『あなたに似た人』 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 22-1))読了

あなたに似た人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 22-1))

あなたに似た人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 22-1))

田村隆一の自伝*1だったか、
アウトサイダーコリン・ウィルソンの酒の本*2だったかで紹介されてた本。
読んでみると、あとがきで、紹介はコリン・ウィルソンだと分かります。
でも田村先生もロアルド・ダールはお気に入りだったそうなので、
自伝でも触れてるかも。吉行淳之介開高健のヨッパライ対談*3でも、
巻頭の短編『味』について、原題の、テースト、で、語ってます。
Someone Like You

Someone Like You

今世紀に入って新訳が登場しましたが、作品社の酒エッセーによると、
琵琶湖湖畔の秘密基地で桜花に乗り、本土決戦の暁には米軍の新型爆弾の嵐の中、
護国の鬼となって散華する予定だった、田村先生に想いを馳せ、田村訳で読みました。
新訳も読みたいのですが、時間がない。
その辺、読みかけで頓挫してるル・カレのスマイリー第一作にも同じことが言えます。実にお酒がおいしそうに描かれる話が数編あります。あとは発明の話とか、
妄想の話とか、ギャンブル中毒の話とか。最後のカテゴリーの話が意外に多いです。
チョコレート工場の秘密と共通はしていないと思いますが、
インド知識階級のキャラが面子潰される話があります。
インド酔夢行 (講談社文芸文庫)

インド酔夢行 (講談社文芸文庫)

田村さんといえば、ドライステートの多いインドで、
あくまで飲酒による酩酊を目指す紀行文も書いてますが、
それは読むべきか読まざるべきか、迷っています。