- 作者: 新井英樹,山田太一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/09/30
- メディア: コミック
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【後報】
介護のケアマネとかよく知らないので、勉強になりました。
介護の仕事をやめた人が、やめて初めて、
糞尿のにおいに四六時中囲まれていたことに気付いた、
と話していたのを思い出しました。
そういう環境で、いつかない続かないと言われる男性、それも青年を主人公にし、
当然鬱屈するだろう(給料安いし)という作家の想定から始まった小説を、
新井英樹が漫画化した本です。
八十一歳の車椅子の老人があんまり矍鑠として頭脳明晰なので、小説はともかく、
漫画では、例えば補聴器のせいで、角度がかわるだけで(聞こえないので)、
全然無反応になって会話が不自然になる、など、厚みをつけてもよかった気がします。
漫画化の許可を得るために戦術として過去の暴力的な作品を見せなかったそうですが、
ふーんと思いました。
新井英樹の写真も載ってますが、二十年間マンガだけ描いていたと自ら語るだけあり、
あれ、この人ラグビーやってたんじゃなかったんだっけ?と思う写真でした。
今は外に出る毎日とのことですが、この夫妻は奥さんがすごいので、
主夫業も兼任してみると、ほんとに外に出ることと家事の両立で目からウロコ、
大上段にいろいろ語ったりしてたのがアレになるくらい卑近な日常を大切にするようになる、
気がします。どうでしょうかと少し思いました。
(2014/11/30)