『西原理恵子月乃光司のおサケについてのまじめな話 アルコール依存症という病気』読了

自助グループについての本*1のアマゾンのページの「この本を買った人は〜」で、
この本が出ていて、で、レビュー賛否両論だったので読んでみました。

自分は、まあじゃんほうろうき*2や恨ミシュラン*3の作者が、
なんで金角でなく銀角と結婚したのかも知らない人です。
 ⇒検索したら旦那さんは銀角とも違う人でした。もうなにがなにやら。(同日追記)
その辺商品化されてエンタメノンフとして消費出来るようになってない気が。
 ⇒なにがなにやら。(同日追記)

この本によると、厚生労働省の調査で、アルコール依存症の疑いのある人は440万、
治療の必要なアルコール依存症の患者さんは80万人いると推計されているそうです。*4
この調査が2005年で、2007年出版の『断酒が作り出す共同性』によると、
自助グループの人口は、AAで約四千人、断酒会で約五万人(家族会員を含むと推定)*5です。
いかにも啓蒙不足の感が否めませんので、この本では、
とにかく専門の医療機関につながって!
といそいでアピールすることに力点を置いているように見えました。
で、あるから、まあ、そらあ、拙速な表現はあるかもしれないです。

頁16

わたしも同じように飲んでいたのだから、彼だけが病気といわれても納得できるわけがありません。

旦那さんの小説に出てくるアテなしの連続飲酒を同じようにやっていたとしたら、
栄養素なしの高カロリー生活による体重減とか、
酔いが醒めると目が覚めて寝れないとかなどの状態だったかもしれないです。
「否認」もあるからこわいですね。
違う飲み方だったのかしれないのに、と思いました。

頁28

覚えているのは、アルコール依存症のときの、あの暴れている、卑怯なことばかりする彼だけで、そんな人間がまた帰ってきたって思い込んでいるんです。でもそうじゃなくて、そこには病気になる前の、働き者で元気で明るい彼がいたんです。

この本には、飲まない反動の身体症状である「離脱」は書いてありますが、
精神的な「ドライドランク」は、明示的には書いてません。
宿六の人が、断酒後半年で癌で亡くなられなかったら、ピンクの雲が晴れた後の、
永い人生のストーリーがそこにはあったのかもしれません。
そこが、安易に回復してるように読めてしまうかもしれないので、
少し懸念する人もいるのかもな、と思いました。

だいたい以上です。どっとはらい

*1:http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20130127/1359288133

*2:

まあじゃんほうろうき (下) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

まあじゃんほうろうき (下) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

*3:

恨ミシュラン (上) (朝日文庫)

恨ミシュラン (上) (朝日文庫)

恨ミシュラン (下) (朝日文庫)

恨ミシュラン (下) (朝日文庫)

*4:http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_alcohol.html患者数【参考文献】1) 尾崎米厚, 松下幸生, 白坂知信, 他: わが国の成人飲酒行動およびアルコール症に関する全国調査. アルコール研究と薬物依存 40: 455-470, 2005.

*5:現在の断酒会HPでは本人約一万人と家族http://www.dansyu-renmei.or.jp/susume/danshu3.html