- 作者: 浦西 和彦
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/05/23
- メディア: 文庫
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中公文庫になったというので、
行って手にとってみたのですが、思ったより分厚くて、
著者名だけでこの手の「小説家じゃない人が書いた創作」読むかなあ、
西遼とか刀伊の入寇とか渤海とか史料が少ないから自由に創造の翼をはばたかせて、とか、
古代日本と半島と大陸の人物が織りなすタペストリー、みたいな、
やべえ、読まなきゃいけないのか、と迷っている時に同じ棚にあったので買いました。
- 作者: 加藤徹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2013/03/23
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飲めない作家がたくさん出てきます。
川端康成のところで、1970年ごろ、赤坂見附でディスコのはしりだった
「むげん」と「ビブロス」の常連が川端康成で、
踊る女性のミニスカートと脚観賞が趣味だったというのが、白眉。
ぜんぶ、関係者同業者身内が故人と酒について語った文章ですから、
濃くて面白い。
やっぱり自営業でちゃんと身を立てている人は、
オンとオフの切り替えがかっきり出来ていて、飲まない時は絶対に飲まない。
(池波正太郎とか)
そうでなく隠し酒の人もいるけど、どっちみち振り返ればそれは故人の想い出。
「自裁」なんてことば、久しぶりに聞いた。自らを裁く。
関係者だから、だらしない人は遠慮容赦なくバッサリ脳天唐竹割り。
頁164の大岡昇平の中原中也の想い出とか、笑いなくして読めない(笑い)。
中原は生きてても、もはや幕下であろう。幕内にがんばってたら、酒に命を取られちゃってる。
下の句の、そろそろと飲み始める時間の雰囲気が好きです。
頁152
かんがへて飲みはじめたる一合の二合の酒の夏のゆうぐれ
こんな素晴らしい雑誌が平成まで存在していたことが素晴らしく、
現在ある酒の雑誌ミニコミ誌のどれかに統合するとか、
マットグロッソとかでWebマガジンでやればいいのに、と思いました。
【後報】
若山牧水がアル中だったと後で知りました。依存症で身体的にもヤラレていたと。
そうすると、これは朝酒か昼酒で寝て起きての夕暮れかもな、と思いました。
かなりくだらないことを考えて飲みはじめたのかと。
節酒とか、体調に関して、自分に都合よく。
労働とかして、夕暮れ、ほっと落ち着いて、日記かなんか書いて、
で、その後夕餉との関係なぞを少し考えて、の、考えてじゃないんだろうな、と。
(2014/9/24)