やり残したことがたくさんあるのに梅雨入り

人形シリーズ 座間編

6月21日はラジオ体操しました。6月22日はじゃがいもの収穫をしました。腐り始めてるかもしれないとのことでしたので。そうか病の症状が出ていて、売ってどうこうは考えてないし、食べる分には支障がないのでいいのですが、でもやっぱりガックリです。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

石灰撒いてないはずの場所だったんですが、難しいなあ。

LAWSON100のおにぎりクーポン使おうとLAWSONに行きましたが、LAWSON100にしか使えないようなので、そのまま回れ右で外に出ました。

いただき女子に狙われるジジイのことを「オジ」と呼ぶと聞きましたが、その情報の信ぴょう性を疑っています。セクシー田中さんに出てくる「チャラオジ」という単語はパパ活とは関係ないはずなので。

佐賀県の昨年の大雨の災害ボランティアが先月終わったそうで、しかし6/18の大雨による災害ボランティアが静岡で始まったそうで(当面は県内東部在住限定募集)その一方新潟は能登半島地震のボランティア現在は募集してないようで、これから大雨による災害派遣、ボランティアがまた増えないことを祈ります。でももう毎年なんだろうか。

6月23日は雨でしたので、ストレッチとラジオ体操のあと、買って来たくつひもを靴に通したり、爪を切ったりしました。お寺に施餓鬼や新盆について聞きに行きましたが、着くと、急な葬儀で和尚さんがいないとのことで、どのみち今年施餓鬼をやるかどうかはお寺の六月の役員会でこれから決めるとのことで、それなら先に言ってよと思って帰りました。仕切り直し。

6月22日は洋楽ガーシーズがなかったようで、代わりなのか、23日お昼にナゾの番組「いとうせいそくのバンド・ラウンジ」なるものがかかっていて、聴き逃しで聞こうにも聴き逃しではやってなく、radikoのタイムフリーでも聞けない番組でした。なんなんだろう。過去の番組の再放送なのかな。曲目は見れます。

NHK-FMジ・アルフィーの番組があって、先日聞くともなしに聞いていると、バンド名への思い入れの話になって、メンバーが「事務所がつけた名前だから」「どうしてコンフィデンスじゃだめなんですかって聞いたもん」と言っていて、今でも言うんだと驚きました。

以下、ビッグコミックオリジナル 2024 7.5 No.1504 13 の感想。

表紙の俳句は表紙のイラストレータ村松まこと。

創刊50周年記念読切はブルージャイアントのしと。未来から過去を変えようという電話がかかってきます。別にあたり馬券を教えてくれるわけではなく。作中にビッグコミックオリジナル今号の表紙が出ます。平成17年発表のイラストなので、あらかじめ決まってれば難しくない話。

宮崎まんがはガンダム登場。鉛筆でベタ塗りの衝撃場面。

釣りバカ。ふたりのみちこタンの区別がつかなくて困るという衝撃の展開。

たそがれ。私同様、ほんとにカルトなのか信じない読者が多かったのか、とっても分かりやすいセックスカルト教団の描写がいっぱい出ます。こうしてもスルーしてなかったことにしてしまう読者は一定数いると思われ。

神羊弱虫でないマンガ。いったん夢落ちでリセットした後また悪夢が、という展開。

なりすましマンガ。登山で失踪遺体発見出来ずは二ページで終わらせ、今回のようなボケは一話まるまる使って引っ張る。好き嫌いが分かれると思いました。ちがうかな。

喫煙喫茶店まんが再開。恋ヶ窪と池上を足して二で割った東急線タウンだよんという説明から。多摩川渡った風呂サポがいる街、という初期設定と矛盾なし。

QRコードを読み取ってスマホからオーダーする店、私も二軒ほど遭遇してますが(ともにタイ料理)私のように0ギガなので一切スマホ使いたくない人(電話と撮影しかしない)にとっては地獄です。「C調言葉に御用心」はサザンなので公式的な動画がありませんで、「祭りのあと」は桑田佳祐なので公式的な動画があるという。難解。

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昭和天皇の戦争責任を認めるような勅語登場まんが。空母が六隻いるんですが、四隻じゃいかったっけと検索したら六隻でした。ミッドウェーと混同してた。

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そして、東条英機が実に明晰に戦争の展望を御前にて述べる。12月7日ジョン・レノン独ソ戦でドイツ退却開始。同盟国日本の真珠湾奇襲攻撃&対米戦開戦を知ったヒトラーは激怒したといいますが、その場面は出るのか。

父が耕太郎でその父の兄(チョンガー)登場。なんで次男が太郎なのか、祖父母のどっちかが再婚なのか。頁210下の段、目を閉じる場面がよかったです。

何年も歯医者行ってない男が女のとこ泊まり歩けるファンタジーまんが。キスでうつる虫歯菌。

女王まんが。『ヒストリエ』の新刊が出たので、『七人のシェイクスピア』のほうはどうなってるんだと聞かれましたが、このまんがの監修者は同じ人なので、その人にでも聞いてけさいというのがやっと。まあエリザベスいたずらされないでヨカッタデスよ。

親まんが。世田谷はそんなに魚類いるんですね。最近相模川近辺はめっきりいない気瓦斯。また、諏訪盆地は佐久小諸のようにコイを食べるイメージがないので、ソウデスカとしか。

介護まんが。自分を好きになって、はレリゴーの歌詞。確かにあのアニメはすごかった。ピクサー一個も見たことない私が見に行ってしまったくらい。

ふたつ掲載されてるコラムのフォントの大きさがちがうふしぎ。

危機を煽るコラム。『前科者』に出てきた『土偶を読むを読む』の本文は、こんな出だしから始まります。「もしかしたら少し深刻なことなのかもしれない」今はあんまし危機感を煽るより、このようにマイルドに行く方が支持される時代だと思います。

卑弥呼まんが。ふと思うに、ノムヒョンサンの先祖でしたか、半島に来た道、インチョンあたりから黄海山東の烟台に抜ければ、公孫一族スルーで魏に辿り着けるのではと思いました。

バグダッドカフェがおしゃれかどうかを語るスレ、否、まんが。猪狩佑貴だったかなあ、7ゲの目の前でベルデー時代の服部にイキナリ大喝されて以後精彩を欠いてたことがありました。「思い出すだけで口の中がネバネバ」って、この人も虫歯菌が…

不登校のときはどんなアレかと思ったらふつうに社会人まんが。絵がうまくなった気瓦斯。

ゴルフまんが。特になし。

引退したアスリートの取材まんがは今回安英学。안영학なので、アンヨンハk、もしくはアイヌ誤表記のようにアンヨンハと書く方がリアルだったかも。学校はハッキョ、学生はハクセン流し。メッカと言う時の「ッ」は自然にK音になってるらしいです。この人はちょっとあちらに近いかなと私は勝手に思っていて、ベガルタのリャンヨンギとか、サカダイのコラム「水は血より濃いの証明」のぶっとびさが忘れられない岡山一成のほうが個人的にはおもしろいです。

大統領選コラム。特になし。

パンダまんが。ピンクの電話は逆さに振れば小銭が出ます。便利だな~(うそ)

鉄オタまんが。吉高由里子に似てない人が出ます。宋の使者はたぶん出ません。

ここまで。

湘南は瓦斯に負け。町田は福岡と引き分け。

冷たいキムチラーメン。

わかめと海苔、メンマが見えます。

だいたい完食。

寝ます。

今日も、明日も、穏やかに、静かに、落ち着いて、平和に。そして、出来ることなら、自分も周りもみな、しあわせにすごせますように。

『秋の花』"AUTUMN FLOWER" by Kitamura Kaoru 北村薫(創元推理文庫)(SŌGEN_SUIRI_BUNKO) 読了

秋の花 - 北村薫|東京創元社

https://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_l/41303.jpgビッグコミック連載終了『前科者』最終回に出てくる本。わりとしつこく出ます。なんでかは知りません。読んでもピンとこなかった。

