『ピン・ポン・バス』"PIN PON BUS" by Fumiko Takeshita illus. by Mamoru Suzuki 読了

まちだことばらんどの絵本展に原画のあった絵本。英題は、版元公式から。

Pin Pon Bus | Kaisei-sha

ピン・ポン・バス | 偕成社 | 児童書出版社

取材協力/東海バス

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画伯による朗読動画が版元公式アカウントからあがっていたです。

www.youtube.com

この本も、装幀者は書いてません。見返しの絵は、前が直角で後ろがややナナメなバス。二巻とちがってねこは描いてません。

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この巻の運転手もパーマをかけている感じですが、続刊とことなり、'90年代にはまだ若手でもそれなりにいた、セットがめんどいのでキツメにかけてるタイプです。白手袋。

先頭に座ってほぼ終点までえんえん寝てる営業マンみたいな人は、会社さぼってるけど家には知られたくないので、路線バスでゆっくり帰宅するひとなのか、そこまでではなく、出先から直帰であまり陽の高いうちに帰宅するのもなあ、という人なのか、どっちかだろうと思いました。

デパートもあるような街中の駅前バスターミナルから、渓流と農地と紅葉の山間の片側一車線までえんえん走るバスで、今いきなり見ると、タカトシとかサンドイッチマンが上からドローンで撮られながらサイコロの目で旅するバスのようだと思いました。それと、昔、信楽のMIHOミュージアム行った時思い出しました。ほんとこんな感じのところを走ります。同乗のお客は、終点一個手前の宗教に行く人らーだったり。

絵本というのは文章でないので、どこまでこういうブログ、SNSで引用出来るか、先刻の福音館から少し考えてたのですが、偕成社は公式にハッキリガイドラインをあげておられます。えらいな~。

https://www.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2020/04/online_copyrights_kaiseisha.pdf

本書は1996年初版。読んだのは2005年の15刷。画家のクセで工事車両が多く描かれてるのは現代との違いと関係ありませんが、トラクターが牽引してるのなんかは、昔かも知れないと思いながら見ました。街中の風景も、どうだろう、ちがうだろうか。分かりません。交通系ICカードがないのとか、誰もスマートホンや携帯を注視してないのは言わずもがな。

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眼をみはったのがこの絵。むかしは、ほんとに子どもがたくさんいたんだなあ。下校時を描いてくれたので、歴史に残ったという…

派遣法ガーとか、小泉純一郎は反原発になったので叩きやすいとか、そういう余計なことは考えずに、しみじみこの子どもの大群を眺めました。静岡県は、帽子と上着共通だったのでしょうか。ラストの夕暮れ、日が暮れた後に乗客がぜんぶ降りた後もまだ路線を走るバスの絵もいいですが、この絵はなんしかインパクトがあった。この子どもがぜんぶカラシニコフをもってフンザハットをかぶったシャルワールカミースのひげづらタリバンだったらと仮定して戴けたら、私の衝撃もある程度推察して戴けるかと思います。以上です。