「少女ムシェット」4Kレストアデジタルリマスター版 "MOUCHETTE" Écrit et Réalisé par Robert Bresson 劇場鑑賞

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『バルタザールどこへ行く』『少女ムシェット』オフィシャルサイト

厚木でやってた時は、これはそんなに見るつもりがなくて、東方の三博士だから、バルタザールだけ観ようと思っていたです。

しかし、これまた下高井戸で夜20時オーヴァー上映ですので、そっちで観ようっと、と思いました。で、厚木は週替わり上映だったのですが、下高井戸は二本連続上映でしたので、せっかくだから纏めて観て乏しい人生に今少しハクをつけた気になろうかと考えました。しかし最初に予定していた月曜日は、曙橋で夕飯食ってたら間に合わなくなって、見ないで帰りました。

前の週の金曜日にやはり20時オーヴァーのイップ・マン最終回観た時、観客が四人しかいなかったので、それがイップ・マン一作目の泥臭い抗日ドラマに起因するのか、最終日の最終回はみんな観終えているので客が入らないからか、確かめたくて、金曜日に観に行くことにしたってのもあります。

その結果は「バルタザールどこへ行く」の感想に書きますが、結論から言うと、イップ・マン一作目が抗日だから客が入らなかったでFAみたいです。バルタザールは30人以上入ってた。

バルタザールの前のムシェットは、だからそんなに見るつもりもなくて、下高井戸に着いたらシーメでも食って銭湯行こうと思ってました。ところが、おそるべし小田急複々線化。五時半過ぎに座間駅発の電車に乗って快速急行に乗り換え、気が付くと、開始十分後くらいにムシェットも見れる感じでしたので、メシ抜いてムシェット見ました。その後、バルタザールが始まるまで、もう20時過ぎまして、飲食店はすべてシャタウトでしたし、小雨が降っていたので、どこかでテイクアウトを広げるわけにもいかず、ぼーっと佇んでると、ムシェット観た後バルタザール見る客が、いくたりか、館内で立ちながら持参のオニギリとかむしゃむしゃやってました。ソシャゲディスタンス保って。すごいなあ、そうまでして映画観たいのか。配信じゃダメなんですか? ダメに決まってるでしょ! みたいな。

ムシェットは特に見る気なかった最初の理由は、これ、万引きするでもなくなんとなくずっと百均やドラッグストアの化粧品コーナーにいて店員をイライラさせる女子中学生みたいのが(当然万引きすることもある)穴があればJCでもなんでもぐいぐい行くことにまったくためらいがないヘンタイ鬼畜おやじにあれされてしまうという、映画館を出て角を曲がった先の、すぐそこの街角の日常にありそうな話だからです。なんでその中学生は学校サボって非行してるかというと、そりゃ家庭にもなんかかんかないこともないという。映画と同じやん!!! そういうこと考えてると、倦怠感にかられてしまい、コロナかしらと思ってまうです。

でもまあ、映画レビュー見てると、ナンカイなのは私わからへんわ、つまらん、みたいのがけっこうあって、それなら逆に見て理解してやろうというツマラン虚栄心が湧いてきて、それもあって見てしまったです。でも、世の大半は、そういう理由で観たんじゃないと思います。カリビアンコムを毎日見ててもそれとは関係なく、むかしの映画のほんのコップ一杯のエロエッセンスがあれば、それが目的で人は鑑賞にトツゲキする。要するに、そこはかとなくエロいので、それでみんな見るのではないかと。

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ここ、何の意味もなく少女たちが下校時鉄棒に飛びついてくるっと逆上がり一回転して、全員のツンパーが見えるんですよ。ツンパーですよツンパー。ロリペド必見です!

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ここ、赤ちゃんにミルクを人肌に温めて飲ませるムシェットが、なんかしらんけど自分のパイオツをむにっと、はみちちさせる場面。この子役女優もよくこんな仕事したなあと。こげな撮影されるとは思わんやったとよ、と、動揺してたのか、ガス台にマッチ擦って火をつけて、小鍋に移したミルクを軽く熱するという演技がおざなりで、マッチ擦ってる仕草だけでマッチを持ってすらいなくて、ガス台に火をつけてません。監督もその後の乳揉みの場面の演技指導しか考えてないのか、マッチ擦らなくてもスルーしてます。アホか。

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ムシェットの両耳の髪から伸びてる、エヴァンゲリオンのオペレーターみたいなのはなんでしょうか。アニオタのコスプレでしょうか。萌えと言わせたいリュック・ベッソン監督、否、ミラ・ジョコビッチ監督、否、ロベール・ブレッソン監督の術中には嵌らないぞう、と思う人は自意識過剰だと思います。

少女ムシェット - Wikipedia

たぶんこの映画が難解で分からないと思う人の何割かが、短髪で、白黒映画なので、ハダカエプロンの恥辱プレイみたいなカッコにも見えるカッコの女性(実際は服着てるが白黒映画なので素肌にも見える)ゴンリーが菊豆でつけてた、成人女性なのに金太郎の腹掛けみたいの一枚だけみたいなバーカウンターの女性と、病床の母親との区別がついてないと思います。ミサトがカジを殺したと信じる一定数の人の読解力を以てすれば、この程度の解釋なんて朝飯前ではないかと。

en.wikipedia.org

あともうひとつは、嵐の晩のヨッパライが、まったく酔ってないように見える点。欧米人はアジア人より酒が強いわけですが、いくら飲んでも顔に出ないのに、実はへべれけというタイプと考えないと、水筒ぐびぐびが全く効いてこない。さっきまで冷静に的確に、ひとにうわさされないよう指示を与えていたのに、いきなり豹変とか、なんなんですかアナタ、みたいな。

中世の秋だったかなんだか、フランスは、家族そろって一台の大きなベッドで寝るので、孕んでしまう娘があとを絶たず、なので、赤ちゃんポストが中世から発達していたとか。そういう社会前提でこの映画観て、「ふしだらな」とムシェットをなじるBBAとか、どう解釈すればいいのか。本音と建前なのか。夫婦のセックスレス率が低い国の現実ははかりしれません。

この映画は、大都会岡山出身の一条が、「誰でもウェルカムっ……!!!」と言って終わるのですが、ジェンダー的に「新ムシェット」作るとしたらどうなるか。水原希子門脇麦ダブル主演で作ったらよいと思います。以上

【後報】

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Microsoft Surface DIVE to 沼!! 型にハマるな。沼にハマれ。

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(2021/3/8)