『サポルト! 木更津女子サポ応援記(1)』 (アース・スターコミックス)読了

サポルト! 木更津女子サポ応援記(1) (アース・スターコミックス)

サポルト! 木更津女子サポ応援記(1) (アース・スターコミックス)

帯文句
Jリーグチェアマン村井満氏推薦「私も愛読中です!」
日本初!サポーターが主役のサッカー漫画!!

のー先生の裏方イレブンにもサポの話がありましたが、連載となると確かに初かも。
発行、発売とも馴染みがない出版社だったので、まず書店のどこにあるのか悩みました。
ガンダムマンガとかゲームコラボマンガのあたりだろうとアタリをつけたら違った。
店員さんが探し出したのは少年誌のとこからでした。

JKがコアサポ、という事前情報から、企画ありきの漫画と思い、
さして期待してませんでしたが、(舞台を木更津に設定したのもオーレ!とかぶってるし)
実によく出来てましたので、読後は少し放心しました。
作者は八年緑菌ヴェルディサポやってるとのことで、
ラモスが金を湯水のように使って昇格して降格したあたりから参入して、
今までサポ続けるのは並大抵のことではない、四面瓦斯の環境で、よく、
と思いましたので、そうしたほんとにコアな心境が、よく表れた漫画と思います。

ダービークラブのサポがユニ着て猿やってると、互いに加勢が来て、
後ろでチャント歌いだすとか、ないだろうけどあってもおかしくない、的な。
アンチトス200%の時代ではさすがにないわけですが、そういうにおいは感じました。

平日ナイターだからスタグルはないとか、都会のでかいスタは概して、
スタグルと呼べるものはない、スタグルは田舎にある、とか、
0勝8敗クラブのアウェイ遠征サポの少なさが実にリアル、とか、
(相手サポでなく、「うち」側なのですが、重くならず描けてて、よかった)
いちいち感心しました。専スタでしたが、キャパ15,000人はJ1ライセンス無理では。

主人公三人がサポになる理由もよかったです。兄がユースだったからとか、
それに巻き込まれた、熱くなるものがない帰宅部とか、
転勤族の親を持ってイングランドで育ったデラシネとか。
(英国では危ないのでスタ観戦を親に禁止されていたという設定もよかった)

初観戦が専スタで、前半自軍のゴールで盛り上がってハマるとか、
夢のようですよね。思えば、私も湘南何度も観戦しながらそれほどハマらなかったのが、
2009年笠松で五点取ったあのゲームで、ダンマク片付けユース手伝わないと、
ブツブツ言いながら片付けてた水戸サポだかボラの人とか、ヨッパライの野次とか、
アジエルとか、それでハマったわけです。何かしら原点の幸福体験があった。

そういうことを思い出しました。このマンガのクラブは二部で大きく負け越してて、
はやばやとサポ決起集会の場面とかもあるわけですが、
このマンガ世界に三部があれば、三部に落ちかねない成績ですので、
底に行くとなると相当辛い展開がこれから待っていると思います。主力流出とか。
作者がサポになった当初は、永里兄とか服部とかいたんですよね、緑菌ヴェルディ
すべては光芒の彼方のようだ。
ブレードランナーでルトガーハウアーが死ぬ前に語る自分の見た光景。以上

付:唯一難を言えば、タイトルが淡泊すぎる点でしょうか。
さよなら私のクラマー』とか『夕暮れ夕空のクライフイズム』みたく凝ってもよかった。