『殺 劫(シャ-チェ) チベットの文化大革命』読了

殺 劫(シャ-チェ) チベットの文化大革命

殺 劫(シャ-チェ) チベットの文化大革命

エリオット・パティスンの三作を読んだのも、
もともとはこの本のアマゾンのレビューで紹介されてたから。
一応、この本もやっと読んだ。
表紙の写真は、文革の三角帽子のチベット語バージョン。
ガルウィングは、みたところなかった。

チベット文化大革命を担ったのはチベット人自身という発掘写真と証言の本です。
内地で学ぶチベット人学生、ラサの学生、豊かなラサに居着いた巡礼物乞い(最下層の貧民)。
巡礼なんて、今の漢族商店主が最も嫌ってる連中だから、
また大貧民の革命が起こったら大変ですね。
この頃はゴルムドがなくて、柳園から車でラサに行ってたとは知りませんでした。
で、ラサの文化大革命を担ったのは確かにこの本のとおりチベット人主体のようですが、
チベット全体の大規模な寺院破壊は、
今の中国でなんでもかんでも文革のせいにする風潮がもしあったとしても、
おそらく文革時点までにはかなり完了していた(主体は解放軍?)、という認識補正は、
日本語版解説できちんとなされる仕組みの本になっています。
原作者にミスリードの意図はなかったでしょうけどもね。おしマイケル

エリオット・パティスンを読んだ感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20121112/1352731547
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20121208/1354900522
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20121225/1356437948