『ルルドの群集』読了

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http://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336035257/
はまぞうがまたアマゾンを出してくれないので、楽天

装幀 妹尾浩也
訳者後記と追記あり

作者 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%AA%E3%82%B9%EF%BC%9D%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%A6%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B9
ルルド Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%AB%E3%83%89

著者最晩年の遺作だそうです。たんたんと、ルルドの成り立ちとか、ルルドの地方は、ルルド以外にも、八ヶ所聖母が出現した聖地があり、ルルドはその中心だとか、「無原罪のお宿り」とか、聖母がいるということは、悪魔もいるとか(この辺がこの人らしい部分なのか)、ルルドは荒涼とした山間部の自然ではなく、あったかいほのぼの谷間であるとか、ベルナデッドの住んでた家は観光名所になってるが、彼女のベッドは、ナイフで木片を削り取って聖遺物にしようとする輩が多すぎるので、柵で囲まれているとか、ルルドの水で炊いた飴とか土産もたくさん売られているとか、重病人がフランス全土やベルギー、オランダ、イベリア半島、観光旅行なら英国からも来て、鉄道が通っているので、ピストンで、ひっきりなしに運ばれてくるとか、その膿とかいろいろ、ボランティアもいろいろ、たいがい助からないが奇蹟が起こって回復する人もまた頻々として絶えない、的なことが書いてあります。イスタンブールに分所があって、そちらは、カソリックだけだと無論、東方教会信徒入れても絶対少数派なので、回教徒の礼拝沐浴も受け入れ、ユダヤ教も含め、回復者の奇蹟に宗教の垣根はないそうです。
回復した人がもとから重病人だったのかなど、いろいろ科学的に判定することの難しさも語られ、そしてドライに、物語は終わります。訳者後記を読むまで、ガンと苦闘しながら書かれていたとは知りませんでした。

奇蹟は毎日のように起こるが、作者はその他大勢の、そうはならなかったけれど、ルルドを訪れた難病人やツーリストの側にいるわけですが、それは一切書かれません。

訳者後記によると、エミール・ゾラの『ルルド』を意識してるそうですが、そっちは邦訳まだ出てないとか。

Yahoo!知恵袋 2017/2/12 21:01:37
お尋ねします。 エミール・ゾラルルド」を読も…
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10170444940


以上