design YASUHISA KAWATANI この巻は一刷 初出は別冊少年マガジン2019年7月~11月号
帯
チベットを舞台に描く日常物語、祝福のフィナーレへ。
もう終わるとは思いませんでしたが、終わりました。最終巻。頁73を見ると、挙式後行商人の親戚について旅に出るそうなので、そういう展開もありえたと思うのですが、ジャンプじゃないですが、終わり。チベットはそんな難しいのか。もっとも、旅に出ると、西川一三だか木村肥佐生だかが、「人殺しつつ、経唱えつつ」と称したかつてのあらくれイーストチベットのイメージと、どうストーリー的に折り合いをつけるのか難しそうと思いました。
いちおうこの巻のお話の中には、そんな底抜けにお人よしキャラでもないことを語る話もあります。それを見て、新婦の親族が新郎の人品をおしはかる。
頁33
与えるだけの優しさは時に身内を不幸にします。
これまでに出てきた雲南系の少数民族がナニ族なのか巻末で語られます。すべて雲南系なので、茶馬古道。雲南やタイ、ミャンマーの少数民族は、だいたいサニ族とかハニ族とかペー族(白族)とか傣族とかシャン族とかモン族とかコーカン族いうふうに「~族」ですから(除くロヒンギャ)、ここだけ調子を合わせてチベット人も「チベット族」と書かれます。それ以外はすべて「チベットの人々」
亀仙人みたいな少数民族が出ますが、亀仙人みたいのは女性で、ここで登場するのは男性なので、亀仙人みたいではないです。
僧侶になった家族が登場し、チベットの人口調節のやりかたがひとつ紹介されます。僧侶がみな剃髪してないのですが、そういう宗派なのかどうかは知りません。カムはサキャ派が強いという勝手な思い込みが私にはあるのですが、事実かどうか知りません。
この奥さんの服装は遊牧民的な旅は、無理ではなかろうかとも思うので、その意味で、ここで終わっておくのもひとつの手だったかしれません。以上