その辺にあった小説。昨日感想書いた『七つ笑えば、恋の味』もリクエストがついてる本でしたが、これは十人以上リクエストが後に待ってるとのこと。読んでしまった。
Design 坂野公一（welle design）Illustraiton 丸紅茜 アマゾンも徳間公式も、表紙に帯がかかったままの画像なのですが、このイラストレーターさんの公式サイト【イラスト仕事】2019年12月25日で、帯なし画像が見れます。2019年7月26日では、「1st season」連載時の表紙がぜんぶ見れます。豪気な話。初出は徳間の「読楽」という「問題小説」の後継誌だそうで、しかし徳間公式を見ても、最新号の内容紹介すらなくて、このイラストレーターさんの2020年2月22日で「2nd season」のこれまでの表紙が見れ、同時に、セカンドシーズン全十五回（ファーストと同じ回数）で連載してんねや、ということが分かります。
作者公式サイトもツイッターもあるのですが、そちらよりイラストレーターの方のサイトのほうが探しやすかった。作者公式は、作家になる前、シナリオライターになる前、ギョーカイの勤め人だった頃からやってるっぽいので、今さら地層をどうこうしようにもという状態かもしれません。
国道517号線なんかねーじゃねーか。と思いました。
小田原から山梨への陸送ルートって、何運んでるんでしょうか。塩の道？（それは身延線）煮貝？（それも身延線）いや、だまされた。一話読切の連作で、毎回語り手が別人。ビルドゥングス・ロマン。レスラー。苦節山あり谷ありの人生で成功する。メシがうまい（メシウマという意味ではない）リングのある食堂（らせんはない）（ねじの回転もない）
作者を存じ上げませんで、2002年にメフィストでデビュー。それから僅か18年弱で、地元の図書館蔵書126冊。近隣の図書館で147冊。近作はこぞって貸し出し中。ざっくり検索なので、ダ・ヴィンチとかも入ってしまってますが、それでもすごい。本書でも終盤間近JKが新登場し、どう回収するんだこの展開と思いつつ、大団円で終わってしまった。手が早いんですね。さくさくさくさく。佐伯康英か小路幸也か。西村京太郎か赤川次郎か。メフィスト、育成でもすごいんだな。まったく怪物です。
だから、余計なとこには凝らないです。温泉、入浴料とると衛生管理で保健所とかいろいろあるんじゃないのとか、警官の食事とか、宿泊だと非常階段とか消防署とか（最近は民泊もあるからゆるいかな）ガソリン切れたらジャフ呼べよとか、いろいろありますが、すべて、ご賢察にお任せしますというスタンスではないかと。でも柄本明を意識したようなじいさんはLINEでなく携帯メールとか、最低限のディティールへのこだわりはありそう。体育教師がLGBTについてしきりに気にする導入なのに、それまったく関係ないじゃんの展開になるのも、多作のなせるわざかと。老役者は、ショーケンでしょうか。ちがうかな。
頁131のコモドアーズというバンドは知りませんでした。"easy"これか。これが、名曲で「沁みる」んだな。よし。と思いました。
いい本でした。そして、徳間書店はもう少し小説誌のウェブ告知をした方がいいと思います。あんまりだ。以上
【後報】
元業界くりえいたーで現トラックの運ちゃんが出てきて、昔取った杵柄で若者の原石サクセスの手助けをします。ここは作者の経歴を知ってから考えなおし、含蓄があると思いました。が、陸送が運ぶだけで、積み降ろしをしないみたいに読めるのは、どうかと思いました。場所によってはフォークも使うだろうし、台車も。
（2020/4/2）
