『酒道入門』 (角川oneテーマ21)読了

酒道入門 (角川oneテーマ21)

酒道入門 (角川oneテーマ21)

この人の、男のクッキング的なものは読んだことあるのですが、
大学に通勤生活とかし始めたからでしょうか、
酒飲みの本も書いたんですね、くらいの本です。
類書と大きく異なる点といえば、
〆がお姉ちゃんやチーママのいそうなバーであることだと思いました。
執筆当時の2008年にガールズバーはなかったので、ガールズバーじゃないバー。
なかなかお金に余裕がないとこういう生活は出来ないですね。
ガールズバーヘビーローテーションを歌ってもらうだけであっても。
口説き酒の部分は、まあ、類書はホイチョイくらいしか思いつかないけど、
インターネットに玉石混交であるんじゃないかと思うので、異なる点とはいえない。
むしろ、「ジモティ「お嬢」「プチ××」といった若者から教わったような記述があって、
それとつりあいのとれる、西村賢太が使うような小難しい単語がないのが残念ですかね。

危ないかどうかで言うと、下記の記述が気になる程度です。

頁12
 ともあれ、どこかの店に飛び込み、気付けのビールか酎ハイを飲む。どこでもいい。下町は四時頃から居酒屋が開いている。場所によっては朝から営業している。

駆けつけの間違いじゃないの、と思いましたが、気付けととってよいような記述が他にも。

頁55
 たとえば、私は大学での仕事が終わった時、講義を終えて研究室に戻ってくると、スイッチの切り替えのために一杯引っかけます。講義で喉が渇いていることもありますが、オンからオフへの切り替えのため、「さあ、これからは酔っぱらいになる時間だ」という宣言をする感覚で一杯あおる。

家飲みの場合は、頁56にあるように、仕事を終えて夕食の支度の前に一杯程度飲んで、
本番は家族との夕食と、メリハリがあるようですし、
なにより長年続けてきた生活ですから、問題なさそうに思いますが、
職場でのこれはちょっと引っ掛かりました。
タイムカード押したらロッカーの隠し酒をあおる人みたい。
そのうち報酬系の先取りをカラダがほっして、みたいな学問はよく分かりませんが。

著者は、問題飲酒については経験則からよく理解されているようです。

頁60
これをもって自己管理ができているというつもりはありませんが、「一緒に酒を飲みたいと思わせるコミュニケーションルールを持っているか」という点において、自分がどこまで飲めるか、はてにどうなるかを把握しておくに越したことはありません。

しかし、連続飲酒についてはどうなのかな、いままで大丈夫だったから、
あまり気にとめてなかったんじゃないかな、と思いました。
軽い自己破壊衝動」「悲酒 ずっしり重い酒でとことんメランコリーの海に沈むべし
家飲みが無難かもしれません」そうなのかな。どうもね。
この本出版当時はニューヨークに滞在中とあるから、
そこで退勤即飲酒の行動パターンを調節出来たかもしれないですね。