『舞妓さんちのまかないさん 18 』"Maiko-san Chi no Makanai-san" English Title:"Kiyo in Kyoto:From the Maiko House" (少年サンデーコミックススペシャル) 読了

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表紙(部分)

週刊少年サンデー2021年第6號~10号、第12号~第15号、第17号、第18号掲載。

●ILLUSTRATION/小山愛子(作者)
●DESIGN/徳重 甫+ベイブリッジ・スタジオ
連載担当/庄司昂平
単行本編集責任/久保田滋夫
単行本編集/庄司昂平/田地野茜/布瀬川昌範(アイプロダクション)
企画協力/三枝桃子

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なめるなよ、新人。

帯裏。この巻はこれに尽きると思います。京都でコレ。イカス。

左はこの漫画を買った書店のカバー裏。

久美堂 屋号の由来

「人はいく久しく美しくあれ」との意味をこめてつけたものです。

このマンガの場合、先輩が陰湿にイジメをするから新人が居つかないという衝撃の過去が明かされるような展開にはならないでしょうけれど、この男の嫉妬はどこへ行くのか。ちいさなお店ですし、ギクシャクしたらすぐ店のふいんきに出て、客足が即反応することもあれば、まったく表に出ず、店内のアトモスフェアに影響しない場合もありますので(凄惨な店裏があって初めて高レベルの料理が提供されるわけでもないと思うのですが)なんともいえませんが、料理に関しては、健太くんは、すぐに立場が逆転するような天才料理人ではないので、今後が楽しみです。昔働いていた職場で、私の前にも後にもたくさんやめていたところがありまして、独身のままある年齢までホテル業界、バンケットで働いてきた女性陣、アパートでゴハンは一度に炊いて小分けして冷凍し、その都度解凍して食べてるような、つましく暮らす人たちを肩叩きしていたのはさすがにどうかと思ったのですが、シェフまで辞めて独立し、ある日偶然入った店がそのシェフの新しい店で、その一度だけ、少し話をしたのですが、イケズがいちばんヒドかった男が、スクーターのシートを切り裂かれたんだよとシェフから言われました。が、まあ別にその男だけでもないしと思っていたので、特に感想はなかったです。

左はカバー折、著者のことばに添えられた、たぶんごま油。緑色のゴマ油の瓶なんてあるのかと思って検索したら、えごま油を中心に、それなりにありました。

頁38、金柑のジャムは食べたことありません。市販も見たことない気瓦斯。見てて、見えてないだけかもしれませんが。たぶん、この話にあるように、種取りのめんどうがネックな気瓦斯。

頁50、ふとんでごはんは、フランス人がベッドでカフェオレとなんかの朝食採るのが、デフォというか、西洋人のそういう光景は見たことあるかも知れません。クロワッサンだとシーツの上にぼろぼろこぼれる気がします。

頁60、私の脳内認識では、キヨが三人の中でいちばん長身で、すーちゃんが一番せいが低いのですが、この中学の回想シーンでは、キヨがあたまひとつ低く、球児とプレ舞妓がほとんどおんなしせいの高さです。ややすーちゃんのほうが健太より高い。そこから成長して変化したのか、あるいは私の誤認識なのか。

頁73、コゲた肉が苦いのは、砂糖醤油で甘辛く味付けしたせいもあるのではないかと。生姜焼きならそうは苦くないような。

頁81の四条大橋(と頁5の祇園屋形)の静けさは、インバウンドが消えた京都だからと思いました。インバウンドのころの巻では、こんなところに舞妓がひとり佇んでいたら、のべつまくなしバシャバシャ撮られていたような。

頁85、東華菜館の「東」まで入ってて、へーと思いました。出すのか。南座のにしんそばでなく。ここは、今のお店と関係あるか知りませんが、昭和20年8月14日か15日、ポツダム宣言受諾をまだ一般国民が知らされてなかった時に、独自の華僑ネットワークでいち早く情報をゲットしたひとが、どうせここも空襲受けて燃やされて灰になるんやしと思ってた前の持ち主から二束三文で買い取って、そして戦後を迎えたと、何かで読んだことがあります。その後情報が語り継がれてないみたいなので、ほんとかどうかは知りません、のレベルに今はなってしまった。

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漫画の中だと、あかり取りの関係で、角度によってこのような影がつくのは分かるのですが、このように背景から抜き出してしまうと、本来ホーロー引きはまっしろなので、ただのアルミの鍋にも見えてしまうカット。模様に気がついて、本編読んで、それでやっと。

頁99の家族の食卓の、後姿の、やけに肩甲骨がつやっぽいねえさんは誰でしょうと思いました。右がダンナさんなんかな。果報者。壇蜜かと思った。

頁102と頁111。焼きそばバゴォーン。この焼きそばは、花沢健吾のマンガなど、東北のひとがよく、東北にしかなくて首都圏で売ってないと言ってるのですが、過去には一時期テレビシーエムまでして関東でも売られた時期があって、このエッセーに出てきた宅配便のお兄さんも、それを見た世代に引っかかっているのだと思います。ウィキペディアを見ると、おそらくバブル期まで。

焼そばバゴォーン - Wikipedia

銭湯の牛乳には特にありません。私の行くところにはもうないし。番台の人が、往々にして、風邪ひいたら替えが効かないからか、コロナ前から、マスク等重武装の人がいるのは見ています。頁128のシンクにためた水の影は、心理描写なのでしょうが、誰かアシが暴走して、いい効果をうんだような気もします。以上