- 作者: 鴨志田穣
- 出版社/メーカー: スターツ出版
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 鴨志田穣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/07/15
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特にちゃんと読む気もなく棚に戻していました。
サイバラの本を読んだので、じゃ、こっちも読むかと。
カラダ壊しすぎ。
なんでアルコール外来行くのこんなに忌避してたんだろ。
精神病院じゃなくてアルコール外来と考えればそれでいいのに。
クメール・ルージュ実効支配地域やコソボに行った人が、
アルコール依存の入院治療に踏み切れない。なんでなんだろ。
で、また、入院患者が墨ありの空手経験者とかばっか出てくるし。
お医者さんはチョロい感じに見えるし、看護師はへとへとになりそうだし。
なんとかとりがなんとかになる感じマンマン。ミイラか。
「これはフィクションです」ったって、
入院したくない人に口実を与えてるというか、
サイバラが自分の本で専門医を勧める必然性を感じました。
吾妻ひでおの本とかの病院と全然違うし、実際病院て、病院によって全然違うらしいです。
気になるんなら調べてどこ入院するか決めたらいいさ。
自助グループもそういうこと経験で分かる範囲でならなんか言うだろう。
自助グループもほとんど出てこないな、この本は。
つながる率の低さや、この病気の生存率の低さが、読後、しみてくる。
カネのことも書いてない。誰が酒代と入院費出したのか。
誰のカネで病院食のおかいさんやカレー食べてたんやろう。
貯金かな。ほかの患者はどうやったんやろう。
そんな保険があるのかな。ガン保険はあるけどもや。
サイバラの本は、それもイネーブラーとして書いてるのかな。
なんやイネーブラーてそのカタカナ。供給者やったらサプライヤーやん。
たぶん補助とかいろいろでどうとでもなるんだろうけど、
どう、どうとでもなるのか、具体例を書いたほうが安心するからよいヨロシ。
単行本頁163
「甘いね。まだ自分のこともわかっちゃいねえ。アル中ってのは、依存症ってやつは、本当に怖いんだぜ。自分で気づかないうちに飲んじまうんだから。なあシャブと同じようなもんだろ」
S.W.に鼻血は笑いかけた。
「んーっ、そうだな。あんま変わらねえな。違いは違法か合法かっていうくらいの違いしかねえんじゃないか」
破滅願望と、死にたくない生物の本能の衝突。
産業革命以降、大量生産が可能になったアルコール飲料。
さて、つぎは誰を読もうか、と。
【後報】つぎは旦那が自殺したAV女優の人でも、と思い検索したら、
卯月妙子昨年新刊出してたんですね。*1
前作もいい値段。*2
かもかのおっちゃん、でなく、もとい、かもちゃんが、
なぜアルコール専門病院になかなか入院しなかったのか、
やっぱ入院したら退院後も断酒しないと決まりがつかないし、
それがいやだったのかも、と、思った。
院内プログラムも体力回復優先という理由で大手を振ってさぼってるわけだし。
ガンで人生の終着駅が見えたら、サクっと退院決めてるし。
単行本頁214
「退院したいんだ」
「退院かあ、セカンドオピニオンってこと?」
「うちに帰る」
「それやったらええわ。うちって、どっち?」
「かみさんち」
「そうや、それがええよ。自分で電話できる?なんやったら私、しとこうか」
「そうしてくれるかな」
「ええよ、まかしとき」
『おサケについてのまじめな話』頁28
そうは言っても、鴨ちゃんが退院して戻ってきたとき、じつはわたしはおびえていました。心のどこかでは、信じきれないところがあって、また暴れられるんじゃないかと、びくびくしていました。怖いから、二日くらいずーっと下を向いて、ちゃんとしゃべれないような状況でした。
破滅願望にすっきりオチがついたので納得して、
家でも、外に出た時と同じ態度でいれたとしたら、
それはそれで、みんな幸せだと思いました。
『おサケについてのまじめな話』頁16
(略)家族に対しては、なじったり暴れたりするというのに、外に出たときには、ちゃんと礼儀正しくするんです。外ではお酒を飲もうが飲むまいが関係なくて、仕事先でも、ペコペコと低姿勢で愛想よくできますし、バーに繰り出せば、グラスを傾けて、相変わらずホステスさんにも洒落た話なんかをして、周囲を笑わせていました。
こんな調子で、理性的でいい顔をするものだから、お酒のしわざというよりも、彼の性格に裏表があるのかと疑っていました。家では人が変わって、こんなふうになるんだと他人に話したところで、だれも信じてくれない。わたしのほうが悪口を言っていることになってしまう。
「鴨志田さんには、もっと彼を頼ってくれるような奥さんがいいのかもしれないね」などと言われることもあって、「だったら、問題はわたしの側にあるの?」って、途方にくれたりもしました。
(同日)
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