『上海サプライズ』(角川文庫)読了

 積ん読シリーズ その辺にあった文庫本。整理する前に読みました。

写真提供 ワーナー映画 

上海(シャンハイ)サプライズ (角川文庫)

上海(シャンハイ)サプライズ (角川文庫)

 

 巻末に訳者あとがきあり。マドンナとショーン・ペン主演で映画化され、ジョージ・ハリスンが製作総指揮だったそうですが、そんなことは1㍉も書いてません。フォーマルな格好をする作家だと思い込んでたら違ったとか、来日の折はお約束で深夜プラスワンが終着駅で、ファンがたくさん待ってたとか、映画化権は買われるがいつも劇場公開まで行かずじまいなので、今回もどーかなー、改変もされるだろうし、とか、そういう話がメインです。

上海サプライズ - Wikipedia

トニー・ケンリック - Wikipedia

ウィキペディアより

ユーモア・ミステリーやスラップスティックな作風で知られる。

そのまんまです。セックスシーンが五回もあるとは思いませんでした。最初がマドンナ、次が"Sonserai Lee"という役者さん(検索すると、ミョンヒ・ソンセライ・リーという似た名前の、おそらく韓国人女性が出ますが、その人が別人なのかなんなのか不明)が演じた下記の「チャイナ・ドール」で、「椅子」と言う名前の、侍女とふたりがかりで攻める技。その次がまた下記の人で「八馬」という技。病気で弱った人用の技です。その次がマドンナ、最後が下記の人で、「従順な妻」というワザ。

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マドンナに技名はありません。あえて言うなら、どちらも挿入してないのに、なんとなくなりなりてなりあはさむみたいな感じで、あっちの人は大きいけど海綿体に流入する血液量は人種間でさほど相違がないせいか、硬度という点では違うと聞きますので、(柔らかくて大きいからジャストフィットしていいそうです)まあなんかうまいこといってヨカッタデスネと思いました。

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映画がどうなってるか知りませんが、小説では、主人公は12歳まで上海で育ったので、ネイティヴ同様の上海語が話せるという設定で、それで最後まで押してます。そういう人間の屈折とかモロモロを描くとアレなので、一切省いて、軽妙なストーリーと性格とセリフに徹しています。カルくていいです。

頁6

 人足頭はおどろいて口をポカンとあけた。大鼻の毛唐が、かたこと中国語でも毛唐語でもなく、完璧な上海語をしゃべっている!

「この亀の子野郎にそう言ってくれ」ウェーシーは頼みこんだ。

 亀の子野郎! これはたまげた。この男は悪魔じゃない、と人足頭は思った。毛唐に変装した虎だ。

"王八蛋"

頁40

「耳にふたをしといた方がいい、ミス・タトロック。あの車夫たち、ふつうは何でもないんだが、誰か一人が雇われるとととたんにそいつを憎んで罵詈雑言を浴びせるんだから」

「ご忠告ありがとう。でも私には中国語の勉強が絶対に必要です。ですから機会をのがさず全部通訳していただきたいんです。とくに私の仕事の対象になる貧しい人たちの言葉を」

(略)

「通訳してください」

「犬畜生」とウェーシー。

「それから?」

「猫食い」

 ミス・タトロックは身を乗り出して叫び声を聞きとろうとする。

「今のは?」

「お前の父ちゃん鶏とおマンコ」

 ミス・タトロックはレッスンをうちきった。

頁69ほかに、「紅社」「緑社」というのが出て来るので、红帮青帮のことかと思いましたが、よく分かりません。

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頁128

「戦争は全面的に激烈をきわめています。しかし重慶とこの上海の日本軍の間では依然として取引きがおこなわれている。重慶からはタングステンと食料品ーー驚くなかれ、軍需品ですよーー日本軍はその見返りとして、これも信じられないが、絹のストッキングと万年筆を送っているんです。誰かがアメリカでそれをすっぱぬいた、そうしたら蒋介石は何と言ったと思います? 日本の経済の土台をむしばむ計画の一部なんだ、と」 

 頁148に魚玄機が出ます。

森鴎外 魚玄機

頁230

「信じたほうがいい。蒋介石はナチに心酔してるんだ。いまこの瞬間、彼の次男の蒋緯国はベルリンの士官学校に行っている。ヒトラーに二度認められ、ドイツ軍のオーストリア進攻の際、最前線にいた」 

 頁232では「プロの日本嫌い」が登場し、ジャップが謀略を開始したとして、バイウォーターという人の本に出て来る真珠湾奇襲攻撃が実践されると危惧します。

なんだこの小説。あらすじはウィキペディアを見て頂くとして、カルくてほのぼのしてていいなあ、と思いました。以上