世田谷文学館「ムットーニ コレクション」Aプログラム "Muttoni Collection A" setagaya Literary Museum 鑑賞

コレクション - 世田谷文学館

世田谷文学館小松左京展を観に行って、常設展に入ったら、あと十五分でプログラム開始と言われたので、なんとなく待って、見てみました。

ムットーニ - Wikipedia

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見る人の数だけ物語がある。

もらった八折の紙の表紙部分。それぞれの作品紹介は画像があるし、ムットーニの写真もスキャンしたらアレなので、あたりさわりのない部分だけ此処に載せます。

最初、ムソリーニのもじりの名前で、フザけた人だと思いました。ケンペーくんみたいなのかと思った。そのあたり、売り込み等の活動中、フリクション多かったのかどうか。

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ここに散りばめられた物語。 Stories are scattered here. それらは次々と光を投げ掛け、いくつもの時間を折り重ねる。 They, one after another, throw on lights, Folding away many moments. それは一瞬世界を照らし、またすぐに静寂の闇を呼び戻す。 They illuminate the world for but an instant, And soon Return a sill darkness. でもその刹那的な瞬きは、永遠を夢見ているのかもしれない。 But the ephemeral shimmers, Are perhaps dreaming of eternity. ここは享楽と静寂が入り交じる物語の楽園。 This is where pleasure and stillness combine. ようこそ、MUTTONI PARADISEへ。 Welcome to MUTTONI PARADISE. ムットーニ          Muttoni 自動からくり人形作家「ムットーニ」こと武藤政彦。人形と装置の多様な動きに合わせ、音楽、光、本人の語りなど重なり合いながら、物語や世界観が表現されるその作品は、他に類のないアート作品として多くの人びとを魅了しています。当館ではムットーニ作品7台を所蔵しており、開館以来特色あるコレクションのひとつとなってきました。2018年春、新たな3台が加わったのを機に、随時上演作品を入れ替えながら、その魅力をお伝えしてまいります。ムットーニ作品は小さな箱の中で人形が一回りする数分間の円環運動の中に、主人公たちのさまざまな「行きて帰りし物語」がとじ込められています。物語との新たな出逢いのかたちを、どうぞお楽しみください。 世田谷文学館 Automatic mechaniccal doll maker, Masahiko Muto, aka Muttoni. The combination of various movements of doll and machine, music, light and the artist's narration unfold stories and worlds in Muttoni's work, a unique form of art that entrances many. Since the opening of this museum, seven Muttoni pieces have been assembled as one of its outstanding collections. In the spring of 2018, three new pieces were added, and we would like to take this opportunity to show off their charm one by one, in a rotating exhibit. In the work of Muttoni, within a few minutes the dolls' circular movements in their small boxes capture the characters' tales of entrances and exits. Experience a new encounter with storytelling. Setagaya Literary Museum

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私が見た作品は、羽が広がるくらいで、基本的に人形じたいは動かない(と思った)です。足が乗ってる台座とか、人形を宙に浮かせた太いピアノ線が据え付けてある台座が、動く。人形の手や脚や首は動かない。1/35プラモの兵隊みたいな感じです。で、音楽にあわせて、ライトが明滅したり、背景が映し出されたり闇にもどったりして、時には鏡も使いながら、物語が進展してゆきます。①「スピリット・オブ・ソング」が宮沢和史の歌。本を開くと中に天使。2006年。②「眠り」は同名のハルキ・ムラカミの短編。舞台は鏡のある部屋。寝具はない。2007年。③「漂流者」が漱石夢十夜から。舞台は大海原さおりしおり。2007年。②か③で、ムットーニは伴奏のトランペットも吹いています。②③④朗読はすべてムットーニ。④「アローン・ランデブー」はブラッドベリの短編。舞台は宇宙。2006年。

作品はなべて一台、弐台と、量詞「台」で数えること、おそらく電源100~110Vであることが八折の紙から分かります。箱の大きさは、②③がH1200✖W400✖D400。④がH1200✖W300✖D320。①はH1600✖W350✖D380。

人形は動かないのですが、なんとなく、音から、最初は、シュバイマイエルというより、以前葉山に見に行ったクエイ兄弟みたいな気がしました。クエイはクレイアニメで、ムットーニはからくり(小屋の)人形ですが。

「クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム― Quay Brothers PHANTŒM MUSÆUMS」に行きました - Stantsiya_Iriya

で、音楽とともに盛り上がり、明かりが消えて静かになる展開が多いので、演出としては鉄拳の振り子(パラパラまんが)みたいとも思いました。まー振り子のほうがあとですが。

有楽町の交通会館でやってる幻獣展でも、マッド・アマノスクリーミング・ジョージの作品なんかはギミックを取り入れてましたが、こういうふうに物語を起承転結で見せるのはないかったかな。

光線のあてかたなどで、同じ顔の人形がかなしんでいるように見えたり、不穏な感じになったり日常にもどったりするので、お得だと思いました。職員の方が毎日28回作品説明をして、いすを出したり戻したりしてるのですが、交代するだろうから、同じ人じゃないんでしょうね。

諸星大二郎の漫画なら、ムットーニは箱をひとつ背負って、諸国をさすらわなければならないのですが、そうではないので、よかったですね。以上