カバーイラスト●高野文子

カバーデザイン●小倉敏夫

巻頭に秋海棠(しゅうかいどう)のカラーページ。表紙にも秋海棠。

解説は北村暁子という人。肩書がないので、誰ならと思いましたが、検索すると、新潮社の名編集者で北村薫サンとタッグを組んでたくさんの本を出している人だそうです。

北村薫さん×佐藤夕子さん×北村暁子さん『水 本の小説』特別鼎談 | COTOGOTOBOOKS

2023年2月時点(たぶん)

新潮社の北村暁子さんは、長年に渡って北村薫さんの編集担当を務めていらっしゃいます。お二人で作った本は16冊を超えているそうです。

2008年代 26 | 森村誠一公式サイト

このどれかが北村暁子サン(と北村薫サン)です。右端かなと思いましたが、さてどうでしょうか。

本書は「円紫さんと私」シリーズの三冊目だそうで、解説によると初の長編だそうです。①『空飛ぶ馬』②『夜の蝉』③本書④『六の宮の姫君』だそうで、解説者オヌヌメの読み方は、最初から順に読み、さらにもう一度最初から読み、出てくる本も読んでみるやりかただそうです。そうであれば、三冊目からいきなり読んだ私は邪道。

シリーズ:円紫さんと私シリーズでの検索結果|東京創元社

で、その後も⑤『朝霞』⑥『太宰治の辞書』と続きます。表紙は一作目以外一作目からすべて『ラッキー嬢ちゃんの新しい生活』高野文子で、さいごの巻の表紙だけ、あからさまにタッチが変わるので面喰らいました。新聞のひとコマまんがかと思った。

1997年2月初版。読んだのは1998年3月の6刷、否、6版。別に改訂して改版してるわけではないです。「版」と「刷」の使い方は、出版業界のジャーゴンで、おかしいのかもしれません。王様は裸だ。

絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を苛酷な運命が待ち受けていた。ひとりが召され、ひとりは抜け殻と化したように憔悴の度を加えていく。文化祭準備中の事故と処理された女子高生の墜落死親友を喪った傷心の利恵を案じ、ふたりの先輩である《私≫は事件の核心に迫ろうとするが、疑心暗鬼を生ずるばかり。考えあぐねて円紫さんに打ち明けた日、利恵がいなくなった・・・・・・

カバー裏のあらすじ。円紫さんは落語家で、名探偵です。主人公は女子高出身の女子大生で、さいたま在住。都内の大学に通っていて、親友は神奈川から同じ大学に通っています。「こういう、下宿生より自宅生のほうが就職有利な女子の状況を背景にした設定、東京を舞台にしながら地方出身下宿女子学生が出て来ない小説はけしからん」という声はいっこもないと思います、たぶん。『前科者』最終回は、女子読書会の親友が毒親に海外売春に売り飛ばされたかもしれない含みのあるオチでしたので、友情が引き裂かれて?悲劇に陥る小説が繰り返し登場するのがメタファーだとしたら、悪い冗談だと思いました。悪い悪い。あなたこころ悪い。神さまは見ていますよ(うそ)

中表紙に何故か『陛下』久世光彦サンの推薦文。

レギュラーとして登場する人物たちが、可愛く、賢く、生きることに誠実で、かと言って悪戯っ気とか好奇心もちゃんと持ち合わせていないわけではなく、それどころか、人一倍わがままだったり、人並みの劣等感だってこっそりポケットに隠している――そうした微笑ましい人々が、日常の中の不思議にこだわり、その謎を追う推理小説は、この「秋の花」以前にもなかったわけではないが、読みながら一度本を伏せ、しばらくの間、ここ まで歩いてきた自分の人生の日々について考えたり、ずっと昔にほんの小さな関わりを持った人をふと思い出したりする ―――そんな推理小説はなかったと思う。いくら思い出してみても、なかったと思う。
久世光彦

頁26の曲、「アルビノーニアダージョ」J.A.トレンツィーティ「ガヴォット」「ブルガリアン・ヴォイス」を検索しましたが、合ってるか知りません。

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本書に出てくる本のうち、フローベール『聖ジュリヤン伝』だけは面白そうなので読んでみようかと思いました。以前、江國香織サン『神様のボート』*1を読んだ時、出てくる『隊商』*2という話に興味が湧き、読んでみたら面白かったので、これもそんな予感がして。

調べると、主人公が幼少期読んだ本は、アルスの日本児童文庫31のようで、1982年の復刻版が日本の古本屋で手頃な値段で買えそうなのですが、この話自体は光文社古典新訳文庫から最新の訳が出ていて、さてどっちを読んだもんだか、うれしいなやみがあります。

西洋少年少女小説集 (日本児童文庫 ; 31) | NDLサーチ | 国立国会図書館

頁34に出てくる「タックパンツ」が分からず(キュロットスカートじゃないのか等)検索しましたが、1998年当時の形とは違う気瓦斯。

主人公は大学の体育で何かとらないと卒業出来ないのでトランポリンをとります(頁118)が、悪友たちはレスリングをとれと冷やかします。私も主人公はレスリングをとればよかったのにと思う。

頁181、「『野菊の墓』『火垂るの墓』『イワンの馬鹿』」というだじゃれが出ます。私ならその後趙立堅バッカーと続けます。

b.hatena.ne.jp

頁188

(略)ところで、精神的打撃に対する最大の薬は、破格の大金を手にして連日使いまくることだ、といったのは菊池寛である。一理ある。

買い物依存(ボソッ totoBIG当たらないかな。

頁232の落語「御神酒徳利」も検索しました。

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誰が上げてるのか分からない名人のでなく、ご本人があげてるであろうサイトを選んでます。だいたい。

頁216、頁221の和歌も知らないので検索しました。

dictionary.sanseido-publ.co.jp

秋海棠がじゅうような役割を果たすことはおぼろげながら予測がついたので、その辺を歩いて、これかと思ったので写真を撮りました。

したっけ、これは秋海棠でない、スミレですぅとの声があり、こんなデカい葉の菫があるかと憤死しそうになりましたが、検索するとすみれでした。

ja.wikipedia.org

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まさかこんなデカいすみれがあるとは。しかも勝手に自生してるとは。北米原産とユーラシア大陸西からアフリカのとあって、どっちか分かりませんが、座間キャンプとは関係ないと思います。

es.wikipedia.org

で、シュウカイドウはベゴニアの仲間だそうで、ベゴニアだったらこの小説にはならなかった。

ネタバレですが、秋海棠は別名断腸花というそうで、N・カフーの断腸亭日常を誰もが連想すると思いますが、私は実は断腸と聞くとダンチョネ節を連想します。さようなら断腸ね。

ダンチョネ節 - Wikipedia

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許せない、許さなくても、救うことは出来る。親だから、そう思う。というネタバレで、本書の半世紀後の現代は非婚時代で、親ではないけどそういう心づもり、が求められるんでしょうけれど、これがなかなか、と思いました。以上

『砂漠の教室 イスラエル通信』藤本和子(河出文庫)"CLASSROOM IN THE DESERT. -NEWS FROM ISRAEL-" by FUJIMOTO KAZUKO(KAWADE BUNKO)الفصول الدراسية الصحراوية أخبار إسرائيل فوجيموتو كازوكو كاوادي بونكو כיתת מדבר חדשות ישראל פוג'ימוטו קאזוקו קאוואדה בונקו

