大日本タイポ組合展「文ッ字-いつもの文字もちょッと違ッて見えるかも-」2019年4月20日(土曜日)-6月30日(日曜日)/町田市ホームページ
6月30日にほかの方のブログで世田谷文学館の「萬画家・石ノ森章太郎展 ボクは、ダ・ビンチになりたかった」鑑賞記を読んで、う~ん最終日かあ、行きたいなあ、でも芦花公園往復は時間的に㍉だなあ、と思ったところで、町田ことばらんどのこれも行こう行こうと思いつつ行ってなかったことを思い出し、町田ならすぐ行けるから、今日最終日だし、行ってこまそうと行った記録です。
一階の喫茶コーナーでも「い字ごみるくフロート」を売ってたそうで、それで店員さんがたくさんいたのかと。気がつきませんでした。しかし、弥生美術館の喫茶コーナーのコラボ企画メニューがどれくらいよく出てるのか、よく市場調査してから特別メニューの世界に突入しても、よかったと思います。
二時から展示解説があるそうでしたが、それをさしおいてもたっくさん人がいました。今までの企画でイチ、ニを争う入りじゃないでしょうか。ほんとにたくさんいた。しかも若い人たちばっか。
無料の企画展で、これだけ人が来るというのはなかなか主催者みょうりに尽きるんではないかと。最終日でこれですからね。もっぺんやってもいいかもしれない。夏休みは毎年子ども向け企画ですが、さてどうでしょう。
グッズ販売までありました。
これを塗るでっす。字が出てくるらしいですが、トライしませんでした。残念閔子騫。
ことばらんどの展示は毎回階段にこっちだよーみたくキャッチコピーが貼られていて、ドキドキ感を演出してるのですが、顔抜き撮影コーナーまであるのは珍しいです。まあ八木義徳や常盤新平の等身大写真と並んでの撮影コーナーがあってもしかたないのかと思います。
入口です。さすがに最終日なので、「タイポ参江」などの花は片付いてました。実は私がこの展示を気になっていた理由に、「タイポ組合」という名前が、かんべむさしの不条理短編小説『帝国ダイボー組合』に似ている、というわけの分からない理由がひとつ、あります。かんべむさしが実際にその時代のバナナの叩き売りの音声録音を聴いて、それがどう聴いても「ダイボー」という、該当する日本語の単語が思いつかないことばに聞こえていて、そこから着想した文学レザボアストレイドッグストーリーが『帝国ダイボー組合』なのですが、「大日本タイポ組合」を聴いた時、まずこの小説を連想したんですね。
もちろん、「はいほー、はいほー」「村上朝日堂」「はいりはいりふれはいりほー、ほほー、はりはりふれ、ほっほー、大きくなれよ」「やめたい人の禁煙パイポ」「パイプカット」なども連想しましたが、やっぱりダイボーです。で、「全部」を広東語で発音すると、「ジョンボー」と聴こえる方に振れます。じょんぼーじょんぼー、北京語で読むとちゅえんぶー。"quanbu"
インスタ映えが人気の理由なのね、とここ入口で早合点しましたが、実は人気の理由はそれにとどまらなかったです。ヒント:ひとりで来るよりツレと来たほうがいい、です。
まず小手調べの展示としてこういうのが出ます。右は、「タイポウラフィ」という駄洒落の一環で、「真夜中は」という字を裏返すと「別の顔」に読めたり、「ジキル」を裏返すと「ヒデハイド」になるというコンセプトあーと(棒 です。「ガンダム」が何になるのかぜんぜん分からず、展示解説の時間を待てばよかったのですが、チートで館内スタッフに聞いたら、女性の口から言うのはセクハラになるようなならないような単語とのことでした。これが小手先、もとい小手指、もとい小手調べ。
「在」を分解すると「アニキナイキ」になるとか、号からタテ棒ひとつ引いた字を分解するとコークになるとかいうアート。と、そのパクリというか無断引用報告。この海外書籍はインターネット黎明期から勃興期に出版されたのが運の尽きで、ほかにも無断引用とかを繰り返してたみたいで、アマゾンレビューが☆一つで、「紙の無駄」とかボロクソに書かれています。(でもほかの通販サイトだと、自作自演なのか、ベタほめレビューがあったりして)
Sneakers: Size Isn't Everything
- 作者: Milk
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下は、私がいちばん気にいった展示。
中国では「福」の字の"春联"を倒して貼ると、福もしくは富が「到つ」に音が通ずるとして、縁起でワザと上下逆に貼るわけですが、それが、マクドのゲッツ坂田みたいな奴でしかないとしたら、やって来る福もナゲットくらいのものかという… ファストフード時代の中国を風刺した、実に優れた作品と言えます(棒
中国の逆さ貼りも、あちらのサイトの「実は間違い!こう貼るのが正しい」がばんばん検索結果で出て、部屋のドアに貼るのはいいが戸口や門はよそうとか、タンスに貼るのはいい、とか、理由は字を分解すると云々、とか百花斉放諸子百家、百家争鳴鶏犬昇天でした。最後のは違うか。
次はファーウェイと書いて私はホアウェイと読む"华为"、繁体字で「華為」をテーマに、是非!
