表紙の鴨川がどのへんからどっち向きなのか、もうほんとキョロの土地勘が錆びついて、完全に分かりません。
最初、もうだいぶ下の方の、七条とか九条のほうのカワバタ側からから上流を眺めてるのかと思いましたが、ストビューを見ると記憶と異なり、そうとうビル等がごみごみしていて、とってもこんなスッキリした絵になりません。もっと上流の、丸太町とか荒神橋の、もうこのへんは先斗町は言わないけれど、河原町通のある西側から下流の祇園や河原町を眺めると、疎水やら運河やらがある關係で、それなりに建造物から河川敷が隔てられているので、こんな感じかなあと。加藤登紀子レストランや南座が遠目に見えてるのでしょうか(たぶんちがう)
週刊少年サンデー2020年第44號~47号、第49号~2021年第4・5合併號掲載。
●ILLUSTRATION/小山愛子(作者)
●DESIGN/徳重 甫+ベイブリッジ・スタジオ
連載担当/庄司昂平/田地野茜
単行本編集責任/久保田滋夫
単行本編集/庄司昂平/田地野茜/布瀬川昌範(アイプロダクション)
企画協力/三枝桃子
前巻もまるっと帰郷編だったと思いますが、今回も、ねえさんが洋食屋にスマホ忘れはった、北川景子の映画みたいにならはったら、ウチ、ウチ、どないしょう… という展開にはならない、連作です。一話ごと読んでも問題ないです。頁65上のコマの、夜の屋形の絵などが、インバウンドが消えたあとだから描ける静けさを持っていて、ちょっとじんと来ました。
男子がレギュラーになると、それまでの逆ホモソーシャルな一話完結とは全く違った、動的なストーリー展開が生まれるなはと思いました。ホモ・ソーシャルの反意語としての、男女共同参画社会、否、女社会を示す単語は、まだ市民ケーンを得ていない気がします。
夜の自転車疾走の場面は、川端通り一択と思うのですが、どうでしょうか。私自身がさんざん上下動を繰り返した道だから、そう思うだけなのか。午前三時に、祇園も木屋町もお店が終わって、女の子とアフターするわけでもないが、なんかおなかに入れたり入れなかったりしながら、ねどこに帰る人が見られるあの時間の空気を思い出します。
頁43「食べとーみ」という言い方は、いかにも聞いたことがありそうで、自分が使えない関西弁だと思いました。頁46で、完全に舞妓ことばに自己改造したはずのすーちゃんという子が、「会えました」と、ぽつりと、シンプル・ジャパニーズで答えるところが、なんとも、玄妙でした。方言に置換不可能な共通語ならではの味わい。「会えたんどす」とか「会えましてん」とか、いろいろ試してしっくり来ず、こうなったのではないかなと思いました。
パフェの店とオムライスの洋食屋とで、ねえさんのえりあしの描き方が、少し違う気もしますが、深く考えるところでもないです。
作者のおまけエッセーが、どんどんブログなみに濃くなってる気がします。コロナカの影響かもしれません。お手紙全て読んでますとか、ほんとうのファンなら、そこまで書かせたらあかん思います。そんなんいわはらんでもええのんどっせ、と思う。なんか、シンパシーとかエンパシー的な、いいこと書いてる気がしてきたので、終わります。
以上