『魔法の庭』(ちくま文庫 か25 3)読了

魔法の庭 (ちくま文庫)

魔法の庭 (ちくま文庫)

Italo Calvino: Letters, 1941-1985

Italo Calvino: Letters, 1941-1985

下記とは関係ありません。たまたま手に取った本ですが、初期短編でしたので、
例の、レジスタンス時代のものが多いです。
ファシストパルチザン ――内戦でないと魔術的リアリズムは精彩を欠くのでしょうか。
イタリアの場合は、まだ、ユーゴのように、チェトニックとウスタシがそれぞれ、
セルビアクロアチアという別民族カテと重なるといったことがなかっただけ、
マシなのかもしれない。

考えると、インテルミラノは戦後もファシスト党員のサポが多かったんですよね。
よく今長友がいるよ、と、ときどき思い出しては隔世の感を持ちます。

初期のカルヴィーノはやっぱり好きです。
祖先三部作も好きですが。
祖先三部作と言えば、張藝謀の祖先三部作『初恋の来た道』『至福の時』『あの子を探して』、
“我的父親母親”を『初恋の来た道』にしたのは別によいのですが、
改革開放から落後する大後方の農村を描いた“一個都不能少”は、
当初『みんなでいこう』の仮題でしたし、直訳すると、「ひとりも欠けてはならない」ですから、
これはそのまま直訳して邦題にしてほしかったです。
この後のチャン・イーモウはヒーローとか十面埋伏とか、
モリ・ハナエデザインの服を着た豪華映画を撮って、高倉健の映画を撮って、
ペキン五輪の演出でCG花火をして、いま何をやってんのかな、と思います。

栗鼠のようなカルヴィーノの生き方をなぞることは難しい。以上