『ランチ酒 おかわり日和』読了

 装画 agoera 装幀 名久井直子(前巻をそのままコピりましたが、装幀は違うかも) 祥伝社ウェブマガジンで昨年八月から今年一月まで連載。

ランチ酒 おかわり日和

ランチ酒 おかわり日和

 
ランチ酒 おかわり日和

ランチ酒 おかわり日和

 

前巻の読書感想:『ランチ酒』読了 - Stantsiya_Iriya

本巻は全十話。前巻は何より裏表紙のイラストが気に入ったので読んだのですが、この巻の裏表紙は、よわい。前巻で主人公を美人に描きすぎたのを反省してるのか、ってのもあるかもしれませんが、どうもこの、アサヒスーパードライの中瓶とまるわかりのラベルとか、箸を右手で持ってるので、右利きと思うのですが、いったん箸を置いてコップを持ち直して飲むのでなく、右手に箸を持ったまま、左手を右側に伸ばして右に置いていたコップを手に取って飲むとか、自然な動作かなあ、とか、目を隠す必要ない、目までちゃんと描いてほしい、顔のパーツを一部(目や鼻や口)省略する絵って、描き手のメンタルが心配になる、とか、そういったもろもろがあるので。

居酒屋ランチが前提なので、中瓶を出すような店が実は本文中ほとんどなく(生ジョッキか、小瓶)、中瓶出してそうなのは(もしくは大瓶。ローリングストーン)築地の場外くらいで、裏表紙はそこかなあと思い、しかし築地では鶏の水炊きソバを食べたはずなので、この平底の皿はあわないと思い、そこもためらうポイントです。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61KCDdwsfeL.jpg前巻の裏表紙(左)は、夜の見守り業という主人公の仕事をよく描いていて、そこがよかったんですが、う~ん。

高村薫の新作のイラストで、この人が描いてるのが、制服少女が上下反転してる絵だと思い込んでたのですが、どうもそれも思い込みみたいです。

表紙はもう、一読してすぐ分かる、しぞーかが誇るハンバーグチェーン。しかし本書ではビビンバとの組み合わせで登場し、私は行ったことないのですが、結構ツーリングついでなどでこの店に遠征する人は多くて、それらの人に訊いても、ビビンバなんかねえだろ、とのことで、じゃあ架空のメニューかなあ、と思いましたが、公式検索したらありました。

そこと、誰でも分かる神保町の巨大書店の地下のアイスバインの店、だけ分かりました。からあげなんかは分からず終い。

主人公の恋模様が、急に加速して、①危険な香りのするやさしいイケメン(談志の前職と同じだったが失墜)②出た!定番キャラ「いいひと」③私ですら最近「パパ活」や「ギャラ飲み」という言葉を知ってるくらいだもんなあ…という、金があってイケメン(ただし頭髪はさびしい)で三十代前半だが、基本的に女性をナメてる、前世紀の九州男児みたいな男、が続々登場し、前夫と後妻が娘にあわせてくれなくっても、後妻とライン交換したよ、あとスマホ依存のJDが出ますよ、でした。前巻より、飲む酒がライトになって、ポン酒や焼酎を昼からグイグイいったりしないので、なんか、まあいいやと思いました。

頁20

「誰が、生さぬ仲の子の出産を心から喜べますか」

 どうもミシマを読んだせいか、古くさい文章に引っかかってしまい、ここも、意味通るんだろうかと思ったりしました。

kotobank.jp

以上