『酒のほそ道―酒と肴の歳時記 』 32(ニチブンコミックス)読了

ヴァーチャルに飲酒をどこまで楽しめるか、自分を追い込んでる気がする。なんてね。
飲酒を描いた作品を読みつつ最近思うようになった。
酔い、酩酊という正常な判断能力の麻痺をリアルに描かない作品は、
読んで真似しても、酔い、酩酊が邪魔して同じような体験感慨を抱くことは出来ない。
マンガなら、登場人物はさんざ飲みながら蘊蓄語って酩酊シーンはオチのヒトコマでいい。
が、現実に酒の弱い人間は飲み屋に行くと、
酒を口に入れた瞬間からだんだん、だんだんロジカルな蘊蓄から離れていく。
すぐはしょってオチのヒトコマには到達できず、
数時間かけて、緩慢に弛緩して、なんだかわけが分からなくなってゆく。
まあそんなのつぶさに描いても面白くないんだけど、
そこがマンガと現実のヨッパライシーンの違い。

発行年月日をカバーに書くマンガは、
飲食店などでカバーなしで置かれると、
いつのものだか分からなくなるんだろうな。
飲食店に置いてあるマンガは、カバーなしのボロボロがふさわしい。