リレー講座 文学・歴史・宗教をとおして異文化を考える(後半)「歴史にみる日中交流秘話〜明の文人・唐伯虎と室町商人・彦九郎との交流〜」聴講

Webの講座案内:http://www.pref.kanagawa.jp/evt/p553519.html
紙パンフの講座内容:
             現在も中国で文化的英雄として愛されている明の文人・唐伯虎が、
             無名の日本人・彦九郎に書き与えた詩を観賞し、日本人が忘れた
             日本人の過去を知り、中国人の異文化理解の広範さを学びます。

講師の方:新谷雅樹先生
プロフィール:http://researchmap.jp/read0038148/

この人が、いつも講座の前説をする人だったんですね。
この日も蝶ネクタイでした。鈴木先生はループタイ、この人は蝶ネクタイ。
ご専門を見ると、エロ。中国人のエロはむっつりスケベだから、
はじけさせてあげる日本人が必要なんでしょうね。
この先生に中川家のお兄ちゃんを連想し、礼二来ないかなあ、と思いました。
この日先生ひとりできれいにシメて拍手ありましたが、
こんな感じで礼二がセッキョーしてシメてもええかな、と。

彦九郎が誰かは分からない。
はたちで二度中国に来たことがあって皇帝に拝謁とか、
そういう適当な詩を真に受けてはいけないそうです。
高山彦九郎かなあ、そろり新衛門かなあ、と、思っていたので新鮮でした。
この詩は、日本では有名でしたが中国では知られておらず、
昭和四十九年夏、大阪城天守閣日中国交正常化記念展覧会で、
本人の落款付きでこの詩幅が公開された時、全中国人が丢脸状態だったとか。
いろいろいちゃもんあったんでしょうね、
だから先生も、唐伯虎の各種落款の説明とか、解元の意味から学歴コンプの話とか、
「六如」の6はこの場合呉音のロクと読むか漢音のリクと読むか、
正史では儒林伝にいれてもらえず文苑伝扱い、などなど語っていました。
つまりこの講座は、中国人が忘れた中国人の過去を知り、
日本人の異文化理解の広範さを学ぶ講座だったわけです。よかったですね。
唐伯虎については大木康先生のこの本が詳しいとか。違ったかな?

講義では、唐伯虎が文人の出でなく商人の出で科挙突破したのを、
珍しいみたいにゆってたように感じましたが、
科挙突破には財力のバックがないと厳しいと個人的には思ってます。
官吏の、官が中央で吏がローカル、両者を結ぶ触媒がじゅうよう、
特に蘇州のような重税都市にとっては、などの説明はよかったです。
大木先生もこんな本出してますし。
中国明末のメディア革命―庶民が本を読む (世界史の鏡 情報)

中国明末のメディア革命―庶民が本を読む (世界史の鏡 情報)

日本の場合は、吉川幸次郎先生が書香の家でなく商人の家から出たとか、
そのもとには大阪懐徳堂などの脈々たる文化の継承があったとか、
けっこういろいろ思いを馳せました。この講座に来てる人は、
京大支那学をちゃんと修めたことがあったりとかの人もいるので、
同じような感想の人はほかにもいると思います。
ひがしはやっぱりちゃらんぽらんと思った人がいたかどうかは分かりませんけど、
唐伯虎もちゃらんぽらんな人ですしね。
チャウ・シンチーの映画の元ネタの小説の説明はうれしかったです。

間違えた。
はてなから唐伯虎點秋香のつべがうまく紹介できない。
http://www.youtube.com/watch?v=e8Jr1XQieHY
みんなが勝手に各方言で声をあててアップして遊んでるうちのひとつ。

アンケート用紙が用意されていないというオチにも笑えました。
先生には末永くいろんな講座をやってほしいです。エロネタで。

【後報】

(2013/2/26)