砂漠…כיתת…صحراء…מדבר

教室…מדבר…قاعة الدراسة…קלאַסצימער

イスラエル…ישראל…إسرائيل…ישראל

通信…חדשות…تواصل…קאָמוניקאַציע

藤本…פוג'ימוטו…فوجيموتو…פודזשימאָטאָ

和子…קאזוקו…كازوكو…קאַזוקאָ

河出文庫…קאוואדה בונקו…كاوادي بونكو…קאַוואַדע בונקאָ

日本語…イディッシュ語アラビア語ヘブライ語(すべてグーグル翻訳)

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カバーデザイン◎アルビレオ カバー装画◎qp カバーフォーマット◎佐々木暁 解説は平松洋子 1978年11月同社刊単行本を2023年6月復刻文庫化 協力 鶴見太郎東京大学大学院総合文化研究科准教授)

特にまえがきあとがきのようなものはなし。パレスチナ人作家カナファーニーサンの『ハイファに戻って/太陽の男たち』*1は2017年の復刻文庫の解説を師岡カリーマ・エルサムニーサンが書いていて、しかし1978年の初版を見ると大江健三郎サンが解説を書いています。パレスチナ支援の邦人活動家が大江さん司会のアジア連帯のシンポジウムに現れ、エジプト人参加者を攻撃して退場させ、そうするとパレスチナ人参加者は「アラブは一つです」と言って彼もまた退場し、結果シンポジウムは完膚なきまでに粉砕されたとか。大江さんは自身も心を折られた恨み言で全文埋め尽くしてました。ので、本書も単行本だとまったく趣の異なる解説がついてたりしないかなと検索して、国会図書館デジタルアーカイブがあったので見ようと思いましたが、やりかたがよく分からず、挫折しました。

『ペルーからきた私の娘』*2を読み、この人の他の本も読もうと思って読みました。

藤本和子 - Wikipedia

この人のウィキペディアは日本語の他に英語、イボ語、アラビア語、エジプトアラビア語があります。ヘブライ語イディッシュ語もなし。北米黒人女性のライフヒストリーの聞き手として有名な人なのでナイジェリア三大言語のひとつイボ語があるのは分かるのですが、夫が米国ユダヤ人で自身も本書でイスラエル留学してるくらいなのにヘブライ語ウィキペディアがなく、都知事やフィフィサンや師岡カリーマ・エルサムニーサンや吉村作治サンのお子さんと同じエジプトアラビア語ウィキペディアがある意味がさっぱり分かりませんでした。シリン・ネザマフィサンやサヘル・ローズサンやダルビッシュ有サンのペルシャ語ウィキペディアがないのはまあ、分かります。

本書を読んで思うのは、やはり歴史はだんだんに動いてゆくのだなということです。選民思想ユダヤ人もそうとうにそうとうな人々ですが、アラブ人もかなりたいがいなのは、同じ時代に書かれたホンカツ『アラビア遊牧民』を読んでも分かること。徐々に徐々に、フリクションの蓄積が熱を帯び、何度発火しても燃え尽きるということがないほど昂っていった。

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q.hatena.ne.jp

カタールリーグでプレーする谷口彰悟選手が「アラブ人は親切」って言ってたと思うのですが、それも真実だろうし、ホンカツが出会ったような、二度と会う可能性のない相手に対するムチャクチャなやりくちもまた真実。そして、本書に書かれる多重なイスラエルユダヤ人社会。本書にはアシュケナジーとセファルディの分解能はなく、イディッシュ語とスラブ圏出身者の分解能もないのですが、彼ら「ヨーロッパ系ユダヤ人」がオスマン・トルコ(本書ではオットマン・トルコと表記)勢力圏や中東ほかの「有色人種ユダヤ人」に向けるまなざしについては、具体的に記述を避けてるがゆえに、逆にくっきりと浮かび上がってくるように思われます。イディッシュ語ヘブライ文字で書かれることも知らない私にとっては、非常に面白かったです。下記イスラエル大使館とアメリカ大使館それぞれのユダヤ人紹介コラムを読むと、北米ユダヤ人とイスラエルユダヤ人の違いは、ずっとレバントに住み続けてディアスポラを経験しなかったユダヤ人の有無、信仰以外ほとんど道徳観念がアラブと同化したユダヤ人の比率のように思えます。

駐日イスラエル大使館 国民 ユダヤ人社会

https://embassies.gov.il/tokyo/AboutIsrael/People/Pages/%E3%83%A6%E3%83%80%E3%83%A4%E4%BA%BA%E7%A4%BE%E4%BC%9A.aspx

多様性に富むアメリカのユダヤ人コミュニティー 在日アメリカ大使館公式マガジン

https://amview.japan.usembassy.gov/diversity-has-long-defined-americas-jewish-community/

あれだけ何度も中東戦争でぶつかりあって、お互いがお互いをいつか一掃しようと心の中で決めているのに、エルサレムの旧市街に行くとアラブ人商店の店舗がずらりと並ぶ光景は、今でもあるのかないのか。パキスタンのヒンディー教徒コミュニティが数十年越しの圧迫で徐々に徐々に消滅に向かっていくのと、同じことが起こっているのかどうか。

頁30

(略)右派と呼ばれる支持グループは、たとえばヒットラーのドイツとアラブの反感を同質のものとして議論する。わたしにとっては現在アラブは巨大な闇として立ちあらわれていて、とても第三世界云々という図式では身動きできない感じだ。日本人であるところのわたしが持ち合わせの気持や観念をアラブ人の世界に投影してみたところで、そこから理解が生まれるとはとても思えない。(略)

(略)イスラエルユダヤ人の人口の六〇パーセント以上は有色のいわゆる東方系オリエンタルで、だから白人のヨーロッパ系のユダヤ人は四〇パーセント以下であるわけだ。イスラエルユダヤ人たちは積極的にアジアの経験から学ばなければだめなのではないかとわたしは思う。(以下略)

藤本サンとパートナーの「砂漠の教室」は学費が高いので、イスラエルユダヤ人の貧困層、モロッコ系などは通うことが出来ず、逆に宿舎のコックはイエメン系で、給仕がモロッコ系のユダヤ人だったそうです。その彼らが、東欧系の好きなメニュー、シュニッツェルなどを作り、藤本さんはそのあまりのまずさに閉口する。ほかに、インド系ユダヤ人の男性と米国ユダヤ人のカップルなども出ます。インドのユダヤ人といえば、私の好きなパキスタンの作家マントーの小説にも『モーゼール』という佳品があります。今読み返しても、よかった。『黒いシャルワール』所収。

黒いシャルワール|アジアの現代文芸の翻訳出版|翻訳出版|事業紹介 | 公益財団法人大同生命国際文化基金

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中国にいるとパレスチナ関連のニュースを見ない日はなく、中国はパレスチナに寄り添っているのかなといっしゅん思いますが、別にイスラエルとも仲が悪いわけではなく、ウイグルをやると必ず出てくる生体臓器移植ねたなんかでは、深い関係にあると思ってます。しかしそれはそれとして、「中国のユダヤ人」に関していうと、中国政府の公式見解では彼らは中世にイスラム教徒に吸収されて消えたことになっており、現代でも生き残ってイスラエルからユダヤ人コミュニティ認定される開封一画の住人などは非常にセンシティヴな問題になるようで、下記の本の著者は中国公安から尾行されたりやんわりなんかされたりします。それも書いてた、たしか。

www.jimbunshoin.co.jp

頁62

 アブラハム・ヘシェルは「安息日」を時間の城にたとえた。ユダヤ人は神殿ももたず、礼拝のためだけの教会というものももたず、偶像を置く城ももたない。彼らは時間の中に城を構築する、という。空間に聖域を設けるかわりに、時間に聖域を設けると。時間は構造を与えられ、識別され、区別される。時間は実体となり、ユダヤ人はある一つの構造をもつ時間から、異なる構造をもつ時間へと歩み入る。そこを立ち去るときがくれば立ち去るが、彼らはそこをふたたび訪れることができることを知っている。

