『七度笑えば、恋の味』読了

 そのへんにあった小説。装丁-岡本歌織(next door design)第一回日本おいしい小説大賞(小説丸の小学館主催)受賞作『七度洗えば、こいの味』を改題、加筆改稿したとのこと。編集 室越美央 幾野克哉

七度笑えば、恋の味

七度笑えば、恋の味

 

 「渋谷はまかせろ」のポスターの人が表紙だったので、手に取りました。装画-鎌田かまを

f:id:stantsiya_iriya:20200329102746j:plain
f:id:stantsiya_iriya:20200329102739j:plain
f:id:stantsiya_iriya:20200329102710j:plain
渋谷はまかせろ

http://www.shibuya109.co.jp/news/1908/

七度笑えば、恋の味

七度笑えば、恋の味

 

 野菜のイラストが裏表紙、カバー折、目次にあるのですが、これも同じ人なのか、装幀のひとがそのへんからとってきたのか。

奥付の作者を見ると、青森県生まれで弘前大学を出て高知県在住で、この話は舞台が横浜の相鉄線沿線、帷子川とか星川とか天王町ですので(それと広尾麻布の有栖川記念公園)どんな人生かと思いました。広尾からの帰りの場面は羽沢横浜国大前経由で相鉄JR相互乗り入れ使って西谷に出ればタイムリーなのに(ただし西谷で横浜方向に乗り換えないと海老名に行ってしまう)、普通にJR湘南新宿ライン横浜駅相鉄線のりかえしてますので、第二版でサクッと書き換えてしまうとよいと思います。作者の人は、検索すると、すぐご本人のツイッターの、お子さんの年齢とか結婚何周年とかのつぶやきが出ます。

www.news-postseven.com

こういうスエットはシャレオツなんでしょうか。こういう人の伴侶が七十歳なら知りませんが、この主人公でパートナーが七十歳というと、夫をころしてしまう気がします。腎虚とかそういう意味でなく。

本書は、気弱な部分とフィクションだから飛ばせる部分の混在だと思いました。主人公の容姿がまず後者で、そのご主人は、前者です。もっと異常者異常者で飛ばすのかと思った。収入と生活費の格差を平然と許容出来るはずもないので、そこで弱さが全開になったと思います。飛ばすなら、長男と結婚するとか、義母の職場でバリバリ働いて頭角を表して業界を牛耳るとか海外雄飛するとか、池上永一の小説のように飛ばせたと思います。主人公の性格が気弱なので、こっちに来てしまいましたが、それだと、パチンコ狂いの男とか、再登場の際にはうまく処理できない気がします。その頃にはさらにシーカレは年取って弱ってしまうだろうので。

ので、序盤にエピソードだけで退場した、自身もストーカーだが、ほかのストーカー全員なぎ倒して一掃して、告られると、そういうつもりじゃないと逃げていき、その後二度と登場しないキャラを、続編出すなら使えばいいと思います。シーカレ、高齢者向けマンションに入れるくらいだから、資産あるんだろうと。そして子や孫がいない。本編でそれをいじるとなまぐさいですが、続編なら。ダメかな。余計なお世話。主人公も四十代になれば、打たれ強く、勇気あるキャラに変貌するのかもしれない。表紙イラストの男性を七十代に見立てるのは無理があり、オタ男子も小学生には見えません。男を(時には百合も)次から次へと狂わせて破滅させる天才のヒロインも、これでは「渋谷はまかせろ」なので、編集者イラストレーターにちゃんと読ませなかったかもしれない。小学館

もともとのタイトルは含蓄のある江戸のことばで、それを、もじってこうしたほうが登場人物たちにはあってらあ、今日もお江戸は日本晴れ、よよよいよよよいよよよいよい、めでてえな、てな場面があると、改題の説明になると思います。説明はヤメろよとか、ことわざ間違って覚えてない? 検索すると微妙にことわざ違うんですけど、とか、編集に、主人公とモラモラ(ママ。頁195)宿六の関係みたく言われっぱなしになってたのでしょうか。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

頁299「とーんと」は下記、東京メトロR25イラストレーターみたいな人と組んだ企画のいちぶと思います。みなが目に付く言葉をつかうほうを注意すればよかったのに、編集。

「総務の白鳥さんに、とーんときちゃった」あなたもお江戸バイリンガル - Stantsiya_Iriya

料理は、創作料理以外にも、子持ちがれいの煮つけとか、津軽もしくは南部流の筑前煮とか、エクスカリバーで作った肉じゃがとかが出ます。でも流して読んでしまった。黄緑色のモヒカンは見たことないです。湘南の試合でも。その青年が鍋を振る場面だけはなんか想像出来ました。かなり高くまでぽーんと具材をあげられる気がする。以上