「少女は夜明けに夢をみる」(ペルシャ語:"رؤیاهای دم صبح")(原題:"Starless Dreams")劇場鑑賞

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2019年10月19日 神保町 この看板見て、近くでかかるまで待ち、厚木で見ました。

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上映時間も78分と短めですし、2016年の映画を2019年にかけるというのも不思議でしたが、それで見ないということはないので、見ました。

あいかわらず厚木は観客が少ないのですが、箱モノのなかのフロアー面積はぞんぶんに使えてしまうのか、三つもスクリーンがあるわけで、ひとつのスクリーンに圧縮してしまえば、観客も三ヶ所に分散されず集約されて、それなりの混み具合になるのかもしれません。スクリーンが三つある小劇場って、ここと、アップリンク渋谷と、あとどこだろう。ない気がします。

無垢な魂は、悲しみの羽をもつ--

イランの少女更生施設--残酷な世界で、愛を乞う叫びに心震えるドキュメンタリー

そのまんま見ればそれでいい映画とも思いますし、何処の国でも取り巻く環境は変わらないというレビューのとおりとも思います。

でもやっぱり私は、黒いチャドルがベーシックで、前髪は出してもよいイランと、例えばマレーシアの、カラフルだけれども前髪を出さないジャミラヒジャブの与える印象の違いみたいなことをぼんやり考えながら見ます。

看守というのか、男性兵士はやっぱり革命防衛隊、コミテなんだろうなあ、それしかないから、とか。

しゃもじやへらでなく、平底のお皿でライスを掬って金属製のランチプレートによそう場面とか、手を洗うときは、戒律の礼拝前の洗い方と同じく、手首どころかひじまで洗う、とか。日本だと手首も洗わない人いるので。

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Starless Dreams - Wikipedia

رؤیاهای دم صبح - ویکی‌پدیا، دانشنامهٔ آزاد

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/9/96/Starless_Dreams_poster.jpg女の子の表情や、受けたこと、何故ここに来たのか、などは、どこの国とも大差ないと思います。ひとり父親を殺すとこまでやって入所した子が、さすがにここまでやると、私ひとりじゃない、みんなそうなんだ、のレールから外れるとたんたんと語ってました。あと、放浪罪というふうに出てましたが、住所不定が罪になるのが、イランっぽいと思いました。なんか、それは聞いたことあった気がします。

それを語る女の子は、アジジみたいなアーモンドアイの子、エジルみたいなおしゃまな子、ソマリア人みたいな長頭で名前もそんな感じな子、と、いくつかのタイプが登場してましたが、総じて、ジャイ子みたいな子、多分多数派になると思いますが、映りたくないし映らない子がいたと思います。カメラに映ることを計算出来る子と、計算出来るだけにフレームの外に逃げようとする子では、後者は絵にならないので、どうしても前者、というのが、ドキュメンタリーフィルムであっても起こってしまうと思います。ここでも「いいね」

ただそれを逆転させたのが、乳飲み子のお母さんで、ダンナが、記憶すら飛んでしまうほど生活能力がない(ヤク中?)ので、施設内で子育てしないと赤ちゃんがやばいので子育てしてる人。この人は、いわゆる、カメラを向けると、自然に首を軽くまげてニコッとしてきたり目線を飛ばすような女の子ではないのですが、子どもといっしょに、堂々センターでした。赤ちゃんはあまり成長してない(首がすわってはいはいを始める前、寝返りくらいかな)ので、ほんの一時期のカメラ回しだったと思います。この母子に関しては。

出所者を迎えに来た中古セダンはKIAでした。韓国車。別れのことば、ホダーハーフェスは相変わらず聞き取れました。

壁の落書きが一度字幕で訳されてましたが、吊るされたお守りの文字など、総じて字はなんて書いてあるか説明ないです。いちいちやると煩瑣なのか。施設の標識や看板が、英波二か国語で、冒頭イキナリ"ISOLATE"(隔離)の看板を大写しにするので、イヤでも注意するようになるのですが、ここが分からなかった。イランて、たいていどこでも、お札やコインでも、街の看板でも、ペルシャ語一本槍なので、なぜこの施設は英語表記があるんだろうと。欧米からの帰国子女が収容される割合が多いのだろうか。海外生活が長くてペルシャ語が読めないような状態で、家族にも問題があって、というような。と、推測してみましたが、あってるかどうか分かりません。パンフは買いませんでした。

出てくる数字は、「50」や「500」が多かった気がします。しじゅう、パーンチパーンチ言ってた。

۵・

イランからインドまではパーンチ。トルコはベシ。アラブは知りませんが、たぶん違うと思います。

以上

【後報】

父親を殺害した少女が、いちばんまっすぐな目をしていて、そのミスマッチが今になって印象に残ってきます。

(2020/1/22)