『ネパール王制解体―国王と民衆の確執が生んだマオイスト』 (NHKブックス)読了

ネパール王制解体―国王と民衆の確執が生んだマオイスト (NHKブックス)

ネパール王制解体―国王と民衆の確執が生んだマオイスト (NHKブックス)

積ん読シリーズ。
三浦雄一郎さんと植村直己さんを比較したのはホンカツのすぐれた仕事ですが、
75歳の時は“Miura Qomolangma 2008”の名を冠しながら*1
当初からネパールルート選択、
80歳の今回は“MIURA EVEREST 2013”と銘打ちながら当初中国ルート設定、
「現在の国際情勢では3月下旬まで登山許可がでるかどうか未だ不明確な状況*2」との理由で、
ネパールルートに変更と、こころにくいわざを連発してくれました。
流石不塊是三浦先生。
この本もね、すごいですよ。
Wikipediaでギャネンドラ見ると、参考文献がこの本しかない。
登山家はもとより、
ネパール産の味噌がいつでもカトマンドゥーの商店で手に入るくらい
毎年海外青年協力隊行きまくりだし、
植草甚一以来のヒッピーの伝統もあるし、いろんな日本人がネパール知ってるのに、
なぜ十年間血風が吹き荒れたのか、
そもマオイストとはなんなのか語れる人財がひとりだけって、
どえらいことですよこれは。
やはり日本人と海外の付き合い方は何か欠落してるんですかね。
まあそんなこともないか。
センデロ・ルミノソは英語だとシャイニング・パスっていうんですね。
勉強になりました。

頁242
「私たちは思想のガイドラインとしてマオイズム(毛沢東主義)を踏襲していますが、戦略に関しては常に独自の方針をとってきました。私たちは中国のような一党独裁制度は間違っていると考えています。中国の共産党は支配政党になったあと、党幹部が資本主義者のようになり腐敗しました。これは国民に政治的自由を与えなかったために、国民による政府のチェック機構が働いていないために起きたことです。私たちは国民に思想の自由と国家に反逆する権利を与えるべきと考えています。政党間の自由競争を通じて、国家が誤った方向に進んでいないかどうかチェックするシステムが必要と考えるのです」

政権奪取後、これを実行したか否かは、
この本の出版後のおはなしですから、調べるしかないのですが、
日本語版Wikipediaの唯一の参考文献がこの本というループ。
英語サイト飛ぶしかないですかね、死んでもチョモランマと呼ばない人たちのサイト*3
まあ、チョモランマも、チベット訛りと中国語訛りでは、全く意味合いが変わってしまうかな。