『新宿海溝』読了

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新宿海溝 (1979年)

新宿海溝 (1979年)

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【後報】
寝落ちしたので、今感想を書きます。これも、洋酒天国とその時代に出てた、
新宿中心に文壇やら飲み屋やらを綴った本です。装丁永田力。
表紙裏に昭和二十二年の新宿地図。角筈、三光町、番衆町。
作者だけ庄助という名前で、ほかは皆実名(と思います。編集者とか知らんけど)
三島由紀夫が作者をほめた時、ウラの意図を皆が探る場面で出てくる、
憲兵のMという人だけイニシャルです。一人だけイニシャルだと気になりますね。

飲み方とか痴態とかおもしろエピソードも、抑えてるのか関心がないのか、
先輩の丸谷才一、前職八幡製鉄労組書記の佐木隆三等、数人だけです。
人名のラレツと、自分がその時どういう状況で幾ら稼いでいたか、
あのときあれがあってそれでパクった、とか、が多かったです。
最終章だけ色懺悔みたいなこと書こうとして、何も書けなかった感じ。
その辺、まだ飲み続けてた人なんだな、と思います。
(友人の死の時に、妻が、初七日まではしょうがない、言っても飲むんでしょう、
 とため息をつく場面があります。終生底をつかなかった人、供給者のいた人)
江分利満の次に、主人公の名前が庄助の小説だったので、偶然面白いと思いました。

結局最後までこの人は黒眼鏡。巻末に人名店名索引がありますが、必要なのか。
以上(2015/8/27)