『すてきな 三にんぐみ』"The Three Robbers" by Tomi Ungerer 読了

偕成社の吊革広告のこの絵本を読んだことがなかったので借りました。

「いくらお金を盗んでも、使う時に出処を詮索されて、バレるよね。お城なんて大きな買いものするんだから、税務署が目をつけないわけないじゃん。バレたら資産没収で牢屋に入れられるんでしょ、そうなったらその後子どもたちはどうなるんだろう。どっちにしてもこれはだからお話じゃん、ほんとうに起こることじゃないよ」

と言うような頭でっかちの理屈っぽいクソガキは嫌われるよ、と言うと、

「だってほんとうのことじゃん、なんでほんとうのこと言っちゃいけないの? そのほうがおかしいじゃん」

と言い返されるので、「そういうおはなしなんだからいいの! 夢が壊れるでしょ」と言いながらあたまをハリセンでスパーン!とはたいて、「なんでぶつの、ぶったらいけないんだよ」とわめきながら逃げ回る幼き日の自分を折檻してしまう夢を、見ませんでした。みんなも思いやりのあるこども時代を送れますように。

www.kaiseisha.co.jp

www.tomiungerer.com

日本図書館協会選定 全国学図書館協議会選定 厚生省中央児童福祉審議会特別推薦 国際アンデルセン賞・画家賞・次席

1969年12月初版1刷 1977年11月初版12刷 1977年12月改訂1刷 2009年12月改訂187刷

1980年くらいの版の在庫があるように、図書館蔵書検索では出たのですが、古いものの現物がこれで、たぶん絵本を汚した子の保護者の方かなんかが、新品買って返したりして、図書館蔵書ナンバーだと古いのに、現物は新しいというような現象が勃発しているのかもしれないと思いました。

いまえ よしとも やく

今江祥智(いまえ しょうち)だと思ってました。

アメリカの書評から  アンゲラーの色の使い方のすばらしさは、目をみはるばかりだ。鮮やかな赤、黄色、緑色を効果的に配し、濃い青の背景の中に、三人のどろぼうを黒く、くっきりと浮かびあがらせている。  とにかく、独創的で、魅力的で、雄大で、楽しいすばらしい絵本だ。 書評誌〈ザ・ホーン・ブック〉

ja.wikipedia.org

フランス出身ですが、アルデンヌ地方なので、ドイツ語だということです。作品名にドイツ語名"Die drei Räuber"が付いてくるのも、そういうことだからか。以上