シナゴーグは礼拝場やないんかいというツッコミが… ②ラマダンやカドルの夜(いつ起こったことか人間が特定することは出来ない、アッラーマホメットに啓示を与えた夜)のあるイスラム教もそういう時間の捉え方をしてるのではというツッコミ。

頁63

(略)ヘブライ語では月、火、水というような週日の呼び名はなくて、第一日、第二日というふうにいう。

これ、中国語やんと思いました。星期一,星期二。或者说,日拜一,日拜二。ただし中国も安息日ユダヤ教イスラム教の金曜日に置かず、日曜日が休日です。日曜日だけ数字で呼ばず、星期という。一週間と曜日に関する考え方なんて東アジアにはなかったはずなので、中国が西欧の曜日概念を輸入したことは間違いないのですが、ギリシャローマの神話に由来するサンデーマンデーチューズデーでなく数字のヘブライ語を漢訳したのかどうか、まめちしきがあれば知りたいです。

www.youtube.com

頁136からの『オリエントの舌―ハイファの台所』にはレシピが多数載っており、すばらしいです。サラダが多く、セクシー田中さんに出てくるイラン料理フェセンジュンのように「味の正解が分からないけど」ということはなさげ。「カミン」と書いてあるのはたぶんクミン。所謂中東、レバントの料理はパクス・オトマニカ*3というか、オスマン・トルコ下の平和でマグレブからインド亜大陸まで縦横無尽に広がったので、どこに行ってもフムス、どこに行ってもピタパン、フランスに行ってもクスクス、ブラジルに行ってもキベ(キビ)という感じなのを、藤本サンが全身で理解してゆくくだり。

数日前の弁当。ブラジルのキビ(もともとはレバノン移民が持ち込んだフスマの揚げ物。行田名物オカラの素揚げ、ゼリーフライも同じルーツだったら抱腹絶倒なのですが、そういうことはなさそう)を割って、ブラジルではレモンをしぼってかけて食べるそうで、レモンはもったいないので常備のポッカをかけました。大和の韓国惣菜店で買ったチャンジャと海苔キムチ、昆布とどんこと生姜の炒り煮、胡瓜のぬか漬け、春雨の中華風炒め、ミニかぼちゃのタイタン*4が入ってます。

料理のあいまに、ジェリコのおいしいロースト・チキンのお店のアラブ人店主が娘をミッションスクールに入れて自慢する話なんかが挟まれます。70年代のこうした風景は、その後どうなったのか。

頁147

(略)やはりアラブ人の多くは非熟練労働に従事していることが多い。その理由として、あるアラブ人は、貧しさだけでなく、アラブ人が兵役につけないことをあげていた。アラブ人が兵役につけるようになれば、兵役期間に受けられるさまざまな訓練の一部が職業訓練となって役に立つことだろうと。イスラエルユダヤ人はアラブ人を兵役につければ危険だと考えているから徴兵しないわけだが、われわれイスラエルに住むアラブ人がイスラエルを相手にとって反逆するつもりなら、もうとっくにしていたはずだ。反対に、われわれがこんなにおとなしく暮してきたことを考えて、兵役の点でも平等にあつかうようにすることが、イスラエルのためになるはずだと。

上では「アラブ人」といっしょくたですが、回教徒でない、マロン派キリスト教徒のアラブ人はその限りではなかったんじゃなかったっけ、と思いつつ読むと、頁177、「回教の異端派ともいうべき神秘主義の秘教のアラブ人」である「ドルーズ」が登場し、彼らは独立戦争の時はアラブ側を敵に回してイスラエルの兵士として戦った、とありました。

ja.wikipedia.org

ウィキペディアを見ると、ドゥルーズコーランは使わないわラマダンはしないわメッカを聖地とみなさないわで、これがイスラム教なわけないと思いました。これがイスラム教なら、ものみの塔モルモン教もつるこ教もキリスト教ですわ。

ウィキペディア

イスラエル多数派のユダヤ人と「血の盟約」を結び、ドゥルーズ派の男性はイスラム教徒やキリスト教徒のアラブ人とは異なりイスラエル国防軍における兵役義務がある。

私は以前読んだ本から、マロン派キリスト教徒は兵役などおkと思っていたのですが、レバノンのマロン派キリスト教徒が対ヒズボラからイスラエルに友好的なだけで、イスラエルのマロン派には兵役の義務はないとか。う~ん。で、ドゥルーズは兵役義務がある。

ja.wikipedia.org

イスラエル国防軍ウィキペディアを見ると、回教徒のアラブ人の中でも、遊牧民ベドウィンは兵役おkだそうなので、どうしても兵隊になりたければ都市商業民の立場を捨ててベドウィンになる手もあるのかしらと思いました。あと、コーカサス少数民族チュルケス人もイスラエル国防軍の兵役義務があるそうですが、そこは調べません。おなかいっぱいこっぱいなので。

ここでYouTubeにやたら出てくるUNICEFのガザ人道危機動画広告の魚拓を貼ろうと思ったのですが、この読書感想をあげてから、ぱったり出なくなりました。すごいなAI。

b.hatena.ne.jp

代わりにこれを。報道官というのはみんな似てくるのか、耿爽サンや趙リッケンバッカーサンにもチョット似てるダニエル・ハガリサン*5ハマスは思想だと言ってますが、下のニュースでハマス指導者の手術を執刀して命を助け、甥を報復テロで失ったユダヤ人医師のコメントの方が正鵠を射てます。ハマス人道支援を支配しているので、人口の半分以上が失業状態で人道支援に頼って生活しているガザで(そして乳幼児の死亡率が高いからか多産で人口は爆発に次ぐ爆発)誰が人道支援の首根っこを押さえてる暴力組織に逆らえようかという。

www.cnn.co.jp

「時間の城」などの概念を紹介してくれた藤本さんが一転、これ以上ないほど痛烈に批判してるのがサルトルです。

頁206

(略)彼の進歩的なペンは、反ユダヤ主義がなくなれば、ユダヤ人もいなくなる、と書いていた。これほど反ユダヤ的な立場を、わたしは知らない。(略)

 サルトルのことなど、ほんとうはどうでもいいのに長々と書いたのは、サルトルの発想の出発点の誤りが、なにも彼一人に限ったものではないと思うからだ。ユダヤ人とはユダヤ人問題だと考えてすませる傲慢と不幸は、わたしたちだって豊富にもちあわせている。(朝鮮人というと、「朝鮮人問題」のことだと考えて平然としているのは、わたしたちだ。)

これはそのまま、「パレスチナ人」とは「パレスチナ問題」のことだと考えてその一線を越えようとしない現代人への痛烈な批判でもあるでしょう。人道危機ならピ-スボートを接岸してひとりでも多くの犠牲者を救えばいいのに。今すぐ行って。立ち止まるなら、もともと悲惨自慢に関しては雄弁な人たちにフルスペックでその能力を発揮する機会を与え続けて笑いもしないイスラエルの異常さが、一朝一夕にしてでなく長い時間をかけて形成されたものであることを、少し台所感覚でいいので実感すべきと思います。

