカナイみたいな浜辺の穴を埋めてる石をどかすところでうとっとしてしまい、次にお棺を開けるところで本格的にかっくんと意識が飛んでしまい、気が付くと会陰切開してました。だいたい立ち会うと奥さんに性欲湧かなくなるらしいんだけど僕はぜんぜんそういうことなくて奥さんに性欲湧き続けるんだよねという人に以前逢ったことがあり、その奥さんはミクロネシアだかどっかの人で、ので在日米軍キャンプで働いてる親戚も多いよと言ってたのを思い出しました。ゴリ、よくこんな脚本書けるな、製作総指揮の人がチカラを貸した配分はどれくらいだろうなどと邪推しました。それくらい言葉を叩きつけてきます。終盤。

ぜんぜん関係ないんですが、本作は名古屋の美容師で内地の苦労を扱ってますが、内地の人が沖縄にきび狩りとかの援農に行くのと対照的に、沖縄の人は北海道に人参掘りとかの援農に行くと聞いたことありますので、そういうドラマも見てみたいと思いました。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

 以上