『霧のむこうのふしぎな町』新装版(講談社青い鳥文庫)読了

 装丁 久住和代 解説 金原瑞人(翻訳家)近代ナリコさんが著書で薦めていた本の中にあったので借りました。ズバリ、当初のタイトルで読んでみようと思った、という身も蓋もない動機です。

霧のむこうのふしぎな町 (新装版) (講談社青い鳥文庫)

霧のむこうのふしぎな町 (新装版) (講談社青い鳥文庫)

 

 1975年の初版あとがきで、著者は佐藤さとるに謝辞を述べているので、児童文学の系譜というものがあるんだなと思いました。東京と仙台で電車を乗り換えてゆくところで、或る程度東北の話と分かるのですが、方言が東北弁なのかは私には分からないです。いくら食べても太らない甘いものという設定は、1975年って、もうそういうこと気にしている時代だったのかと思いますし、しかし、虫歯は鎮痛剤だけで頭痛のようになおる病気ではないことが、軽視されてるのは当時の知識の限界だったろうと思います。削らず治せるか。主人公が、「ぷっくり」しているという描写がありながら、イラストではそうは見えないのはご愛嬌だと思いました。 

このお話では、主人公はひとりで夏休み過ごす集落を尋ねて歩くのですが、これは前世紀のお話で、現在は状況にあわせて、フレキシブルに対応してね、ということだと思います。

霧のむこうのふしぎな町 (講談社青い鳥文庫)

霧のむこうのふしぎな町 (講談社青い鳥文庫)

 

 以上