で、日本語版ウィキペディアには、下記のような狂った記述がありますが、英語漢語版にはありません。日本って、ほんとサブカルの国なんですね。
1943年4月、東部戦線における“ハッピータイガー”(実車)。車体前面装甲の向かって右側に「ダス・ライヒ」師団マーク、左側に「倒福」マークが確認できる。
「ぼくのなまえは、もじお!」「ぼくのなまえは、もじたろう!」しか連想しない自分は旧世代だと痛感します。
清野とおるの実録漫画『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』の題字デザインだか装幀だかをこのユニットが担当しているとかで、それで各話タイトルもこのように凝ってま、の一例として登場する中国鰻。どんな話だったかまったく思い出せません。天然ウナギを自分で掴まえて捌く話だったらネタになりそうとシロウトは思うのですが、スーパーの中国ウナギにこだわる話で、どうオチをつけたのか。スーパーのウナギをいかにおいしくするかのひと手間にイノチをかけてて、で、それを食べて「うっまああああっ」とかのリアクションをするだけの話では絶対にないと信じています。
その「おこだわり」、俺にもくれよ!!(5) (モーニングコミックス)
- 作者: 清野とおる
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「あなたが落としたのはふつうのジャイアンですか、よいジャイアンですか」みたいな表紙。よい清野とおる。
これも、左が「ふらふら」なのは読めたのですが、右が読めなくて、係員の人に聞きに行きました。そう、こういうのがあるからひとりで逝かず、みんなで行って文殊の知恵で攻めないと、けっこうムズいです。
"LIFE"が「生」にもなれば「命」にもなるという。こういう積み木?遊びの部屋も、あったようななかったような。
ダブルコーテーション寿が素敵です。何故かこのコーナーで、みんな必死に自分の歳の寿を探してましたが、なんでそんな行為に及んでいるのか理解出来ませんでした。自分の歳忘れたフリしてるので。
🎵ヘンなお寿さん、あそれヘンなお寿さん🎵
案内板まで「学」
アンケート。最初は、おお、進んでる、というか今はみなこうなのか、と思ったのですが、まーもう少し深く考えて、こうやって三つに分解能をつけることで、何かマーケ的に効果があるのかどうかと思ってみたり。ネットフリックスでしたか、相手の性別や年齢層の分解能には意味がないと言い切ってるのは。志向型ナントカとして、「こういうジャンルのものを見たがる」ターゲット別狙い撃ち広告表示に際して、年齢とか性別とかは関係ないんだとか。ただ、マーケでなく、社会調査として、社会学の統計調査としてデータを積むんなら必要だし、三つ分解能があるのはよろしいかと存じます。
クイズ全問正解(多少色をつけてくれました、最終日だし)でもらったシール。この「令和」は「ヘイセイオツカレ」に分解出来ます。高輪ホーンテッドマンションゲートウェイダイバーシティもそれをもじった展示がありました。時事ネタは風化しますが、その時は確かに耳目を引き関心を呼び、話題になると。
以上