「コンフィデンスマン JP プリンセス編」"The Confidence Man JP: Princess" 劇場鑑賞

confidenceman-movie.com

前作の、アンニュイなパリのマロニエ通りみたいな出だしに比べると、今回のヘミングウェイはイマイチ。ヘミングウェイアーサー・ヘンリー・ミラーは引用するとお里が知れてしまう気瓦斯。ジェイムス・ボールドウィンにすればよかった気瓦斯。

本物も偽物もない💛信じればそれが真実

やっと見たというのが正直なところ。二月に有楽町でジョーカー見て武漢料理食べてから、ずっと映画館に行ってませんでした。この映画は、コロナに加え、渡辺謙の娘で南果歩の娘でない人のex夫がありましたので、これに対抗出来るのは実写版ムーランくらいと思ってました。皆がお祓い等考えたと思いますが、三浦春馬という役者さんがぜんぶあちらに持ってってくれた。すごい話だ。

英語タイトルは下記イタリア語版Wikipediaより。

The Confidence Man JP: Princess - Wikipedia

私はテレビ見てませんでしたし、コロナ期間中の再放送も見なかったのですが、前作を見るにあたって何の問題もなく、しかし前作を見ないと、今作の竹内結子の意味が分からないと思いました。

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チケット購入画面の座席図を見て、青が空席、灰色が予約済ですので、等間隔に埋まってるとばかり思ってましたが、密を避けるためひとつおきでしか座席売らないために、空席なのに予約済になってるということに、気づきませんでした。

 よって、私の、七月二七日の日記は、その点まったく理解してない大恥かき日記です。

昨日は定価でもいいからコンフィデンスマンの映画観てさくっと帰ろうと思ったのですが、既に予告が始まってる段階で券売機の空いている座席を見ると、後列は一個除きであとぜんぶ埋まってて、中列から前列は、みごとに一席外して埋まってたので、ここで私が空席を一つ買って入場すると、せっかくソーシャルディスタンス開けて陣取ってるのに、ナニこの人割って入ってきやん、と思われそうで、それはかなんと思って映画見ませんでした。

ビリヤニ冷えてます - Stantsiya_Iriya

そうか~、半数しかお客入れられないんだな~、その状況下での大ヒットということなのか、と。そうとも知らず三作目制作にゴーサインが出たとしたら、「みんなまんまとだまされたでしょう」

お客はほぼ女性。女性のほうが観劇でのアレに対し、勇気があるんですね。たぶん。見に行ったのは、会社の福利厚生チケットがコンビニで買える岡田シアターなのですが、ワタシアターというキャンペーンを行っていて、自撮りみたいなものかと最初思いました。青山のワタリウムミュージアムと何か関係あるんだろうか、ありません。

で、時代は百合と思いました。長澤まさみは、私がこのブログを始めたころは、「大根。もう脱ぐしかない」と事実無根の攻撃を一部芸能マスコミからされていて、それをジュビロ磐田サックスブルーがなんとか堰き止めていた感じでしたが、いつの間にかそれを実力で排除して、今じゃニュースのヤフコメが「美しい」しかなくなってしまう始末で、しかしこの映画の長澤はんは、ふくよかにならはった、と思いました。金鳥やカルピスのコマーシャルでテレビで見る彼女より、相当パッツンパッツンにまるうおまっせ。なんでやろ。

娘さん役は、広瀬錫一択だったのが、高かったし、スケ管もあれだし、チアダン!で天海はんとからまはったし、せやし、こういう役者はんつれてきはったんやろなと思いました。チミの膵臓がたれたいみたいな、違うタイプの役者さんは連れてきいひんかった。

「コックリ」ならぬ、「あ、はい、すみません」しか言わない人がいるのですが、そうなるまでに破壊された何かがリハッヴでも戻って来ず、タイムアウトになりました。「あ、はい、すみません」君の人生に幸多かれと祈る。

前回の香港は、せりふ広東語でよかったのですが、今回は北京語で、しかしマレーシアは相当広東語圏でしたので、教育で普通話習うにせよ、う~ん北京語か、と思いました。ビビアンは外省人と原住民の夫婦の娘ですので、北京語でぜんぜんいいと思いますが、しかしなあ。ビビアンの人を見るのは、セデック・バレ以来でした。あの映画ではオバサン役なので、こんなにビカビカの化粧で美しく登場するとは思わなかった。若い頃(来日前)から、日本の台湾好きから、天使と書いてティエンシィと北京語で賞讃されてたそうですが、こういうふうな四十台になりましたと。インリンが出ないで、ビビアンが出た。

