読んだのは下記、
読書メーターと同じ表紙の、
理論社の2004年の単行本。
ヤナギのイラストです。
装幀・装画 早川司寿乃
デザイン協力 高橋菜穂子
主人公の容姿とか、母親の仕事とか、いろいろ書いてなくて、自由に行間を想像する文章です。それって必要なの? んーでも考えてなかった、という感じ…
アマゾンからはてなへのリンクでは下記文庫本しか出ませんでした(今日時点)表紙のイラスト違います。
若い女の子が海外自分探され(自発的な自分探しでなく、連れて来られてうろちょろうろちょろ)な話は、以前『肉骨茶』という小説を読んだことがあり、パクテーは摂食障害のヘビーな話でした。こちらはさしてなんもない?シングルマザー、祖母有、父親は香港人、の夏休みです。
stantsiya-iriya.hatenablog.com
北京語はありません。現地の言葉は、すべて広東語です。主人公の名前は彩美(あやみ)で、中華圏でも通用する素敵な名前と頁128にありますが、國語/普通话のツァイメイcaimeiでなく、広東語でチョイメイと読ませていて、六合彩の彩と説明していて、その六合彩のルビも、広東語ロッハップチョイです。リウフゥ(he)ツァイではない。
頁134に黄油蟹ウォンヤウハイという蟹が出て来て、知らないので検索したら、上海蟹よりうまいとか言ってるサイトがあるので、食べてみたいと思いましたが(上海蟹は一度だけ酢かなんかでちょっとだけほじって食べたことがあります)その機会はないでしょう。発音は難しいそうです。
「咩事呀メイシア?」(頁140)何?の意味だとか。私が今まで北京語の「没事嗎メイシーマ?」ととこ違う、と思ってたせりふ。こんな字書くのか。"咩"は北京語だと"mie1"だった。
「好靚呀ホウレンア」(頁141)とてもきれい、の意味だとか。官話も"jing4"と"liang4"とふたつ発音がありました。後者か。
ネイ、ホウホイサム(你,好開心)(頁143)主人公はこう筆談で言われて、私の心が開いた、心眼開眼、マイマインドオープン、みたいに言われたのかと小躍りしてたら、単に「うれしい」の意味だと言われてややがっかりします。こういうどうでもいい日常の積み重ねが、あとで宝石箱になるという話。好簡単。
「呢個叫做乜嘢ニィゴギュウジョーマッイェ?」(頁146)広東語でなんて言うのか知りたかったら、そう言え、というせりふ。この小説の広東語のジャ行は、ザ行でもいい気がしますが、シロウトなので分かりません。
「我鍾意呢個オージョンイニィゴ(私、これ好きなの)」(頁146)"ngo"を「オー」って書いてる、と鬼の首をとったかのように喜ぶと小人。
「早晨ジョウサン(おはよう)」(頁151)早上だと思ってました…orz
唔要ンイウ(いらない)!(頁153)"唔"が広東語の一人称の漢字だと思ってました…orz
「好食ホウセッ」(頁165)北京語の好吃ハオチー/ハオツー。と、わざわざ書かなくても分かるよ。と、キサマ今心の中で思ったろう。と、逆切れする人は私だけかと(´Д`)。日本にはない四角い桃を食べる場面。下記かな?今はもう山梨とかにはある?
主人公が、まだ早い、と言って連れてってもらえなかった夜のまちランカイフォンは下記。そこまでではないと言ってしまってもしかたない。
夜景は、ビクトリアピークにも行きますが、スターフェリーがイチバンいい、と現地のねえさんに連れてかれて、スターフェリーに乗ります。ヒサヤ大黒堂の「ぢ」はなくとも、貧乏人も金持ちも平等に楽しめたスターフェリーはやっぱいいと思います。ギザギザの香港ドルのコインとか、まだあるといいな。山崎洋子はんの下記小説のスターフェリーの場面も私の記憶に新しいです。
stantsiya-iriya.hatenablog.com
果汁舗グォジャッポウ
タイトルは豆腐花から。主人公は日本で自作します。石膏粉が入手出来ないのでゼラチンで代用。この辺の展開がいきなりで、おもしろかった。突然アクティブなので。頁179
以上
【後報】
まさかなあ。下記ブログを拝見して甘い豆腐を読もうと思いました。
suijun-hibisukusu.hatenablog.com
(2019/7/18)