日野の新古書店で二百円で買ったマンガ。値が張らないのは電子版があるからだと思いましたが、今感想を書くにあたってはまぞうで検索した所、電子版は出ませんでした。
Cover design : Shouichi Kashiwabara 読んだのは2012年8月の二刷。中表紙もカラーで、京都の料亭座敷の写真と女将の絵を組み合わせてます。しかし内容は全然いちげんさん問題とは関係なく、「みこすり半劇場」1992年から1999年まで連載された?『いちげんさんお断りーッ』ほか、これまで単行本化されてなかった作品をまとめたのが本書で、ラズウェルのどうでもいい細かいこだわりが、宗達のように酒の席でなら許せるが、素面でもおんなしように語るのかよ、そりゃあんたクドいわ、てな感じで、八割がたブサイクな、まんがでも商業誌ギリのパーツのキャラによって演じられ続けます。
ラズウェルはもう少しマシな中文が出来るかと思ったのですが。日本文学専攻と私が勝手に思っているので。これはタモリのハナモゲラ語レベル。
『酒ほそ』同様、数話ごとに作者のコラムが入り、そこだけ21世紀で、まんがの世界は、バブルがはじけたんだかはじけてないんだかみたいな時代を、携帯もパソコンもなしで登場人物たちがウロウロしています。いや、携帯は出ます。ワンレンボディコンも出る。竜ちゃんとナオミのシリーズは、竜ちゃんをサラリーマンにしなければ、もっと膨らんだと思う。でもふたりで東南アジア旅行とかさせてるので、肉体労働だと変だと思ったんでしょうか。変なこともないと思うけど。絶対埼玉に住んでるよこの二人と思いながら読んで、当たった。
私がラズウェル作品で読んでみたいのは、むかしの育児エッセー。電子版があるんだったかな。左の爪入りケーキは、ありえないと思うが、SNS未発達の時代は、各地で握り潰されて広まらなかったのかも。『かすみたなびく』に、かすみがフランス旅行中、いちいち自撮りでツイッターあげてるので、パリ旅行の邦人女性をコマして貢がせて生きてるような奴に目をつけられるくだりがありますが、完全に娘さんの実話を父親目線で漫画化したと思いました。
各話タイトルページにラズウェルが後ろ姿で登場しますが、この回は横に幼いころの娘さんがいて、ほほえましかった。
それはともかくとして、『大奥』であんなに読者を泣かせた花びら餅が、ここではなんかクサされていて、私も今年の正月食べておいしかったので、おおいに心外革命です。隣のコマのパソコンのない会社も時代を感じた。
日野の新古書店。ブッコフとちがう系列です。上溝にある店と同じじゃないかな。この写真は二機ヘリコプターが写ってます。以上