【製作20周年】【『バーニング 劇場版』公開記念】「ペパーミント・キャンディー」4K レストア デジタルリマスター版 peppermint candy 박하사탕 劇場鑑賞

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당신도 스무살이었었다」←チラシに書いてあるハングル。「人生は美しい」は「삶은 아름답다」なので違います。下高井戸で捕まえました。大森で観ようとか思ってるうちにもうどこも終わってしまい、厚木はバーニングは上映したのですが抱き合わせ?のコレはやらずじまいで、もう万事休すと思っていましたが、下高井戸でやってくれたので、火曜の割引デーは都合つかなかったのですが、もう正札でいいやと1,600日元払って見てこましました。かなりお客が入っていて、その理由は分かりません。この映画もまた「ひとりで逝ってよし」⇔「背中を押すのはイクナイ」から始まります。

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ペパーミント・キャンディー - Wikipedia

박하사탕 (영화) - 위키백과, 우리 모두의 백과사전

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日韓両ウィキペディアにチャプター名が明記されているので、「祈り」の「기도」って「祈祷」だよな、とか映画観ながら思ったことが再確認出来ます。「カメラ」は「사진기」だから写真機だな、とか、告白と面会はコkベkとミョンヘェで同じだとか、最初と最後に「ピクニック」と字幕が出るソブンとヤユヘが分かりませんとか。原題の「박하사탕」の前半分がハッカであること、しかし後半を砂糖と読んでしまうとアレなので、漢語でお祝いごとの飴ちゃん、婚礼などの紅白の飴ちゃんの"喜糖"から来てるということでどうだろうかとか、考えました。日本だと七五三の千歳飴か。

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 新兵時代と高校生?のピクニックの場面は、ダブルキャストでやってほしかった。一人で演じるには無理があると。で、1980年に軍隊が市民に銃を向けた事件なんて韓国史にひとつしかないわけなので、そこはもうお約束ですが、それがあってもなくても、この人はこのように破滅したんだろうと見ていて思いました。ドラえもんで、大阪まで新幹線で行こうか鈍行で行こうがちゃんと大阪に着くの例えで、静香ちゃんと結婚しようがジャイ子と結婚しようがヒマゴにセワシが生まれることには変わりがない理論(ゲノム解析による遺伝子操作ではありません)同様、高校生?なのにおひさまや花を見ているとわけもなく涙が出て来るような感受性がどうかしている多感動性の子(泣くことは浄化でもないし成長でもない)なので、早晩こうなる運命にあったと。

その導入から1980年までは、ドライブ感疾走感がハンパなくて、素晴らしかったです。新婚家庭の連立住宅、その前の、ソウルなんだけどチョルラドの人が固まって住んでるみたいな練炭でオンドル焚いてるような地区の自転車、惑星ソラリスへのオマージュで子供やリヤカーが逆回しで走るわけではない鉄道沿線風景。すべてが素晴らしかった。レオンのゲーリー・オールドマンやカンニング竹山のキレ芸並みに、絶叫怒号号泣を欠かさない主人公がストレス解消にもってこいでした。あの大きさの音量だと、人によっては、びくっと飛び上がったりしますが、しかしこの人はこの音量で獅子吼して生きてきた人なのだ。まさに正宗火病です。素晴らしい。遠景に人を組み込む演出手法もよかった。千五百万で新築一戸建てとかありえないけど、秦野にそういう物件があるので、秦野なら通えるかもと見に行ったら、三角地の傾斜地だった、みたいなカットとか、素晴らしかった。総じて風景も最高です。

特に出だしの、スーツでふらふら山野部を彷徨する場面からがよかった。私もむかしスーツでサッカー観戦していて、2ちゃんねるとかでスーツでサッカー観戦するなとか書きこまれても、会社帰りなんだから仕方ないだろうと、実際は会社なんか行ってないのに会社に行くような体裁の服でないと心理的な圧迫感があるのでスーツ着てましたみたいな状態(あるいは会社帰りに帰宅せずにふたつくらい違う県で夜明かしした翌朝)だったのですが、それをちっとも妙と思っていず、へらへら山すそを歩いたり渡良瀬川の遊水地を歩いたりしてました。あの感覚だと思い出しました。素晴らしい。万人受けのする映画ではないのですが、キレたオッサンが好きな人は見るべきです。いや、見てよかった。

以上

【後報】

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一日待って今日あげるべきでした。昨日あげて損した。

(2019/6/20)

【後報】

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薄荷

(2019/6/21)