http://www.aga-search.com/809-3curtcannon.html
後は後報で。
【後報】
なぎら健壱の『東京酒場漂流記』*1の内藤陳深夜プラスワンのくだりから、
須賀田さんシリーズを読み始めたわけです。
ちくま文庫版東京酒場漂流記 頁293
まあいいか、気分はもう、酔いどれ探偵のカート・キャーンだ。いやアル中探偵のマット・スカダーか?
さあ、飲るぞ!!
で、もうひとつのシリーズは、検索で、キャーンは誤植で、
正しくはキャノンだと分かりました。
- 作者: カートキャノン,Curt Cannon,都筑道夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/11/01
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
日本でもたいそう人気があったのですが、原作のストックが尽きて、新作が出ない。
そこで、編集長のアイデアで、出版権代行のタトル商会の了承を得た上で、
訳者の都筑道夫にパロディというか贋作を書かせたのだそうです。
で、タトルとの約束で、主人公の名前をカート・キャノンからクォート・ギャロンに換え、
贋作であることを明記して単行本化しました。その文庫本がこの本。
ややこしいと思いました。
解説ではこの本を贋作、パスティーシュとしていますが、読んだ限りでは、
これは現代でいえば、同人小説と呼べばそれでいいのではないか、と思いました。
カヴァー、オマージュ、リメイク、トリビュート。
確か上条淳史がZINGY一巻のオマケのコマで、
音楽ではリメイクやカヴァーは当たり前なのに、
なぜマンガではめったにないんだろう、みたいなことを書いてたのを思い出します。
勿論今は、秋田書店から聖闘士星矢やブラックジャックがぼこぼこ出てくるし、
新潮社のバンチには北斗の拳のパスティーシュがぼこぼこあった気がします。
作者も、この小説で味を占め、顎十郎捕物帳のパスティーシュを手掛けるようになります。
頁166
男はポケットに両手をつっこんだまま、そり身になって、おれを見おろした。
「どこへいっても、若く見られるんだ。人徳だな」
「馬鹿だ、という証拠かもしれないぜ」
頁245
「お前も日本人なら、この男に恥しいと思えよ。きさまたちがつかまったら、日本商社の名が汚れるんだぜ」
「おれは日本人じゃねえよ。日本で生れたというだけだ」
こういうセリフが出てくるのは、日本人の作ったパスティーシュならではという気がします。
支那という呼称も出てくるし、薬の売人はちゃんとプッシャーとルビ振ってます。
しかし、木賃ホテルと書いてもくちんとルビを振っているのが分からない。以上
(同日)