藤本サンは「なぜヘブライ語だったのか」というところで、森崎和江サンの朝鮮に関しての文章をずいぶん引き合いに出しています。インド系ユダヤ人「ヨセフの娘たち」のところでも出しています。「ヨセフの娘たち」では、自身の妊活、不妊治療、手術、おそらくは手術失敗でよけいひどいことになったことを、淡々と書いています。淡々と、とりかえしがつかないことを書く。解説の平松洋子さんは、このくだりを「唐突」と言ってますが、おそらくそれはフォローです。世の中には、声高に情宣したりアジテーションするのでなく、トピック、サマリをヒドゥン、隠して配置しておくことを好む人がいるものです。書かないわけではない、だが、お作法として、アピールすることなく、静かに記しておきたい。

藤本サンが引き合いに出す森崎和江さんは半島からの引き揚げ者なので、当事者として朝鮮に向き合う必然性があるわけですが、藤本さんのイスラエルは、配偶者との絡みでやってることです。ちがう。『イリノイ遠景近景』はまだ読んでないのですが、配偶者としてユダヤ教徒に改宗してはいないんじゃいかな(改宗は可能です。近年どんどんそこはブラッシュアップされて洗練されて来てるはず)米国に戻ってから黒人女性への聞き書きをライフワークとするわけですが、それもまた「他者の声」です。エスニシティーはイシューではないと本書で書いた藤本さんの旅路が、どうやってそこに着地したのか、声高に語る人ではないので、読むほうも注意深くあらねばと思います。

本書でも、頁197で、津野海太郎サンらと一緒に組んでやった仕事時代にも触れています。頁210で、タイの路線バスの、筒のようなものをもった少年車掌が出たり(私もハジャイからコ・タルタオという島に行く時に乗ったバスでこのシステムに遭遇しました)香港郊外のバラックの京劇小屋で京劇を見た思い出を語ります。筒をシャカシャカ振る音、それが京劇でなく越劇であっても昆劇であっても藤本サンには分からなかっただろうなという(川劇なら変面があるので分かる、かも)チャイニーズ・オペラの歌と楽器。朝鮮とヘブライについて語る中で、重層的に響き合う各地の音。なぜその両者なのかを語る連結点は言語でなく、音。

米国ユダヤ人と結婚した文筆業者といえば、『すぎ越しの祭り』の米谷ふみ子さん*6もそうです。彼女はイスラエルに行ったりはしませんでしたが。チャン・ツィイー章子怡*7も米国ユダヤ人と結婚しましたが、離婚したはず。逆に、ユダヤ娘で中国系と結婚し、中国人は夫婦別姓なのに強引に宿六の《鐘》姓を名乗った『飛ぶのがこわい』のエリカ・ジョングサン"Erica Jong"(父親がポーランドユダヤ人)*8なんて人もいて。頁173には、ガザに建設中のユダヤ人の人工都市も出ますし、「この占領地区が合法的に国際的にイスラエル領となる日がくるのかもしれない。じゅうぶんにありうることだ」とも書いています。これは流石に産油国がズラリとつらなるガルフを擁するアラブ世界をなめすぎで、実現してません。で、藤本さんは、1948年の建国よりむかし、第二次世界大戦前に、バルフォア宣言があってもなくても、シオンの地に領土を築こうと世界各地から集合したユダヤ人たちからうねりが始まっていたことにも触れています。アブラハム・イェホシュア*9サンという小説家の『森に向かって』という小説も紹介していて、それによると(もともとは入植のために)アラブ人の村が破壊され、「ユダヤ人国家建設基金」で植林され、森になるのですが、アラブ人はときどきそこにやってきて放火し、森林火災を起こします。主人公はユダヤ人大学生の森林防火警備員。アラブ人の村も何百年もそこにあったわけでなく、1882年パレスチナアラブ人人口26万以下、1914年には二倍に、1931年には84万人と急激に膨張した結果のもので、シオニスト運動による好景気をアテにして出来たことは明らかで、それは一夜にして難民になる。(人口がその後も膨張したことは、今のガザが三百万だなんだと言ってるのでよく分かります)救済ではなく、燃やしてしまいたい衝動への共感がそこにはありました。私は実はここを、森を燃やしたいのではなく、アラブ村の幻影を燃やしたいのかと誤読してしまいました。これを書きながら自分のミスリードにきがついた。

www.kawade.co.jp

イエホシュアサンの邦訳にはその話は入っていないようです。入っていても、それは藤本サンの意思とダイレクトにつながっているのかどうか。以上

雨の夏至です

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人形シリーズ 南町田編

今朝も、お湯を沸かして、ストレッチして、お茶をあげました。もう雨がぱらつく音がします。トイレ一回。ねこはそとに出て、また中へ。平熱。

職場では家族にコロナに罹った人がいますが、もう五類なので、本人は元気に出勤してきています。昨日は、ラジオ体操しました。切れたくつひもの替えを買いました。ビッグコミックオリジナルも買った。眠くてもう八時半にはバタンキューです。

SC相模原戸田監督解任はよく分かりません。SC相模原じたいよく分かりませんが。

b.hatena.ne.jp

ミニストップ閉店相次ぐそうで、まいばすけっとがどんどん出店しているので、入れ替わりなのかなとも思います。大和にも相武台前にもまいばすけっとが出来た。ただ、まいばすけっとはATMがなく、イオンのATMはTOKYO2020オフィシャルスポンサー銀行の手数料が無料なので、ATMがあるミニストップはその点だけで大切です。ほかの人はハロハロの有無がたいせつのようですが。

b.hatena.ne.jp

ヤフコメのAI要約は、百や二百であってもお互い相反する百家争鳴なコメントを要約出来るわけがないので、非常に抽象的な文章にならざるを得ず、いらないです。「~に関する深い洞察が話題」とか、何も言ってない。

Cơm sườn nướng
Grilled rib pork with sunny egg and broken rice
豚肉ごはん

なんだか知りませんが、スープつき。

豚肉の甘辛ダレ漬け焼き。左は、自家製ソーセージだそうで、ベトナム料理店でよく見るのは鶏むね肉のハムですが、これはタイのイサーンのチョリソーみたいな感じ。こんなのもあるんですね。

スープ。そうめんとねぎかな。

このつけあわせの大根を、暑いベトナムで四季収穫するってのはどういうことなのか聞きました。小さい品種を短期間で栽培するそうで。時間が経つとどうしても作物の病気のリスクがあるので、なるほどという。

完食。

さて。

今日も、明日も、穏やかに、静かに、落ち着いて、平和に。そして、出来ることなら、自分も周りもみな、しあわせにすごせますように。

『蝶々雲』"Humilis" by Ashihara Hinako 芦原妃名子(Betsukomiフラワーコミックス)読了

この人のほかの作品も読んでみようと思ったのですが、電子版でぜんぶ読めるわりに、とにかく紙版は出物がなくて、しかしそれはこの人が話題になって払底したわけでもなく、ただたんに少女漫画の紙の中古がないってことだと思いました。それで、めずらしくこの本がブッコフで安定的に入手出来る状態なので、読みました。

めずらしくこのマンガはアマゾンに三つついてるレビューのうち二つが☆一つという低評価で、だから放出されてるんだろうかとも思いました。低評価の理由は作品の質とは無関係です。

www.shogakukan.co.jp

2006年12月初版。読んだのは翌年2月2刷。Cover disign/大塚幸司 作品担当者/山縣裕児 単行本編集責任者/前田彰 単行本編集者/本間千恵、田中貴子(A-ark)この頃から小学館は編集者を明記してたんですね。その性別が現代ではより読者に寄り添うようになった気もしますが、これ見ただけで、別に統計採ったわけでなし。

