『となりの代理人 フットボール⚽エージェント FOOTBALL AGENT (4) 』"Neighboring agent" by NODA TATSUKI(ヒーローズコミックス)読了

装丁 竹内亮輔[crazy force]    発行人 白井勝也  編集担当 高部格  「ヒーローズ」'22年3月~8月配信 ③巻の読書感想の見出しを②巻からコピったそのまま、直してませんでした。恐縮です。

「選手の人生を背負うのも代理人の仕事だ―――。」オールド&ルーキーの物語、ここに完結!!

帯。クールビズはあれど、スーツとワイシャツ率の高いマンガであることを再認識させられる、生地を強調した表紙。以前、スーツでスタに来るな的書き込みが2ちゃんにあったのを思い出します。スーツもまた一つのアイコン、武装なんだろうな。

我々 FC夢の島トウキョウは地域決勝チャンピオンズリーグ進出を決めました オレのサッカー人生のすべてをこの地域決勝に捧げます プロフットボーラー・田丸健司が選ぶサッカー人生は!?おおおおお

帯裏。サッカー選手の第二の人生ネタは著者の以前のまんがでも繰り返し語られており、ただ、下のリーグへの移籍による現役続行のハードルが、どんどん下がっている、インフレの現状が分かると思いました。カズは全国リーグのJFLですが、関東リーグにもたくさん元Jリーガーがいてる現状の反映?的ストーリー展開。

クリアカードのセットもらえます!のフダを見た書店員さんが一瞬絶句して、「あいにく当店ではただいまクリアカードの在庫が終わってしまっていて…」と説明があり、後日受け取りとかそういう面倒はいいので、クリアカードは断りました。まさかこんなマイナーまんがにフダが入ってるとは想定外だった、わけではないと思います。

話を戻すと、地域リーグとか、そういう「物好き」レベルなマニアは一定数いるので、宇都宮徹壱『サッカーおくのほそ道』*1とか『フットボール風土記』とか『股旅フットボール』とかが好きな読者層を対象視野に入れたいのだろうと思ってます。じっさいそうだろうし。カンゼンは、久住なんとかの人の本を買った時、どうも、奥付に初出がなくて、ウェブが元記事なのか書下ろしなのかも注釈もないのがいやで、それ以降買わないのですが(どうも図書館購入枠的にはあれなのか、あまり図書館で見ない出版社です)最近はそういうのカイゼンされたかどうか。そういう期成のお作法、決まりごとと、新規参入者のフリクションを視覚的に分かりやすく見せると、ガタイのいい野郎たちのスーツ姿になるのかどうか。

ここで関係ないダジャレ。「新車なのにふりぃど」

このまんがは「代理人」しばりで、あとはゆるく、世界市場も、協会との軋轢も、地域も、なんでも来いなので、それはそれでいいのですが、やっぱり弱い気もすると思う時もあります。たとえば、プロ向きの性格でない選手がいいように代理人の口八丁に迷わされて、失敗して貴重なプロ人生の一定時間をフイにして、あげく「オレがバカでした」と泣くのはいいのですが、技術だけでなくやっぱり性格も大事だから、Jリーガーにも適性検査「SPI」が必要なのでは? そんなことをやっていたら、青田刈りで出遅れるから、絶対抜け駆けするエージェントもいるわけで、そんなの普及しない、で、泣いても個人の責任、みたなシビアな残酷さをどこまで描いてしまうか、葛藤もあって、描かないで終わってる気もします。葬儀の場面はオーレでも見た気がしますが、描こうと思うのはそれくらいなのではないでしょうか。

このまんがもワールドカップにあわせて刊行されてますが、まんがに登場するワールドカップは通常通り夏開催のワールドカップで、秋のシーズン途中のワールドカップが、いかに非常識か、そっちの情報ばっかり事前に詰め込んだ結果のようにも思います。代表の躍進もあって、現実のカタールワールドカップがそれなりに盛り上がった(ロシアやブラジルの時より盛り上がったと思います)わけなので、読み違い多少悔しかったかなと。この巻で完結とのことですが、別に終わらなくてもと思う反面、ネタを探す苦労、しんどさもあるかなと思います。カタールでちょんまげ隊長ニュースに映ってたと思うのですが、別人かもしれません。

巻末にアシスタントへのサンクスと四コマあり。漫画家にも代理人ほしいというネタですが、ネタでなく、著者がウェブで女子サッカーまんが描いてる講談社の編集なんか外注ばっかりとも聞きますので、じっさいにはもう、出版エージェント、編集エージェントいるんじゃないのと思いました。津原泰水という人について童貞力の人が書いたブログを読んだら、津原泰水という人は代表作『ブラバン』を、出版エージェントに売り込んでもらったそうで、それでバジリコから出たとの由。もうそういうことはけっこうあるのかもしれません。以上