『ヴェトナムの中のカンボジア民族 メコンデルタに生きるクメール・クロム』再読

苦し紛れ。装幀者の記載見つけられず。

ヴェトナムの中のカンボジア民族 - 古今書院 Since1922 地理学とともに歩む

https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002836634-00

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カンボジア現代史の舞台に3人もの首相を送り出す一方、ヴェトナムの国家建設にも大きく貢献したカンボジア系ヴェトナム人。中国・インド文化圏の狭間に生きる民族90万人の全貌を明らかにする。

Khmer Krom - Wikipedia

Người Khmer (Việt Nam) – Wikipedia tiếng Việt

下高棉人 - 维基百科,自由的百科全书

古今東西を問わず、とかく隣人民族というのは仲が悪いもので、フランスとドイツ、フランスとイギリス、ペルシャギリシャ、北方騎馬民族漢民族王朝ボリビアとブラジル、枚挙にいとまがありませんが、カンボジアベトナムも相応に仲が悪く、しかしベトナム人は商売上手なのでカンボジアの都市圏にはけっこう進出して、華人商人と覇を競ってますし、『東北タイの子』にあるように、ところによっては東北タイ、イサーンにまで進出して越僑vs華僑でバチバチ火花を散らしていたそうですが、逆に、カンボジア人が生き馬の目を抜く、漢字のない中国=ベトナムで、どうやったって太刀打ち出来ず生きていかれるのかと思うのですが生きていて、メコンデルタ下流域には共同体が混住してるというので、たいそう興味を惹かれて、むかし、池袋のジュンク堂で買った本です。この頃は、新宿の紀伊国屋ばかりでなく、あちこち行ってみようという欲があった。

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アンタック(UNTAC)時代のプノンペンで、ノンを持ってるだけでヴェトナム人と誤解されて市場のカンボジア人露天商おばちゃんから非難糾弾されたことがあり、そういう体験と照らし合わせて、ノンとクロマー両方被るという発想じたいが読んでて痛快でした。全編こんな本です。硬い話もありますが、犬食をするかしないか、トイレ、散居など、肩ひじ張らないのんびりした民族比較が、研究者と外交官のあいだで、対談形式で語られます。これはいい本。

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以上