2021年10月~12月にコミックDAYS掲載。カバーデザイン 角田正明(ツノッチデザイン)巻末に次巻予告なし(!)
おそろしく手のかかってない表紙。びっくりです。今はもう数少ない駅前書店にあったので買いました。今日、地元の本屋に行った時、ここにもあるかなと思ったらないかったので、書店を選ぶマンガなのかどうなのかという。
こんなマンガなので(わらい)
2巻も1巻同様、表紙にバールのようなものがあります。ヘルメットの「礼仁」はレーニンのダジャレと考えています。頁124に各セクトのヘルメット勢ぞろいの場面がありますが、「フロン派」「社赤同」「中角」はあれどアルファベットひと文字はありません。あっ、でも「角丸」があった(棒)そして、既成政党の青年団体をもじったような文字はありませんでした、たぶん。
ウェブコミックは、誌面全体との整合性を考えなくてよいので(買う人はそのまんがまんがで買うはずだから)好き勝手やれるとの思いを強くしました。昭和の考証を踏まえた描写に力を入れて、タブレットの使い道に困ってる高齢レフティを読者層に開拓しようとしているのではないかと。頁63のシュミーズ*1は描きたかったんだなと思いましたが、頁99のエログラビアは、この時代こんななんかなあ、ほんとかなと思いました。話を戻すと、満州アヘンスクワッド(まんアヘとでも略されているのでしょうか)も、DAYSからヤンマガに移ってからはイマイチとどこかで書かれていた。
天啓大学の体育会系右翼部隊
「臥龍新撰組」にスカウトされた東儀ひろしは、
コードネーム“悟空”として
活動を開始する。
一般学生に紛れるため、偶然知り合い
惹かれていた先輩・北条美智子がいる
園芸部にひろしも入部することに!?
左翼同士の派閥抗争が激しさを増していく中
美智子を裏で操る男・公方は、
新たな革命の火種を起こそうとしていたーー!!
思惑と野心が渦巻く、緊迫の第2巻。
この巻はあまり昆虫食の場面がありません。教授監禁の場面は、まだこの時代は洗脳というか論破論破で相手を壊してゆく感じにはしてないんだなと思いました。炭鉱事故で無酸素脳症となって寝たきりのひろしの父と、「北山泰人」というペンネームを持ちながら「大道先生」と呼ばれている美智子の父の対比。大道先生は、花輪和一『風水ペット』に出てくる反日居士:大同さんへのオマージュでしょうか。
なんというか、懐かし昭和ヤング回想ロマン路線というより、格闘バトルまんがの面白さがあるので、さっさと日本に見切りをつけて、フィリピン編、レバノン編に移行したほうが、話をダイナミックに出来て、現実離れした大法螺も吹けるのでいいんじゃいかと思いました。島国にいる限りは、なんしかちぢこまった亀状態の苦しさがある気瓦斯。レバノンでPLO出したりした方がよっぽど自由。ただし、北朝鮮編はやらないが吉です。『ゲバルト時代』という本では、金日成の茶坊主部隊とバッサリだったので、それを夢とロマンのフィクションに仕立てられても鼻白んでしまいます。
まあ、そこまで続かず終わるんじゃいかと思いますが、立憲民主党を支える熱い高齢者層(あるいはれいわ新撰組を支える以下同文)がタブレットにかぶりつく展開で、大ブームになってしまったら、柔道家プーチンのウクライナ堂々侵攻より驚くこと確実です。以上