たなか亜希夫の本のついでに検索で出たマンガ。いつの間にこんな巨弾連載して終了してたのか。主人公が鼻血出してるのは、道端でインネンつけられて殴られたからです。
From Future: the boutique for affordable cashmeres on the Rue de Rennes url from-future-paris
ぜったいこのはてなブログから見えなくなるであろうパリのファッション関係サイトの画像。赤地に白抜きで"FUTURE"と書かれた長袖Tシャツにジーンズの金髪ロングねえちゃんがドラム式洗濯機のコインランドリーに座ってる写真。景気づけに貼りました。
初出:月刊コミックビーム2018年11月号~2019年7月号
編集長:清水速登
編集担当:奥村勝彦
装幀:セキネシンイチ制作室
この巻だけ二巻、三巻より二十円安いです。
単行本制作中にコロナが始まったので、どうしようか様子見てるうちに連載が終わったので、それで全三巻同時発売になったのだと思います。2020年からタイムスリップなので、冒頭全員マスクしてるのですが、これは三巻目の場面を使いまわして歴史を修正しているのではないかと。初出時の2018年は、花粉症の時期でもないし、ぜったいこんな全員マスクしてるはずがないと。2018年からタイムスリップを2020年からに変えたのか、2020年からタイムスリップと銘打って2018年に始めたら二年後の世界がこれまでより全然変わったので、あわただしく辻褄を併せながら単行本にしたのか、どっちでしょう。
昭和四十五年の風景のコマがたくさんあって、とてもそれっぽくて、これもまたアシスタントの人の仕事で、その人もこのまんがのように年を取った人なのかなあ、と思いました。編集が下記の人なので、そういう配慮もありそうな。
資料写真とかどうしたんだろう。昔からのマンガ家その他で、こういうものがくさるほどある環境鉱脈にブチ当たったのか、版権フリーの鉱山があるのか、ダマテンで腹くくってもってきたのか、現代のそれっぽい風景をとりまぜてるのか(新宿の喫茶店、二巻の滝沢と三巻のピースは、多少時代が合わなくてもいいやで持ってきた絵だと思うんですが、どうか)ところどころ現代の軽自動車が走ってる気がしないでもないですが、深く考えまい。頁153で「茶-しばきに行きませんか」とナンパする青年の服の柄などもよかったです。
それでいうと、作者の住むor住んでた三茶は風景が様変わりしたと断定出来るのか、全然出ません。渋谷も、出ないかな。むかしのハチ公前の写真とか石を投げれば見つかるようで実は見つからないのか。個人的には、三茶から上馬のほうにあるった、民団の建物はサクッと出してもいいと思うんですが(頁15で公明党のポスター出してるし)残念閔子騫。新宿は、東口のさくらやとか、普通に出ます。ここは、諸星大二郎『子供の王国』にも出て来る。オモチャ爆発安さのきく~らや~♫ 三巻になると、中央線沿線というか必殺江古田攻めになるので、哲学堂が出ます。
大阪も東京も銭湯の概観写真が同じもので、用賀の近くもしくは品川区ののような気がしますが、分かりません。大田区の銭湯だったかもしれません。あるいは、西立川… 要するに、うだつの上がった門構えで、あるところにはある銭湯。
さいとう・たかをのゴルゴの銃器担当アシスタントの人を以前テレビで見て、M16のモデルガンを構えた老人で、さいとう・たかをも名前は残るし、この人も師匠が有名だから、その界隈では名前が残るんだろうなあと思ったのを、再度思い起こしました。
このマンガの「センセイ」は、多作だが印象に残らない人という属性があって、そんな人が消えずに72歳まで(頁32)続けていたら、アシスタントもこういう老後になるのかなという導入部です。滋賀の貧困ビジネス(郷里に帰れないパイセンが暮らしてる)と、大阪の路上で、人を殴るのが好きな人からインネンつけられる場面が秀逸でした。こういう書かせたらほんとうまい。逆に、頁184で、ブルース・リーより前だったことを淀川見ながら後悔する場面は、そうやって整合性をとっただけで、ハッキリ考証せずに始めたんだろうなと思いました。
前に立ち食いそば屋マンガで出したキャラをまた使ってるので、妄想への入り方などいっしょです。以上