帯折り返し。このまんがを読む予定はなかったのですが、その辺にあったので読みました。ちちのお仕事見学の回で、ひとこまふたこまだけ登場するサブキャラが、前髪で片目を隠した髪形で、今の若者に受けたのか、次の回は三ページ連続ブチヌキで登場しましたが、新キャラ紹介以上の活躍はしませんでした。キャラというのは、ただ出すだけでなく、いかに動かしてひっかきまわすかなのだとすると、高橋留美子などは、今思い返すもおそろしい構成力だったと思います。思いますと書いておきながら、サンデーほとんど読んでませんでしたが。
中表紙裏。あれ、これ、"Tell me where is hurts?"の間違いじゃないの、と思いましたが、どうも私のほうが間違ってるようで、"Tell me where it hurts?"でよいみたいなのですが、その文法的理由が分かりません。
で、思うに、このまんがの主要キャラは、なべて刻苦勉励型のストイックな性格なのではないでしょうか。で、アーニャひとりがおちこぼれというか、頭悪くて勉強出来ない、という、歌の歌詞のようなキャラで、そのギャップがえんえん続く気がします。アーニャ以外はみんな、花形満のように、水面下で必死に水をかきつつ優雅な姿を見せる白鳥みたいな、「努力する天才」なので、なかなかストーリーが進まない。失敗することはカッコ悪いという価値観の世界なので、天才が失敗して自らピンチを招くとか、そういうストーリーテリングがしにくい。
勉強は出来たほうがいいのですが、それを分からせるのにまず苦労する豊かさの時代になるとは、まったく日本はよい国になったものです。8050問題を言っても、若いうちに努力することがその回避策だと受け止めてもらえるのか、はたまた努力しても努力だけでそう簡単に報われたら苦労しないので、その辺こらえられるか。
帯裏
■編集協力/由木デザイン
■カバー、表紙デザイン/シマダヒデアキ、荒川絵利(L.S.D)
■コミックス編集 柳田かな子
■担当編集 林士平
「少年ジャンプ+」2020年17号19号21号23号25号29号31号35号収録。おまけまんがあり。
カバー外した表紙の部分。作者は、絵に関しては基本的に、もともとうまいひとが努力してるんだと思います。だからアーニャは作り手の誰かちかしい人が似た属性で、どうやって「学び」の楽しさを教えられるか、感覚が伝えられないのがもどかしいのかもしれません。
奥付のあたりで、「たいへんな時期」とか「おでかけしたい」とつぶやくアーニャが書いてあります。どの漫画もひとしくもどかしい時期を過ごした。
このまんがは、『鬼滅の刃』をかわして一位になるほどゴイスー、の烙印を押されて世に出るという、スタート時点からスティグマをつけられてしまっている漫画ですが、実際面白いらしいので、実は今日は四軒ほど書店を回って、八末に出た、双葉社のアクションコミックスの『リバーエンド・カフェ』6巻を探しまして、当然どこにもないのですが、そのかわしどこにもあったのが本書で、コンビニでも見かけましたし、売れてるんだなあと思って帰宅するとその辺にあったので、ほんとは今日は吉田敏浩『森の回廊』の読書感想を書こうと思ったのですが、へたっていたこともあり、これを書いたです。なんか最近まんがの感想をよく書いてますが、書きやすいのもあり、かつまた、コロナですごもりの時期なので仕事が進むのか、何故か新刊がよく出るということもあると思います。ほんとによく新刊を読んでると思う。以上です。