定価¥390税別がブッコフで¥108の値札をつけられ、私は¥330税込で買いました。

●表題作紹介 瀬戸内せとうちに浮かぶ過疎かその進んだ小さな島。そこで暮らす清きよ、完太かんた、ゴマは同い年の仲良し三人組。そんなある日、東京から転校生がやって来る。色白でかわいいその女の子・六花りつかは、いつしか三人と一緒に行動を共にするようになるのだが・・・!? 読者待望!! 芦原妃名子の センシティブ・ワールドが単行本化!! ●収録作品/蝶々雲/中学1ねんせい /中学2ねんせい/中学3ねんせい

カバー裏のあらすじ。下のウィキペディアにも各話あらすじと初出が載ってます。表紙は左から六花、カンタ、キヨで、裏表紙にゴマがいます。

蝶々雲 - Wikipedia

表題作のタイトル「蝶々雲」は積雲の一種で、漁師の間では強風の兆しとされてると頁18にあり、英語ではなんというのか検索したら、まず、夏井いつきサンの名を冠していながら夏井さんは一切関与していないという、日外アソシエーツの『俳句季語よみかた辞典』をそのまま引用した朝日出版社のサイトが出て、それによると、の季語だそうで、マンガはのお話ですので、そうやって間違っては頭をコツンと叩いたりして生きてきて、少々のことではビクともしない強靭な精神力を身に着けてきたんだろうなと思いました。それが死ぬってのはよっぽどのこと。

ouchidehaiku.com

積雲をウィキペディアで出して、そこに出てくる雲の写真のうち、扁平雲がいちばん蝶々雲に似てたので、それの英語名を書こうと思いましたが、英語版がなく、オランダ語版にも採用されてる、ラテン語の学術名を書きました。

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org

左はカバー折の既出単行本一覧。1994年デビューということですが、ほんとにずっと一線を走って来た作家さんだったんですね。2007年時点で、これだけ積み重ねがある。最初のドラマ化作品『砂時計』は公式ファンブックもイラスト集も刊行されてて、次のドラマ化作品『Piece』の連載もスタート。

こういう人は、こわいですよ。今。何故かというと、その時代その時代で、多感な時期の少女たちに寄り添って支持され、それが彼女たちに一生残ってるから。親族で三十年以上教員生活を送って、最後は在職中に突然死した人がいるのですが、葬儀に訪れた教え子の参列者の数がすごかった。歴代の教え子たちが三々五々連絡をとりあって、やってくる。孫がいるような年の人から、つい最近卒業した子たちまで。

芦原サンも三十年弱現役はってたわけですので、その間読み手だった人たちの層の厚さはそれなりで、そういう人を軽はずみにそこまで追い込んだってのは、だいぶ後まで残ると思います。忘れてくれない。

頁23と頁165に、初出時の広告スペースを埋めるための著者口上があります。左はP165のほう。日本の少女まんが独特の慣習です。たぶん少年マンガは、読者もありがたがらないし、書く方も面倒なので定着しなかった。すべてではないでしょうが、ある種の女の子にとって少女まんががどういうふうに付き合っていたものかがよく分かります。

編集がなかなかこういうオチを描かせてくれなかったとあり、①さすが小学館と思いました。コントロールする。ここからは、紡木たく矢沢あいさくらももこも出て来ない(さくらももこは移籍しましたが)②こういうオチを描きたい人なのかと、こういうオチを絶えず我慢しながら読者が元気の出るようなオチの話を長年描き続けてきたのかと。ほんとうに少女まんがの絵柄はどれも同じように見えるのですが、そうした量産まんがの描き手の何割が、ほんとは岡崎京子みたいのもやってみたいという気持ちを押さえつけながら描いてるのか。すごい世界だなあとしか。

純愛上等コミック!! MONTHLY ベツコミBetsucomi 毎月13日ごろ発売!! Betsucomiホームページアドレス

カバー折下の掲載誌告知。キリストが磔になった日に毎月刊行されることに陰謀論的な意味はありません。たぶん。別冊少女コミックだから別コミで、それがアルファベットになって、今でもアルファベットみたいです。セクシー田中さんのプチコミはまた別らしい。別冊マーガレットが別マで、ほかは知らない。

表題作はその別コミに2002年9月号初出。頁23によると、ほかの作家さんとのアンソロジーや別雑誌への再録で、単行本化の機会を逸していた作品だったそうです。しかし出世作『砂時計』の元になった作品だそうので、出版社も見逃すはずがなく。

個人的には次の『中学1ねんせい -恋未満-』の頁90、見開きでガラガラガラガラガラガラがいちばんツボでした。絵が同じなら別の表現力で勝負しないといけない、創意工夫のパワーを見せつけられた気がする。てゆーかこの人集中線多いですよね。少女まんがってこんなに多かったかどうか。力強い、のかなあ。なぜか分かりませんが、小学館に持ち込む人は、筆圧の強いまじめな人が多い気瓦斯。背筋力もあるような。デラックス別コミ、略してデラコミに2002年2月掲載。

その次の『中学2ねんせい -男嫌い-』は男性が読んじゃいけない作品な気がしました。オデコを出したツインテで胸の谷間のある身長163cmバスト88cmヒップ89cmのJCがなぜか電車通勤で、かなりの確率で痴漢に遭い、同級生男子が捕まえてやろうと同じ車両に乗ってウォッチしてると、援交おやじが來るわ自分がまちがって捕まえられるわといろいろで、体育館の用具室でマットの上にミニスカのJC押し倒してしまうし、最後は痴漢の顔にJCが虹色のゲロをぶちまけまくるという、ある意味痴漢がうれしがってしまうようなオチで、私はゲロAV見たことないのですが、卯月妙子の実録企画ものが出版されたのは本作の二年前ですので、読んだのかなあという。2002年4月デラコミ掲載。

左はカバーをとった表紙の一部。
さいごの『中学3ねんせい -サクラチル-』は、故障でバスケをあきらめて教職に進んだ男性から見た中学三年生ですので、いちばんおさなく、デフォルメされた絵柄多用で描かれます。頁182など、ほんとうに日本の女子は猫背が多いと思いました。別コミ2003年2月掲載。

カバーをとった表紙(一部)私はこの人が2014年にビッグコミックオリジナルに発表したという短編をまったく覚えておらず、ビッグコミックオリジナル読んでるのに、なんでだろうなあです。読んでみるとそれほどでもだったのかもしれませんが。少女まんがって、少年まんがより幅がない中で、みんな競争で趣向をこらすわけですので、ほんと大変だなあと、今回改めて思いました。恋愛以外だと、ファンタジーくらいしか選択肢がない気瓦斯。ヤンキーまんがやスポーツ、部活ものもそれなりにあるんでしょうが、特異点の集積にしか見えない。以上

雨があがって、来週はぐずつくとか

人形シリーズ 南町田編 ゼルビー

今朝も、お湯を沸かして、ストレッチして、お茶をあげました。コーヒー一杯、ハゲ茶一杯。ねこはそとに出て、また中へ。足拭きました。トイレ一回。平熱。

松の葉に張った蜘蛛の巣。けっこうどこの畑にも水が貯まっているようで、どうなりますか。叩きつけるような豪雨でなかったのは、よかった。

ほかの人のブログを見ていて、今いちばん観点がちがうポイントは、イスラエル、ガザかなと思います。私は別にイスラエルびいきじゃないですが(むしろヘキエキしていた)観念的なガザびいきでハマスを見ないのは、どうかと思う。キブツ育ちのイスラエル人に、キブツパレスチナ人から土地を奪って入植したわけでしょ、と言うと、" I know,  but I've grown up at kibbutz. " と、心なしか悲しそうな顔でぼそっと言っていた中国での出来事は、今でも覚えています。理解されなくてもいいと考える人たち。

