以前読んだ本。これも苦し紛れ。ばかな本です。笑いながら読める。
装幀 クラフト・エヴィング商會
肛門検査は日本だけの習慣でもないようで、舞台を現代のチェチェンに移したロシア映画「コーカサスの虜」でも冒頭そんなシーンがあります。
三島由紀夫が入隊当日に肺浸潤と誤診され徴兵忌避に成功した話は本人隠してないのでふつうに読めるが、入隊に父親がつきそった話は父親の自筆記録を読まねば分からないとか、全編そんな感じ。
元自衛官の人が、入隊上限が33歳まで伸びたので、つい現役のときのクセで、叩き直したい性根の若者を、今からでも自衛隊どうだと誘ったりするので、「今はもう公務員で安定してるから、人気あるでしょう、自衛官」と云うのですが、「イヤー自衛隊は変わらないですよ」とその人は言います。
むかし、これも元自衛官に中国で会って、「自衛隊ってジッサイどんなとこですか?」と聞くと、「すぎむらしんいち画・史村翔原作『右向け左!』そのままの世界です」と答えており、今でもそうなのかどうかと思っています。前述の元自衛官によると、入隊後つぎのステップは「脱走」だそうで、「イヤー絶対逃しませんよ、逃げそうなところ、ぜんぶ関係者が張りこみますから」だそうで、「警察学校も半分くらい途中でやめるって、昔の話ですけど、奈良県警と大阪府警に入った人それぞれから聞いたんですが」と云うと、「警察やめれるんですか自衛隊やめれませんだから脱走します絶対捕まえます」と、ホントかうそか分からない話をされるばかりです。
角川映画の「戦国自衛隊」、むかしの、ゴルフ場で、自作した戦車で戦闘シーン撮ったほうのあの映画(バートルが落ちるシーンもよかった)原作にない、現代の恋人と待ち合わせの場所に行くため脱走する兵士を、情緒たっぷりにえんえん前半描き、昔はこれを原作にないめめしい場面なのでいらないと思ってましたが、次第に、大晦日何度も見るうち、これは作り手の中に脱走者が現実にいて、そのときの甘酸っぱい感情をもとに作ってる場面なのだなと思うようになりました。
そんな本です。中に、今はもうない大森のカプセルホテルの割引券がはさまってました。嗚呼無情。以上。
【後報】
カプセルイン大森 300円割引券 3500円を3200円に
(2020/5/16)