「じゃあねまたねって手を振って、歩きだすとね、もっと大事なこと話せたんじゃなかったのかなってそんなふうに、いつもいつも考えてしまうんだよ 、でも今夜だけはそんなふうに思わないでいいからうれしい、ずっと一緒にいるから」


小田急

【後報】
このシリーズ、よく分かりません。この文章、どうやってプレゼン突破したのか。

浮かんでくるものと降ってくるもののあいだにわたしはいて、うつむきながら、見あげている。こんなとことに吹雪。こんなところに匂い。グラスのふちは金色に濡れて、手のなかで生まれては消えてゆく無数の泡を見つめていると、なにかとても大切なことを思いだしそうになる。愛にも加減があるのだろうか。夜は積もってゆくのだろうか。柔らかな冬の、しんとした白の、一秒一秒が永遠みたいな顔をして、部屋を、わたしを、時間を満たす。あのとき、笑ったのはなぜ?あの日、きれいだったのはどうして? 目を閉じればそれが今のすべてになってしまう。メリークリスマス、声がする。顔をあげる、あなたがいる。

(2016/12/23)