ドリンクバーの炭酸水とヒーコ。

O.J.追加。

パーティー気分を盛り上げるための花火が到着しましたが、火をつけるのはよしにしてもらいました。

冷めた肉を温める石。石の追加は有料だとか。そんな習慣があるとは知りませんでした。

たしか6/16もしくは6/14まででしたか、500gステーキ。ステーキもさることながら、玉ねぎやヤングコーンの量が多い。

六種類のソース。

芳醇濃厚デミグラスソース / 和風おろしソース / ガーリックレモン醤油ソース / トマトソース / 醤油ソース

チーズフォンデュ用のチーズ。

なぜか単品で追加したエビフライタルタルソース。

持参のパクチーと鷹の爪を振る。

トッピングの目玉焼きを載せて、さらにタバスコを振る。

肉を切って拡大。ミディアムレア。でも焼き方の指定は聞かれませんでした。

頑張って食べる。

野菜が少し残りました。よく考えたら弁当が入ってたタッパを持ってたので、サラダバーなどではないわけだし、詰めて帰ればよかった。

残った野菜拡大。こんだけ食べて自腹は¥54でした。あとは職場の福利厚生ポイントをすかいらーくチェーンのそれに代えて払った。

・上戸田店・鶴ヶ島店ではセットの内容が異なります。 どーんと1ポンド!!!!!! REDステーキ \\300℃の灼熱のグリルで納き上げた丸ごと赤身の美味しさ!// ・上戸田店・鶴ヶ島店ではセットの内容が異なります。 どーんと1ポンド!!!!!! 芳醇濃厚デミグラスソース 和風おろしソース ガーリックレモン醤油ソース トマトソース 醤油ソース 6つのソースでステーキをアレンジして楽しもう! 丸ごと赤身の美味しさ REDレッドステーキ 約500g
REDステーキ 美味しさPOINT ☝赤身特有のしっかり食感 ☝噛むたび広がる香りと旨み ☝豊富なタンパク質で栄養満点 \\みんなでシェアして楽しもう!!// とろとろ チーズ ソース 肉や野菜を チーズにからめて フォンデュ風に 上記メニューはフルセットがお得に付けられます ●デザート・トッピング・ドリンク お持ち帰りはお断りいたし はセットのご注文はできません。●サラダバーの内容は季節や店舗によって異なる場合がございます。●サラダバーのご利用は3時間までとさせていただきます。 ●カレーバーの日替わりカレーは毎日1種 ※22時から5時までのご注文には深夜料金として10%加算させていただきます。 ※お料理の価格は全て単品価格です。各種セット商品は含まれておりません。 ※重量表示は調理前のものです。 ※お料理の内容は、季節や地域により変わる場合がございます。 ※栄養成分と重量は配合に基づき調理したものの数値です。 ※ステーキは小さくカットしてお召し上がりください。

さすが日本。いろいろ注釈がある。ナントカ法。

さて。

今日も、明日も、穏やかに、静かに、落ち着いて、平和に。そして、出来ることなら、自分も周りもみな、しあわせにすごせますように。

新版『スリランカ学の冒険』庄野護 "Advencures in Ceylonology" by Shono Mamoru (new edition) නව සංස්කරණය ශ්‍රී ලංකා අධ්‍යයනයේ වික්‍රමාන්විතයන් ෂෝනෝ මාමෝරු புதிய பதிப்பு இலங்கை ஆய்வுகளில் சாகசங்கள் ஷோனோ மாமோரு 読了②

スリランカのみならずバングラディシュ、ネパール、インドネシアパプアニューギニアケニア等で快刀乱麻アビダル*1百戦錬磨慎吾ママの活躍を見せたNGONPOODAのプロ、庄野護サンが1996年に出した「スリランカ 旅の雑学ノート」的エッセイ集。最初の読書感想で概要を書いたところで力尽きたので、稿を改めてもう少し書きます。

2013年の新版は、1996年の旧版から「ワープロが火を噴いた」「ジャーマン・レストラン」「スリランカ旅行術」の三話を割愛し(版元公式でpdf版などの形でタダで読めます)新たに「頼母子講の金融学」「混住社会のコミュニティ学」「内戦後の平和学」「スリランカ学の可能性」を追加収録しています。「スリランカ 旅の雑学ノート」的エッセイが減って、長期内戦で庄野さんが考えたことが追加される。

スリランカ学の冒険:南船北馬舎

装幀 井竿真理子 巻末に索引と主要参考文献。その国に行くのなら、関係書籍&論文を百個嫁、とあとがきで言ってる庄野サンなので、参考文献はそれなりにぶ厚いです。さて、そこから導かれる「スリランカの練習問題 旅の雑学ノート」の内容や如何に。

頁26「ありがとうの修辞学」
「言葉がお互いに通じない人同士と、言葉が通じてコミュニケーションがとれる人同士では、どっちが衝突が多いかというと、後者の方がはるかに多い。国家の間でも、協定を結んだ国同士の方が、戦争勃発の可能性は高くなります」
言語学者文化人類学者の西江雅之の発言 朝日新聞1993年1月1日 立松和平西江雅之「国境なき自己主張の時代」

これは真でもあり、偽でもあります。異文化同士は、互いの交流が深まるほど相互誤解が高まり、偏見が助長されます。それはその通りですが、争いの多い国と国の場合、こまめに仲裁が入って条約なり同意書を作ったりするものなので、そういう「破られるためにある」条約を以て、逆説の証明をするのは違うかなと。

東條さち子サンの『スリランカでカフェはじめました』*2で、スリランカのヒーコはまずいまずいと書かれてますが、庄野サンも1996年に同じ感想をもったようで、「フィルターで漉さないどろどろのコーヒーを飲まされる」(頁62「昼下がりの紅茶学」)と書いてます。1870年代「苦労してやっと採算ベースに乗ったかと思われたコーヒー栽培がさび病の蔓延で壊滅」(頁32「クラブハウスの歴史学」)したそうで、コーヒー栽培は再建されることなくマラリア特効薬のキニーネ栽培に切り替えられ、そのキニーネも国際市場価格が暴落したとか。モノカルチャー経済は大変デスネ。

頁38、「オートリキシャの経営学」に、1994年のスリランカのガソリン代はリッターあたり35ルピーとあります。ありますが、なぜそこに付箋をつけたのか、もう自分でも分かりません。当時のスリランカのオートリキシャはバジャジというイタリアヴェスパ製のインド製品だそうで、今はタイと同じトゥクトゥクが走ってる動画をよく見ますので、切り替えがあったのかもしれません。

頁60によると、1993年スリランカは自国の最高級紅茶の国内向け販売を初めて解禁したとか。ただし、生産量の3%まで。それまでスリランカ人の上流はイギリスからの再輸入品(土産の手荷物で持込)でしか高級紅茶を飲むことが出来なかったそうです。モノカルチャーあるある。

