『あるいは酒でいっぱいの海 初期ショートショート』 (集英社文庫)読了

あるいは酒でいっぱいの海 (集英社文庫)

あるいは酒でいっぱいの海 (集英社文庫)

テキトーに借りた本。
NUL(日本ユニシスじゃないですよ)時代から十五年くらいの未収録短編を集めたとか。
表紙は誰が見ても柳原良平。解説は山野浩一
短編集なんですけど、ページ左上の余白が、各短編のタイトルでなく、
本のタイトルになってるので、その時読んでる短編のタイトルを確認しづらかったです。

頁103のガモフ博士のコメントなど、時事ネタだったのかもしれませんが、
風化してしまったのか、分かりませんでした。

表題作はまあいいとして、アル中が出てくる話がふたつあり、
前者の頁29もまあ、アクセサリーとして出てくるだけなので、
どうでもいいのですが、

…頁77『アル中の嘆き』の描写は、
アル中でない人が、ノンアルコール飲料を飲んで酔わない嘆きでしかない。
そのままアル中に当てはめようとしても無理がある。
いい飲み方が出来たらアル中じゃないんじゃないか。
酒乱、暴力飲酒、失見当、譫妄、鬱の深刻化。否認。
そういうものを味わえない状態がいいか悪いか。

アル中専門医だったなだ いなだとかから、
レクチャー受けてもよかったんじゃないですかね。
奥ゆかしい日本人同士だから、交流とかなかったのかな。残念。
後年この人は、筆禍で断筆とかありましたが、
断筆と断酒は一字違いで大違い。異常以上