『その着せ替え人形は恋をする』"THE BISQUEDOLL IS FALLING IN LOVE" (3) 読了

 一、二巻だけ仏語版と読んで(英語版はその時点で未完未刊だったので)それでいいやと思ってたのですが、一応買ってあったので、書いておきます。

買ったのは2019年11月の五刷。帯で累計70万部突破。「ヤングガンガン」2018年No.23~2019年No.1、No.3~No.05、No.07、No.09掲載。奥付に担当編集明記。装幀近藤雅巳(ビーワークス)

 巻末オマケまんが(エッセー)に「人間のメスのコスプレなら普段してる」とあり、男性名なので男性漫画家とばかり思ってましたが、ウィキペディアでも女性と書いてありました。

福田晋一 - Wikipedia

男性誌でデビューした手前そうなったんですかね。アニメコスプレを初めてするにあたって、まず眉毛全剃りから入って後悔したとあります。そういうものなのでしょうか。

おとなしそうな?女性が活発な女性キャラの漫画を男性誌で描く例というと、大先達に高橋留美子がいますので、そこで作者の意図とまったく関係なく醸されるある種のシグナルがとても男性読者をひきつけるとは思いますが、寡聞にしてほかに成功例を知りませんので、(編集者などが)狙うものではないと思います。この漫画家の人も十年選手のようですし、今さらそんなアホかと思ってると思います。

おとなしそうな男性がそうでない男性キャラを描くのはふつうですので、そこから考えればおのずと分かると。でもだいたいニヒルなヒーローキャラで、からっとした豪快大将キャラはあまり作れない気がします。

廃病院スタジオって、そんな気軽に借りれる値段なのか検索しましたが、やっぱりそれなりにしますので、一眼レフで高いとか言うなら、こっちでも驚けよと思ったのですが、一眼レフは百万近くの値段の商品まで出て、それで登場人物は驚いてますので、今の若者の金銭感覚の一端を知ることが出来たような気がします。スタジオを未成年者だけで借りれるかは知らない。でもこういうのに嚙んでくる成人も、既知の人間でないと信用出来るかなど別の問題が発生すると思いました。

最後の海、この女性はほかに誘う相手がいないのかと思いました。お互いほかに学内に交友関係があって、コスプレという秘めたつながり以外接点はないのだが、ひかれあうというマンガならそれでいいのですが、そうではないので。ツメが甘いというか、ことばづかいだけヤンキーで孤独キャラは、なんというか、さびしい。以上