本書には南船北馬舎のほかのスリランカ関係の書き手さんも登場します。上記「昼下がりの紅茶学」には『紅茶の本』『ティープリーズ』の堀江敏樹サン、夏目漱石スリランカ条理で食べたカレーは何カレーだったのか追及する「漱石のカレー学」には『あじまさの島見ゆ』『熱帯語の記憶、スリランカ』の丹野冨雄サンという方が登場します。四谷でトモカというスリランカ料理店を営んでいたとか。丹野サンが探し当てた漱石の食べたカレーは「鶏肉のマリガトニー」だそうで、庄野サンによると、この料理はシンハラ料理でなくタミル料理だそうです。

en.wikipedia.org

タミル語ウィキペディアはおろか、全印度諸語のウィキペディア一個もありませんが、タミル料理だとか。

マリガトーニスープ(英国風カレースープ) | 理研ビタミン株式会社 | 給食レシピ | 学校給食用食品メーカー協会

しかも何故か英国風スープというふうに紹介されてるページが多い。中でもハインツのホームページは、悪意のあるサイトだとかなんとかで、セキュリテイーが頑張ってしまい、開けません。ハインツのように有名な食品メーカーのホームページに、そんなことあるのかなあ。

頁92、「ノミの熱帯医学」に八重山諸島マラリア禍が出てきて、よくぞ書いてくれましたと思い、庄野サンスリランカマラリアに罹ったのかしらと思ったら、庄野サンがかかったのはデング熱でした。アラビア語の方言「打ち悩まされた」がデングの語源だそうで(諸説あり)節々や筋肉がムチを打たれたように痛いんだそうです。そのデング熱に庄野サンは四年で四回かかったとか。持ってますね。現地の邦人医師は、四回などありえないと否定したそうですが、庄野さんは独自に調べてそれはありうるとしています。ただ、五回はまだ聞いたことがないそうで、庄野サンの周りは庄野さんにレコードチャレンジを期待してるそうです。こういうふうに文章を〆るのがまさに「スリランカ 旅の雑学ノート」

「サルの動物行動学」は日本人が発見したハヌマンラングールの子殺し、しいてはほかのサルでも頻繁に起こる子殺しの話。「乞食の社会学」にはスリランカにもロマ(ジプシー)がいることが書かれています。ヨーロッパのジプシーの起源がインドであることは知られた話で、だからスリランカのジプシーもインド起源だとか。でもインド人でなくロマ。また、乞食はシンハラ人とタミル人の融合家族が生まれやすいんだそうです。ロマとはそういうことはないとか。インドの乞食に関して、庄野さんは朝日新聞記者吉村文成サンがめこんから1989年に出した『インド同時代』の邦人インド乞食観を引き合いに、堀田善衛『インドで考えたこと』になぜインドの乞食が出て来ないのかを考察します。吉村サンによると、乞食に感動してはいけないそうで、むしろ乞食に恵んであげる方に感動すべきなんだそうです。で、堀田サンが乞食を書かないのは、日本でも乞食がありふれていたから、視界に入って来なかったのではないかというのが庄野サンの推察。乞食に恵む人は裕福でない人が多いそうで、庄野さんは知己の乞食に逢っても笑顔だけで済ませるそうです。いかにも邦人だ。

「女性解放の仏教学」は、仏教は女性差別という近年の評論や論文を否定したい一文なのですが、女性は女性のままでは解脱出来ない、男性に転生してからでないと悟りは開けないという根本問題に踏み込んでないので、雑学ノートそれでいいのか、でした。日本の仏教僧が妻帯して袈裟以外の服を着てスリランカに來ると、破戒僧としか見られないとか。

「巫女の心理人類学」によると、持参金が準備出来ない庶民の間では駆け落ちの多くが親公認、場合によっては母親が背中を押して駆け落ちさせるとか。鮎の放流ではないですが、娘の駆け落ち後母親は一度は落ち込みますが、やがて、娘夫婦が子どもを連れて戻って来る日を心待ちにするんだとか。イイ話。そんなスリランカでは既婚女性も夫の承諾を得て巫女になれるそうです。

頼母子講の金融学」はマイクロ・ファイナンスとしてのスリランカコロンボ女性銀行とバングラディシュのグラミン銀行を比較考察。ユニクログラミン銀行と組んでるとか。

「暗殺の政治学」によると、四月から七月までは熱波でスリランカ人は怒りっぽくなるので、いないほうが吉だそうです。で、庄野さんがインドネシアのバンドンに逃げてるあいだ、大統領プレマダーサと野党党首ラリット・アトラトムダリサンがあいついで暗殺された話。プレマダーササンは下層カースト出身なので、上級カーストの野党が勝ったら、大統領官邸を大掃除して食器を全部取り替えるだろうなどと、まことしやかなうわさがスリランカではささやかれたそうです。で、プレマダーサ在任中はたびたびジャーナリストの失踪や不審死があったとか。

「民族問題の神話学」にはジャヤワルダナ大統領のサンフランシスコ講和条約の演説が出て来ます。これで日本は独立を取り戻したと信じるスリランカ人は多いそうで。仏教再興運動指導者ダルマパーラサンは日本びいきだったとか。一時期剃髪しないで長髪でプロテストしてたそうですが、庄野さんはそこは日本の影響とはしてません。この項では、外見から見分けがつきにくいタミル人とシンハラ人の男性を区別して敵を襲うために、それぞれの民族・宗教欄があって住所も明記されてる選挙人名簿が活用されたとあります。

「混住社会のコミュニティ学」にはケーラという野菜が出てきて、「中華料理で用いられるカンクン」とのことですが、カンクンという中国語は知らないので検索したら、空心菜インドネシアではそう呼ぶとのことでした。ケールとごっちゃになりそうな名前だし、まぎらわしい。この項によると、スリランカいちの大都市コロンボでは民族ごとのすみわけがなく、だいたい混住してるそうです。めずらしい。

「サリーの服飾学」がいちばんおもしろくて、1994年大統領選挙で勝利したチャンドリカ・バンダラナーヤカ・クマラトゥンガサンのトレードマークの青いサリーは、インドの上級カーストが「絶対に着ない」色だそうで、青はいやしい色だからだそうです。それを着て大統領選挙で圧勝してしまうのがスリランカ。この項には、インド式とキャンディ式のサリーの着こなしのちがいが語られ、キャンディ式が上流、インド式はそれ以外ということですが、おどろいたのが、サリーの普及自体が1910年以降の現象で、それ以前のスリランカ人女性はブラウスとサロマ姿がふつうだったんだそうです。つまり男性と同じ。びっくりした。

「日本文学のなかのスリランカ」には、岡村隆『泥河の果てまで』と平岩弓枝『青の伝説』勝目梓『鮮血の珊瑚礁』が出ます。そんなに読んでられないヨーと思いました。平岩弓枝サンはほかにもスリランカを題した小説を書いていて、それはブッコフで購入済み。

「西洋文学のなかのスリランカ」には娯楽小説は出ません。『アジアにおけるいち野蛮人』アンリ・ミショーサンが出たりします。さすが雑学ノート。

アンリ・ミショー - Wikipedia

「内戦後の平和学」によると、政府軍によるタミル人武装勢力制圧は、2009年、イーラム解放のトラが全員死ぬまで攻撃し続けて終わったそうです。イーラム解放のトラはハマスと違って、民間人を盾にしなかった。頁249、スリランカでは内戦の死者より自殺者のほうが数が多かったとか。ふしぎな社会。

なんというか、ユーモアのあるエッセーが多いのですが、旅の雑学ノートなので。でも旅人でなくNPO屋さんであるという。その辺、二足の草鞋とその覚悟が、ちょっとむつかしかったと思いました。エッセー屋サンとして全力投球はちょっと恥ずかしい的なそぶりが、なくもなく。

以上