フウ一族のフウは、「胡」ということなので、タイガーバームガーデンのオーブンホーの「オー」にしろよと思ったのですが、北京語だから「オー」は違うということなのかなあ。せめて、ホーチミン胡志明)の「ホー」にするとかしてほしかった。「f」音でなく「h」音なので。私はファーウェイというカタカナは認めない派です。ホワウェイ、とここでも一貫して書いてゆきたい。

Aw Boon Haw - Wikipedia

胡 - ウィクショナリー日本語版

で、印鑑見ると、「馮」と書いてある感じで、「馮」がどこかで「胡」になったのではないかとも思いました。フウ一族。

台湾の零細おもちゃ工場、21世紀にそれはなかろうと思いました。コロナ黎明期の一月に新宿で見た「のむコレ」の、ダーレンウーという中国映画が中国の地上げの怨みの映画で、ほんとはそういうふうに、大陸の地上げにしたかったけど、フジサンケイグループもまたキンペーちゃん事情があって、台湾にしちゃったのかと思いました。

濱田マリがどこで出てるか分からず、一日考えて分かりました。柴田恭兵は家に帰って検索するまで名前が出て来ず、織田裕二と混同してました。両者の共通点は、愛煙家で腰に来るまでで、それが役者生命にまで影響した、でしょうか。柴田恭兵がKLでマレー語喋る所はよかったです。前田敦子に関西弁教えたのは濱田マリだと思います。私も「あめちゃん」と言われたことありますが、言った人はほんとに人を騙すというか、どっかの大豆健康食品のマルチの京都の上部だった。コンフィデンスマン。

英語が多い映画で、ビビアンが「ディスガスティング」と言ったのには驚きました。

ランカウィといえば、太陽がいっぱいだったか、怪奇妖怪マタンゴだったかのロケ地だったような、あるいはちがったような気がしますが、シンガポール同様、ほとんど出ません。ラストの海岸は、伊勢志摩というか、ぶっちゃけ、津の阿漕浦ではないかと疑っています。お母さんと娘が、手こね鮨を手にすくって相手に食べさせあう謎のプレイ。

www.kankomie.or.jp

尾鷲のほうが海はきれいです。

次作はハワイが舞台だそうで、香港からランカウィと来たので、ここで檀香山に行くのはなんか違う気もします。モルジブとかセーシェルとかザンジバルのほうが「らしい」と思います。夫人の故事でないことを祈ります。

基本的にこの映画は、現代の盗聴技術の発達に目をつぶっているので、その辺がフジらしいともいえます。あと、ナイフは怖くて、この二人には任せられないと思う。よく任せた。ベトナム人の殺し屋が韓流好きという設定は、絶対現実のジョンナム暗殺者(幇助)にインスパイアされたと思います。あれも思えばマレーシアで起こったことだった。ガクト帰国。

私は三浦春馬という人は、前作見てるにもかかわらず、広東語しゃべった、くらいしか覚えておらず、数日前のNHKで見て、ああこの人かと思ったくらいなのですが、この映画では、登場するや、観客の空気が変わったと思いました。なんというかな、しんみりしつつ笑うというか、真昼の幽霊というか。

だいぶ前ですが、測量士のしとから聞いた話で、山の谷底でハッパ仕掛けてうまく点火せず、しかしそれで谷底に見に行くといきなり爆発で死ぬかもしれない時、ふと横を見ると影のない人がいて、待ってたんだよ、よく来たなと云う。あたりは蝉の音がうるさいくらいだったはずなのにしんとして物音ひとつせず、おひさまがカンカンに照っている。その人が去年爆死した友人だったバージョンと、見知らぬ人バージョンがあるそうですが、思い出しながら見ました。人は生存本能があるので、それがさいごの砦になって、なかなかリミッターは振り切らない。其の本能を麻痺させる薬物過剰摂取などはその点もイカンゴレンなのですが、そうでなく、あとあと後悔したかもしれないが、意志のチカラで踏み切った、ということになると、その気持ちの強固さに打たれますし、なぜだということは残してほしかったと思います。

以上です。

【後報】

入場時にスマホみたいな機械による温度測定がありました。メモ。

(2020/8/22)