いいとしを オカヤイズミ Have a great age. by Izumi Okaya 読了

若葉台の本屋で何か買おうと思って、あれこれ見たのちに買ったマンガ。

2021年3月の初版で、買ったのは2022年4月の再版。

第26回手塚治虫文化賞短編賞受賞とのことなので、それで増刷したのかも。

グーグルレンズ

『心』&『白木蓮寺(二散方2冊同時二
手塚治虫文化賞
受賞!

久礼:0の実家、母の遺L500万… 加齢とコロナとオリンピック、 揺れる世界の、父と息子の日常。
雜誌「anan」、立于Web&∑下話題!
角川書店

補正

『いいとしを』&『白木蓮はきれいに散らない』2冊同時に

第26回手塚治虫文化賞受賞短編賞受賞!

祝 久しぶりの実家、母の遺した500万…

加齢とコロナとオリンピック、

揺れる世界の、父と息子の日常。

雑誌「anan」、ダ・ヴィンチなどで話題!
角川書店

www.kadokawa.co.jp

装幀/川名 潤 左は裏表紙のいちぶ。新国立みたいですが、周りがこんなにだだっぴろい気がしないので、ふしぎです。英題はここから。著者名アルファベットのオウンネームとファミリーネームのじゅんばんも。

カドブンノベル2020年1月号から12月号掲載。文芸カドカワの後継誌カドブンノベルが同号を以て休刊したので、そのまま宙ぶらりんということみたいです。

kadobun.jp

脈々と築きあげてまいりましたこの大きな物語の流れと、培ってまいりましたデジタルの知見を活かして、さらに自由で驚きに満ち、パワーアップした媒体を、2021年春にはお届けできるよう、編集部一同、日々学びを深め、鋭意準備を重ねております。これからお届けすることになる物語にも、これまでと変わらぬ、あたたかなお気持ちを寄せていただけますように――再会を期しつつ、改めてお願い申し上げます。
長きにわたってのご愛読、本当にどうもありがとうございました。

描き下ろし『2021. 1.13㈬』収録。尻切れの結末の続きの、日常の、その後の、コロナカの話。

帯裏。

グーグルレンズ

どこ行くんだ
どこ行ってたの
散き白 られ木 いには
オカヤイブミ
変わらないここがずっと嫌だったのに いまはこの状況をもう少しだけ引き延ばしたい
同時 受賞
一人暮らしを満喫していたバツイチ、42歳の灰田俊夫は、 母の他界を機に東京都下に住む72歳の父と同居することに。 久しぶりに帰った実家で、 俊夫は母が遺した500万円を見つけ、 何に使うか頭を悩ませるが・・・・・・。
『白木蓮は きれいに散らない』(小学館) 1963年生まれの女性たちの 人生行路を照らす
定価 1,320円(10%税込)

補正

どこ行くんだ

散歩
どこ行ってたの

散歩

変わらないここがずっと嫌だったのに

いまはこの状況をもう少しだけ引き延ばしたい

一人暮らしを満喫していたバツイチ、42歳の灰田俊夫は、

母の他界を機に東京都下に住む72歳の父と同居することに。

久しぶりに帰った実家で、 俊夫は母が遺した500万円を見つけ、

何に使うか頭を悩ませるが・・・・・・。

同時受賞『白木蓮は きれいに散らない』(小学館)

1963年生まれの女性たちの

人生行路を照らす

定価 1,320円(10%税込)

まず、オッサンが一人暮らし(幡ヶ谷)から郊外マンションで父親と同居するだけで、ジョーカノとは別れることになる展開を読んで、トホホと思いました。これが、娘が父親と暮らすことになって彼氏がリリー・フランキーだと、「おとうさんといとうさん」*1でしたか、同居する流れになるわけですが、団地とか持ち家とか関係なく、男性とジョーカノだとそうもならないんだと思いました。カジテツを一手に引き受けさせられる懸念があるわけなので、女の人、いやがるのも無理からぬことかもしれません。舅がフランス書院文庫の『息子の嫁』的なものを愛読してたら恐怖だろうし。と、ここまで書いて、バツサンの同級生男性と結婚した初婚女性が義理の父とも暮らし始めたケースを思い出しました。見栄っ張りの負けず嫌いなので、いいことばかり言いふらしてましたが、ウソつかせてても職場から強制帰宅させるような男性たちでしたし、その後は知らない。

結婚のヤクソクはしていないが、彼女はずっと待っていた、のだが、ここでふんぎりをつけてほかの男を見つけて結婚する流れで、四十代前半の男とつきあうにしては、まあまあ年下の女性に見え、なだぎと友近の時のネットのコメント「あまり適齢期の女性を待たせるのはそれだけで罪」を思い出しました。この女性の造詣を見て、男性だと「逃した魚は大きいな、もうそういう出会いはないよ」と言うだろうし、この女性より年上の女性だと「若いね、こういう子とつき合ってたんだ」と言うかもしれません。前髪を切りそろえて染めている、ゆったりした服だが胸元が開きそうな服を着ているので、エロいがエロいと言えないふいんきの女性で、身だしなみなどひとつ振るとたくさん喋ります。頁136は、母親の遺品のエプロンで家事をしながら、母親はブランドにこだわる人ではなかったが、元カノは「あっ あれ マリメッコのウニッコのにせものだね」というような女性だったと回想する場面で、このまんがもキッチリ凡庸な男性が彼女と母親を比較する痛い描写を出してくるんだなあと思いました。「あのは割とこだわっていたな」と回想するのですが、絶対こういう男性は「あのは割とこだわっていたな」あるいは「あのは割とこだわっていたな」という表現をするはず、と思いました。

買ってからはしがこんななのに気づきましたが、まあだいじょうぶです。どうせ持っててもこうなる。

冒頭、職場で、父親と同居する流れが分かった途端出世の目がなくなる展開は、だいぶ認識が古いと思いました。私が二十一世紀初頭、某コングロマリットの発端先端否末端で派遣労働者として働き始めた頃、そうした慣習の残滓がそこでは洗い流され、初の独身男性部長が誕生していたと認識しています。そうでもしないと、圧倒的非婚人口にどもならん。その職場は、役職付になった正社員はすべてスキー場で骨折して入院した先のナースと結婚しており、それがサクセスの条件なのではないかと思いました。その頃はパソナやらテンプスタッフやらアデコやら、机の島ごとに事務職の派遣女性の派遣元が変わるような派遣バブルでしたが、技術職派遣の男性との恋愛はありましたが、正社員とのそれは聞きませんでした。それくらいうまくマスク出来なければ正社員の採用試験受からないのだと思いますが、よく分かりません。その後、技術職以外の派遣は三年でサヨナラルールが出来、十年以上、結婚後も働いていた女性がなくなくやめたりしてたです。

頁200、夏場に風呂場で全裸になってシャワー浴びてから風呂掃除する場面、私も同じですので、似たようなものだと苦笑いしました。父親の行動については、部分部分の切り取りだけなので、浅いような気もしないではないかったです。図書館ひとつにしても、毎日同じものを読むわけでなし、また、ある程度通い詰めたらしばらく来ないようなアルゴリズムが存在する気瓦斯。

コロナカの描写で中途半端に終わっていますが、母親の残した現金五百万円の札束の伏線が未回収ですので、アポ電強盗が出てひどいことになって、復讐鬼と化した主人公がテレグラムを解析してマニラに飛んで犯人一味を全員惨殺する展開がはやく読みたいと思いました。そうはならないのかな。以上