「ヴィクトリア女王 最期の秘密」(原題 "Victoria & Abdul")(ウルドゥー:وکٹوریا اینڈ عبد ل)劇場鑑賞

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厚木で観た映画。だいぶ長く橋本のMOVIXでやってた記憶があるのですが、日程があわず、観れませんでした。厚木でかけてくれたので、助かったです。このように、ひとつの映画館で無理でも、順繰りに各映画館を回ることで、観れたりする時があるのは、幸福なことだと思います。厚木も、無理して新百合より前にかけなくてよいと思います。厚木で観れなくても、厚木より後になることが多い気がする下高井戸で観れるかもしれない。小田急豪徳寺から世田谷線で下高井戸。下高井戸の後でも、目黒や高田馬場飯田橋やキネカ大森の二本立てなどでかけてくれるかもしれない。むかし京都にいた時は、みなみ会館だか九条会館だか忘れましたが、大阪まで出なければもうそこの一択しかなくて、あとは祇園会館とかという世界でしたが、今検索したら、そのすべてが消失してました。奥山和由李ポンウ。

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ヴィクトリア女王 最期の秘密 - Wikipedia

"Based on Real Story.............mostly" と冒頭に出るので、どの程度ホントかなあと訝しみつつ観ました。タイトルはウルドゥー語併記で、終盤ヴィクトリア女王が流暢にウルドゥー語を駆使するので、そんなわけあれへんやろ~と思いましたが、どうもホントらしいというか、彼女のウルドゥー語日記(練習帳?)は十三巻もあり、けっこう達者なものだったとパンフにありました。そんな女王おるんかいという。パンフ自体一度品切れになり、再入荷のものを私は別の日に買いまして、やっぱみな考証欲しいんだろうと思いました。映画で「インド大反乱」と出る事件を、「セポイの反乱」という名前で習ってるわけですので、そこの説明もあるかなと思いましたが、それは山川の世界史用語集でも読めよということみたいです。

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18歳で即位してから、長年女王の座に君臨してきたヴィクトリア。細かく決められる1日のスケジュール、思惑が飛び交う宮廷生活…心休まらない日々を送っていた。  そんな中、金貨を献上しに現れたアブドゥルに心奪われる。物怖じせず、本音で語りかけてくる真っ直ぐな彼を気に入ったヴィクトリアは、祝典期間中、従僕にすることにした。インド皇帝でもありながら、現地まで行ったことがない女王は、アブドゥルから教えてもらう言葉や文化に魅了されていく。次第に、身分も年齢も超えて強絆が芽生えていくが、周囲はふたりの関係に猛反対。やがて事態は英国王室を揺るがす大騒動へと発展していく。 心をひらいた。人生が愛おしくなった――。 女王の晩年を輝かせた、インド人従者との強い絆。 一世紀もの間、隠されてきた〈真実〉の物語。

字幕「永遠の宴」は、バンケットホールオブエターニティと言ってる気がしたのですが、あってますでしょうか。ジュディ・デンチという人は、確かに素晴らしくて、かなり最初の場面で、会食で音を立ててスープをすすります。これでキャラを決定づけている。高齢の女王が何をしてもマナー面では逆らえない。なのでムンシ抜擢を止められないという。ドラゴンボールのデンデと混同して、ジュディ・デンデと覚えかけましたが、脳内修正ちゅうです。

で、この映画は、かなりアレな史実をワザとこぎれいなきれいごととして感動ストーリーに仕立ててる面もあり、作り手は腹黒いと思いました。イギリス制作「スターリンの葬送行進曲」は正面切ってのコメディーですが、「最期の秘密」も感動のベールの下は、たいがいです。黄昏流星群のようにアレしたりはしませんが、かなりのものかと。ようするにこのインド人従者はたらし。

ネタバレ

(1)

セポイの反乱で回教徒は英国側についたと大嘘を女王に吹きこむ。実際は、ウラマーによるビクトリア女王暗殺指令も出ていたとかで、音声でははっきり「ファトワ」と聞こえました。女王も知ってる「ファトワ」という単語。

ファトワー - Wikipedia

(2)

淋病。既婚者なのに子どもがいない理由調査で判明。いやー、これ奥さんかわいそうかなと。奥さんも、名誉殺人とかムスリマの権利自由が注目される現代目線で描いてはダメと考えたのか、親同士の約束での結婚でやってきた運動しないので後は太るだけみたいな、ニヤニヤ笑いばかりの女性で、これは相当です。処女をヨメにもらって淋病とか、外で遊んでる男性で、ヨメを巻き込む男性ということにしかなりません。ここはたいがいだった。

(3)

フルーツの女王マンゴーを味わって感動するかというと、腐ってるという。そしてそのまんま。宮崎県のおいしいマンゴーは出ません。

 下記はパンフに載ってた、女王のウルドゥー日記の研究書で、表紙の絵はこの映画のあちらのポスターまんま。

Victoria & Abdul: The True Story of the Queen's Closest Confidant

Victoria & Abdul: The True Story of the Queen's Closest Confidant

 

 それでも女王は彼をしつようとした、という主題が、オモロイといえばおもろかったです。彼の同僚がイギリスで死んじゃうのに、彼は個人としての飛躍脱出を画策してる、という展開もヒドい。何も足さない、何も引かない、おそろしいイギリス人の映画。淋病はないよなあ、淋病は。以上

【後報】

この映画のインドとパキスタンの興収知りたいのですが、今のところウィキペディアに書いてありません。あと、京都の映画館のくだりで思い出したのですが、関西は芦屋小雁のようなホームシアター持ちのお金持ちが多いから、それで映画館文化が中流どまりなのかもしれないと思ったりしました。レーザーディスクをホームバーつきのプロジェクターで鑑賞してたあの時代。

(2019/4/28)