- 作者: 高村薫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/08/11
- メディア: 単行本
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京都新聞に書いていた文章を他の方のブログで読んで、
なんとなく借りてみた本です。
作者初のユーモア小説ということで、
肩ひじ張らずに読めるなと思って。が。
この人はマークスの山やらレディ・ジョーカーやら、
名前忘れたけど中国人の暗殺者の話とか、いろいろ読みましたが、
八王子スーパーの事件以降、現実がフィクションを凌駕したという理由で、
推理小説断筆宣言して、その当時は腕組みしてしまいましたが、
その後の第一作、『[日逭]子情歌』を、
読んで、「囘」という感じを知り、それがこの人の小説最後の読書体験でした。
で、近作はどんなんですかなと検索して、
いちばんライトっぽい(ウヨっぽいという意味ではなく、軽いという意味です)
感じだったので、これを読んだわけですが…
まず、この小説は、中華人民共和国のプロレタリア文化大革命、
その首班の上海閥と言われるが実は由来山東の、
江青、張春橋、姚文元、王洪文とはなんの関係もありません。
ましてや、華国鋒主席の要を摘んでどうこうおいてをや、とは 毫无关系。
本州の、首都圏に車で行けるくらいの、町村合併で消滅した村の、
元村長だの元助役だのの首脳老人四人組(紅一点有)の四方山話です。
途中から、この村は誰も死なないだの誰も税金収めないだの、
誰も免許持たずに運転してるだの、タヌキとかクマが、
平然と会話に加わってくるだの、で、現実離れもいい加減にしてよアグネス!
と言いたくなってしまいます。
登場する動物と人間が対等か否かは、
鹿などの、鍋の具になる動物は、会話仲間に入ってないという、
例のアレの法則が発動してると思いましたが、
実は鹿とも会話してる場面を、見落としてるかもしれません。
そして、それでいてネット社会や、フーゾクが、
簡単に文脈に絡んでくるので、笑いとしてはかなりアレで、
しかし、風刺はあまりなく、こんな社会や政治けしからん、
と少子高齢化老老介護問題から切りこんだりはしません。
切りこんだほうがウケたと思うのですが…
私のつたない読書歴を掘り起こして思い返すと、
例えば三匹のオサーンもそういう要素あったし。
- 作者: 有川浩
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- 作者: 西木正明
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- 発売日: 2012/12/14
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まじめな人なんだろうなあ、と思いました。以上
あと、蛇足でいうと、農業集落の老人が、こんなにヒマであるわけない。
寸暇を惜しんで草むしりくらいするはずなので、陽がな一日だべる、
という設定は、フィクションというかロマンスだと思いました。
あと、柿の実をもがず、強風で落ちたのを拾い集めるという描写、
(頁125)落ちたのはえんだり傷物だったりなので、落ちる前に、
もぐんでないかいフツーは、と思いました。以上
【後報】
下記を読んで、久しぶりに高村薫の小説を読もうと思った次第です。
http://d.hatena.ne.jp/cangael/20170619/1497829597
了承を得てトラバしました。(2017/7/23)